SPARC Japan セミナー2025 「リポジトリの永続性と信頼性:持続可能な学術情報基盤をどう築くか」
2026年1月23日(金)13:00-17:00
オンライン開催
更新記録 ・発表資料を公開しました。(2026/01/21) ・参加申込受付を開始しました。(2025/12/17) ・ウェブページを公開しました。(2025/12/17)
概要 プログラム
【概要】
即時OA方針等により 、リポジトリを通じた学術情報のオープン化が進められ、新たな価値創造や評価につながることが期待されています。しかし、不安定な国際情勢や大学の統廃合、リポジトリ維持コストなどの影響により、オープン化された情報の永続性が必ずしも保証されていない状況にあります。また、AI時代において信頼性の高いコンテンツを提供する役割は、より重要性を増しています。 そこで本セミナーでは、リポジトリの最新状況を共有し、さらに出版社や分野リポジトリといったステークホルダーの取り組みを参考に、信頼できる学術情報基盤と永続的な運営の実現に向けて議論します。
【参加対象者】 学術情報流通に関わる全ての方(特に図書館員,研究者,URA,学術出版に関わる方,政策担当者,研究助成機関の方)
当日の質疑には,質問受付ツールSlidoを利用します(事前登録不要・匿名投稿可)。質問を希望される方は、こちら https://www.slido.com/jpにアクセスいただき,当日指定するイベントコードをご入力の上,手順に従って書き込みをお願いいたします。 差し支えなければ所属,職種をお書き添えください。書き込まれた質問,所属,職種は,パネルディスカッションの際に読み上げることがあります。 なお,Slidoにてご質問をされる際は,質問先(講演者のお名前)につきましてもご記入くださいますと幸いです。
時間
内容
講師
発表資料
ビデオ映像
ドキュメント
13:00-13:05
開会挨拶・概要説明
池内 有為 (文教大学)
13:05-13:35
学術情報流通の薄明るい未来
杉田 茂樹 (京都大学)
この作品は クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
13:35-13:55
消失するデータ:データと社会の相互作用
鎌田 均 (京都ノートルダム女子大学)
この作品は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
13:55-14:15
arXiv-今日、明日、そして未来のオープンアクセスを支える不可欠な基盤
Stephanie Orphan (arXiv)
この作品は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
14:15-14:30
休憩
14:30-14:45
SSJDAのCoreTrustSeal認証取得の経験からみるコンテンツの永続性
胡中 孟徳 (東京大学)
この作品は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
14:45-15:00
AI時代における信頼性の高い学術情報の提供と透明性の確保
山之城チルドレス智子 (Taylor & Francis Group)
15:00-15:20
JAMSTECにおける研究データの公開ワークフロー
杉原 孝充 (国立研究開発法人海洋研究開発機構)
15:20-15:35
15:35-16:55
【モデレーター】 江沢 美保 (一橋大学) 林 賢紀 (国立研究開発法人国際農林水産業研究センター) 【パネリスト】 杉田 茂樹 (京都大学) 鎌田 均 (京都ノートルダム女子大学) 胡中 孟徳 (東京大学) 山之城チルドレス智子 (Taylor & Francis Group) 杉原 孝充 (国立研究開発法人海洋研究開発機構) 小林 健輔 (岡山大学) 【準パネリスト】 林 和弘 (科学技術・学術政策研究所) 池内 有為 (文教大学) 川島 秀一 (ライフサイエンス統合データベースセンター) 野中 雄司 (京都大学) 矢吹 命大 (横浜国立大学)
16:55-17:00
閉会挨拶
細川 聖二 (国立情報学研究所)
下記「お申し込み」ボタンからお申し込みください(別サイトにとびます)。 申込完了後,Web会議システムへの接続先情報等をお送りいたします。 ※ご連絡いただいた個人情報は,国立情報学研究所主催イベント等のご案内と開催変更等の緊急連絡に使用いたしますのでご了承ください。
お問い合わせ先:国立情報学研究所 学術基盤推進部学術コンテンツ課支援チーム SPARC担当 E-mail sparc-seminar[at]nii.ac.jp
◇杉田 茂樹 (京都大学)
◇鎌田 均 (京都ノートルダム女子大学)
◇Stephanie Orphan (arXiv)
◇胡中 孟徳 (東京大学)
◇山之城チルドレス智子 (Taylor & Francis Group)
