イベント情報
イベント情報
2011年(平成23年度)

第4回 SPARC Japan セミナー2011
「学術情報流通の未来を切り開く―電子ジャーナルの危機とオープンアクセス―」

日時

平成24年2月10日(金)13:30〜17:00

logo
場所

富山大学 黒田講堂 会議室

主催 国立情報学研究所
国際学術情報流通基盤整備事業(SPARC Japan)
共催 富山大学附属図書館

イベントは終了しました。ご参加ありがとうございました。
当日の発表資料を公開しましたので,ご活用ください。

更新記録
ドキュメントを公開しました。(2012/06/14)
・当日の写真を公開しました。(2012/02/20)
開催報告を公開しました。(2012/02/17)
発表資料を公開しました。(2012/02/14)
講演要旨を公開しました。(2012/01/12)
プログラムを公開しました。(2011/12/19)
・ウェブページを公開しました。(2011/12/19)

arrow 概要
arrow プログラム
arrow 参加申込
arrow 講師紹介
arrow 講演要旨
arrow 開催報告

第4回 SPARC Japanセミナー2011

第4回 SPARC Japanセミナー2011

第4回 SPARC Japanセミナー2011

第4回 SPARC Japanセミナー2011

第4回 SPARC Japanセミナー2011

第4回 SPARC Japanセミナー2011

第4回 SPARC Japanセミナー2011

   
アウトライン

【概要】
研究成果の発表媒体は学術雑誌から電子ジャーナルへと大きく変化しましたが,大規模出版社の寡占に起因するジャーナルの価格高騰によって学術情報流通は危機に瀕しています。このような状況の中で,機関リポジトリを活用したオープンアクセスの推進は,一部の出版社による学術情報の囲い込みに対抗し,インターネット上で誰でもが有用な研究成果にアクセスできる未来を切り開く大きな可能性を持っています。
本セミナーでは,学術情報流通の最前線で活動している研究者と実務者から,研究成果の発信や電子ジャーナルへの対応のあり方等について,自身の経験に即した実践的な講演をしていただきます。
SPARC Japanセミナーはこれまで東京で開催されてきましたが,このたび富山大学附属図書館との共催により,富山大学で開催されることとなりました。特に北陸及び周辺の地域の皆様方におかれましては,学術情報流通に関わる最新の動向を知り,今後の実践に役立てていただける数少ない機会となりますので,ぜひご参加いただき,活発なご議論をいただきますよう,ご案内いたします。

【参加対象者】
研究者,及び学協会,研究機関,図書館,学術出版関係者等

▲ページTOPへ戻る
プログラム
司会進行: 永井 裕子 (日本動物学会)

時間

内容

講師

発表資料

ドキュメント

13:30-13:40

開会挨拶

     

13:40-14:00
(質疑含む)

NIIによる学術情報流通基盤の構築について:オープンアクセス関連の事業・サービスを中心に

[講演要旨]

森 いづみ
(国立情報学研究所 学術コンテンツ課専門員)

http://hdl.handle.net/10110/6578

(611K)pdf

14:00-15:00
(質疑含む)

ビッグディールからの脱却の試み−窮途末路の図書館の明日は

[講演要旨]

谷藤 幹子
(物質・材料研究機構 科学情報室長)

http://pubman.mpdl.mpg.de/pubman/item/escidoc:1354564:1

 

15:00-15:10

休憩

15:10-16:10
(質疑含む)

研究者のアウトリーチ活動としてのセルフアーカイビング

[講演要旨]

轟 眞市
(物質・材料研究機構 主幹研究員)

http://hdl.handle.net/10110/6577

(1.28M)pdf

16:10-16:50

ディスカッション

森 いづみ
(国立情報学研究所 学術コンテンツ課専門員)
谷藤 幹子
(物質・材料研究機構 科学情報室長)
轟 眞市
(物質・材料研究機構 主幹研究員)
村田 輝
(富山大学 図書館情報グループ長)

   

16:50-17:00

閉会

     
▲ページTOPへ戻る
参加費
無料
参加申込

氏名,所属,連絡先をご記入の上,件名を【第4回SPARCセミナー参加申込】として,電子メールまたはFAX にて下記宛にお申込ください。折り返し【受付票】を返送しますので,当日ご持参ください。

※ご連絡いただいた個人情報は,今後のセミナーのご案内と開催変更等の緊急連絡に使用いたしますのでご了承ください。

申込期限平成24年2月6日(月) 平成24年2月9日(木)

申込先: 国立情報学研究所 学術基盤推進部学術コンテンツ課図書館連携チーム SPARC担当
E-mail co_sparc_all@nii.ac.jp FAX 03-4212-2375

▲ページTOPへ戻る
講師紹介

◇永井 裕子

  (日本動物学会 事務局長 UniBio Press代表)

1993年より動物学会事務局長,現在に至る。2010年より筑波大学図書館情報メデイア研究科博士後期課程に在学中。

◇森 いづみ 

  (国立情報学研究所 学術コンテンツ課 専門員)

