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SPARC、SPARC Europe、SPARC Japan(国立情報学研究所)3者の共同主催により、SPARC Digital RepositoriesMeeting 2008(2008 年11月16日〜 17日)がア メリカ合衆国メリーランド州ボルチモアにおいて開催されました。SPARC による機関リポジトリ関連の会議は、2004年11月の第1回会議以来2回目の開催で、SPARC議長のHeather Joseph氏から「3者が揃って開催できたこと、多くの参加者が世界中から集まったことが素晴らしい」という挨拶が、会議冒頭で述べられました。

SPARC Japanとしては、企画段階からプログラム委員としての協力、経費5,000ドルの拠出など積極的に協力しております。また、日本からは国公私立大学図書館協力委員会が後援機関となりました。

参加者は、アメリカ、カナダの大学図書館員を中心に、ドイツ、イギリス、ベルギー、スウェーデン、インド、シンガポール等から340名ほどの参加があり、日本からはNII関係者、NIIのCSI委託事業(機関リポジトリ)を受託している大学図書館関係者計10名が参加しました。

プログラムでは、新たな展望、大学の出版戦略、付加価値サービスの開発、ポリシーの状況という4つの重要テーマが設定され、それぞれ3名ずつの発表と質疑応答により議論を掘り下げました。日本からは、金沢大学・内島課長が付加価値サービスの開発で、CSI委託事業のプロジェクトの一つであるデジタルリポジトリ連合(DRF)の取組を発表しました。

ポリシーの状況では、千葉大学・土屋教授がSPARC Japanの立場から日本のオープンアクセスの状況を4年前と現在の比較において述べ、将来的な展望を示しました。

SPARC Digital RepositoriesMeeting 2008参加者<空>
左から 
Richard Johnson氏(SPARCシニア・アドバイザ) 、
根岸 正光 教授(SPARC Japan 運営委員長)、
David Prosser氏(SPARC Europeディレクター)、 Heather Joseph氏(SPARC エグゼクティブ・ディレクター)、
安達 淳 教授(国立情報学研究所 学術基盤推進部長)

新たな技術・戦略とアプローチに重点を置くイノベー ションフェアでは、筑波大学・金藤氏がSCPJ(学協会著 作権ポリシーデータベース)について発表しました。「日 本では、研究者にオープンアクセスの説明をしても『な にそれ?』と言われることが多い」というくだりで会場か ら笑いが起こったのは、参加者が所属する機関において も、同じような状況があるからだと思われます。

2日目のLuncheon Keynoteでは、NII・安達教授が SPARC Japanの活動やNIIの機関リポジトリ支援事業に ついての紹介後、NIHパブリックアクセス方針義務化実 現の立役者である講演者(Bob Witech 氏)の紹介を行 いました。

2日間を締めくくるClosing Remarksでは、NII・根岸 教授(SPARC Japan 運営委員長)が今回の会議の成功 を祝するとともに今後に向けた展望を述べ、盛況のうち 終了しました。

第2回 SPARC Japan Seminerの様子<空>
第2回 SPARC Japan Seminerの様子






杉田 いづみ(すぎた いづみ/国立情報学研究所)