◇杉原 孝充 (国立研究開発法人海洋研究開発機構)
◇小林 健輔 (岡山大学)
◇池内 有為 (文教大学)
◇江沢 美保 (一橋大学)
◇林 賢紀 (国立研究開発法人国際農林水産業研究センター)
◇野中 雄司 (京都大学)
◇川島 秀一 (ライフサイエンス統合データベースセンター)
◇林 和弘 (科学技術・学術政策研究所)
◇矢吹 命大 (横浜国立大学)
◆学術情報流通の薄明るい未来
(杉田 茂樹)
学術情報流通の変転を回顧し今後を展望する。
◆消失するデータ:データと社会の相互作用
(鎌田 均)
現在では、社会の意思決定やサービスといった様々な活動が、dataficationと呼ばれるようにこれまで以上にデータに依存している。一方で、社会において、ある種のデータが欠落していることの社会的不公正といったデータに関わる諸問題も存在する。そして、データは多様な要因によって消失する危険性も孕んでいる。データが政治的圧力によって抑圧されたり、真正なデータによるエビデンスが誤情報、偽情報にかき消されたりする懸念も見られる。本講演では、こういった消失するデータや見えなくされるデータを取り上げる。研究データにおいても、その公正性を確保し、保存し、広くアクセス可能にすることは、学術分野だけではなく、社会にとって重要である一方で、研究データも研究者以外の多様なアクターが関与するものである。データ管理、キュレーションが技術、プロセスにとどまらない社会的なものであり、そのために不確実な営みであることについても考えてみたい。
◆arXiv-今日、明日、そして未来のオープンアクセスを支える不可欠な基盤
(Stephanie Orphan)
arXivは、公開・未公開を問わず研究成果を安全かつ永続的に保存するオープンアーカイブとして、約35年間にわたり科学コミュニティに貢献してきた。物理学、数学、コンピュータサイエンス、定量生物学、定量金融、統計学、電気工学・システム科学、経済学などの分野において、世界中の研究者が査読の前後を問わず、オリジナルの研究成果を迅速に閲覧・共有することを可能にしている。本講演では、arXivプログラムディレクターのステファニー・オーファン氏が、arXivの背景を紹介し、技術移行の最新状況を共有するとともに、arXivが直面する課題とその対応について解説する。
◆SSJDAのCoreTrustSeal認証取得の経験からみるコンテンツの永続性
(胡中 孟徳)
東京大学社会科学研究所のSocial Science Japanデータアーカイブ(SSJDA)は、2025年に国際的なデータリポジトリの認証基準であるCoreTrustSeal(CTS)を取得した。本報告では、SSJDAの申請から取得にいたるプロセスで必要となった取り組みをもとに、コンテンツの永続性を保障するために必要となるさまざまな要素についてSSJDAを事例として紹介する。あわせて、CTS取得をする意義と、今後の継続的改善のための実務的な課題について述べる。
◆AI時代における信頼性の高い学術情報の提供と透明性の確保
(山之城チルドレス智子)
AI時代において、信頼性の高い学術情報を永続的に提供することは、学術界全体にとって重要な課題です。日本では即時オープンアクセス(OA)方針の推進により学術情報のオープン化が進展している一方で、世界的にはAIを利用した著者や査読者による不正行為が急増しており、信頼性の高いコンテンツ提供の重要性がさらに高まっています。こうした状況の中、学術コンテンツの透明性が今後も引き続き重要なテーマとなることが予想され、特に研究データや論文、査読プロセスの透明性確保が、AI不正抑止の鍵となる可能性があるとも言われています。本講演では、これらの現状と課題を踏まえ、学術業界が直面する変化にどのように対応し、信頼性の高い学術情報の提供をどのように実現していくべきかについて方向性を模索いたします。
◆JAMSTECにおける研究データの公開ワークフロー
(杉原 孝充)
国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)では、研究船を運航することで社会に繋がる海洋研究を展開している。こういったJAMSTECの研究活動の中では、航海後の研究成果としての論文データだけでなく、研究素材となる航海中に得られた海底地形データなどの各種観測データが取得され、汎用性のある科学データとして蓄積されている。よってJAMSTECにおけるデータ管理の考え方では、この各航海で取得された多様な海洋観測データを十分な品質管理の上、永続的に広く研究目的で利用できるよう公開していくことに重点が置かれている。しかし、一部のデータでは公開が制限される場合もある。本講演では、JAMSTECで実施されている研究データを公開するまでのワークフローについて概説し、どのようなプロセスで永続的なデータ公開を目指しているのか紹介する。
最終更新日:2026年01月21日