研究シーズ2016知能システム科学

いろいろな情報から新たな知識を発見するには?

多様な情報からの知識発見技術

市瀬 龍太郎情報学プリンシプル研究系 准教授

研究分野データマイニング/人工知能/知識獲得・知識発見

研究背景・目的

情報技術が発達した現在では、多様な情報を容易に得ることができます。しかし、多様な情報を組み合わせて、そこから有用な知識を発見するためには、データの検索、統合、マイニング技術は欠かせない要素技術です。それらを実現する知識処理技術について研究を行っています。具体的には、データから必要な部分を検索する技術、異なるデータスキーマを持つデータを意味的な整合性を持たせながら統合する技術、ソーシャルネットワークデータから知識を発見する時系列データマイニング技術、専門家の持つ知識を併用した医療データからの知識発見技術などを行っています。

研究内容

  • データの検索技術
    半構造データで書かれた知識は、Googleナレッジグラフをはじめとして、様々な場所で使われるようになってきています。そのようなデータを検索する際には、事前に構造の意味を理解し、適切な検索式を与える必要があるため、利用が困難です。意味を捉えて自動で適切な検索式に変換し、高精度で検索するフレームワークを開発しました。
  • 複数データの統合技術
    複数のデータを統合する際には、意味的な関係を保持しながら統合する必要があります。たとえば、東京に関するデータでも、東京駅の場所を代表とするか都庁の場所を代表とするかで緯度・経度の情報が異なっている場合があります。そのような違いの意味を機械が自動的に検知して、整合性を持たせたまま高精度でデータを統合する技術を開発しました。
  • データマイニング技術
    • Facebookでみられる友人関係や協働関係などを示すソーシャルネットワークは時間とともに逐次変化していきます。その時系列の変化を予測するための研究を行い、従来よりも精度が高く予測できる技術を開発しました。
    • 医師は豊富な知識を利用して患者のデータを分析し最適な治療方針を決定します。医療データのマイニングをする際に、医師の持つ背景知識を利用しながらマイニングする技術を使うことで、背景知識を使わない場合よりも高い精度でカンジダ血症を予測するモデルを構築しました。
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産業応用の可能性

  • 各種のデータベースのデータ統合支援プラットフォーム技術
  • マーケティング予測、広告効果予測支援
    ・購買データ、視聴データ
  • 医療診断支援、専門家の故障診断支援システム

研究者の発明

  • 特許第4734559号:時系列データ分析装置および時系列データ分析プログラム
連絡先

市瀬 龍太郎[情報学プリンシプル研究系 准教授]
http://ri-www.nii.ac.jp/index_j.html
ichise[at]nii.ac.jp ※[at]を@に変換してください

関連リンク

市瀬 龍太郎 - 情報学プリンシプル研究系 - 研究者紹介

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