東京大学附属図書館,同・情報基盤センター,三重大学附属図書館において,外国雑誌受入,参考調査,情報リテラシー教育支援,機関リポジトリ構築等に従事。
平成19年(2007年)度からは,国立情報学研究所において,主として学術機関リポジトリ構築支援事業(NII-IRP),国際学術情報流通基盤整備事業(SPARC Japan)等を通じた学術情報基盤の整備に従事している。
http://researchmap.jp/izumimi/

◇谷藤 幹子 

  (物質・材料研究機構 科学情報室 室長)

学術情報流通基盤強化の一環として図書館経営のほか,オープンアクセスジャーナルの出版,研究コミュニティポータルの開発運用に従事。
機構のデジタルライブラリー化構想を受けてリポジトリシステムをマックスプランク研究所と共同開発。“NIMS eSciDoc”(http://pubman.mpdl.mpg.de/)として運用中。
同システムと所内業務データベースを統合した研究者総覧“SAMURAI”(http://samurai.nims.go.jp)を開発,2010年秋に公開以来,50万件近いアクセスに成長。
また材料科学分野の英文論文誌(Science and Technology for Advanced Materials, STAM)をオープンアクセスジャーナルモデルへ2008年に転換,インパクトファクタは3.226(国内同分野で一位)に達成。材料科学専門研究機関として出版を支援する。同誌の国内読者向けサイトを2010年に開設(http://e-materials.net/stam)。
応用物理学会会員,Society of Scholary Publishing (SSP)会員,エルセビア社SCOPUSのコンテンツアドバイザリーボード委員,日本学術会議特任連携会員,他出版社のLibrary Advisory委員等としても活動。

◇轟 眞市

  (物質・材料研究機構 先端フォトニクス材料ユニット 主幹研究員)

2008年秋から所属組織の機関リポジトリであるNIMS eSciDoc の立ち上げに研究者ユーザーとして参加。また研究成果に関する短いビデオや読み物をYouTubeやScribdで公開している。これらの成果物に対する国内外からの反響を追跡して,セルフアーカイブすることの楽しみを講演や記事の形で発信している。
1993年京都大学大学院工学研究科博士後期課程修了。同年日本電信電話株式会社入社。1998年科学技術庁無機材質研究所入所を経て,2001年4月より現組織に移行。現在,高強度光を伝搬する光ファイバにおける損傷現象の研究に従事。

▲ページTOPへ戻る
講演要旨

◆NIIによる学術情報流通基盤の構築について:オープンアクセス関連の事業・サービスを中心に

  (森 いづみ)

国立情報学研究所(NII)では,平成15年度からSPARC Japan(国際学術情報流通基盤整備事業),平成17年度からNII-IRP(学術機関リポジトリ構築連携支援事業)を行い,学会・大学等と連携しながら,大学等の研究者が必要とする学術情報の流通基盤の改善を目指してきました。
また,平成22年度に国公私立大学図書館協力委員会とNIIの間で『連携・協力の推進に関する協定書』を締結し,翌平成23年度にはJUSTICE(大学図書館コンソーシアム連合)が発足し,「バックファイルを含む電子ジャーナル等の確保と恒久的なアクセス保証体制の整備」を推進しています。
一方,機関リポジトリの横断検索サービスJAIRO Search,機関リポジトリのクラウドサービスであるJAIRO Cloud,国内学術雑誌の論文や国内大学等の蔵書を探すツールCiNii ArticlesCiNii Books,科学研究費補助金のデータベースであるKAKEN等の提供も行っています。
これらNIIの事業・サービスラインナップから,オープンアクセス関連の最新の動向をお話しいたします。

◆ビッグディールからの脱却の試み−窮途末路の図書館の明日は

  (谷藤 幹子)

図書館にとって電子ジャーナルは悪夢である。’図書館へ冊子版を読みに行く’よりも’研究室で/電車や出先で電子版にアクセスする’ことの方が格段に便利であることに誰も異論を唱えないだろうが,’電子ジャーナルへアクセスするライセンスを買い続ける’ことには方法論も含め議論百出である。図書館サービスは機材維持,サービスを運営するシステムや機能,サービスを構成する各種コンテンツ,さらにコンテンツ維持管理にはお金がかかり,要となるコンテンツ,すなわち電子ジャーナル・ブック・データベースはいずれもコンテンツ量増に比例してライセンス料は上がる。図書館サービスを維持する経常費は常に上がり,下がることはない。上がり続ける図書館運営費に対して,費用対効果(あるいは投資効果)を定量化して予算増の根拠とする取り組みは,欧米では政府調査も含め盛んに行われているが国内ではあまり聞かない。研究型独立行政法人である物質・材料研究機構(NIMS)でも,政府方針の転換を受けて運営交付金減が更に推し進められ,’研究に必要な図書資料’という論旨明快な理由でも運営予算がつかない窮途末路にある。ビッグディールで退路を断たれつつある中,電子ジャーナルの取捨選択,購読方法の選択,アクセス分析に基づく受益者負担化への試み,またオープンアクセスへの研究者意識の変化について紹介する。
注:講演当日の資料配布はなく,後日に機関リポジトリにて概要版を公開する予定です。

◆研究者のアウトリーチ活動としてのセルフアーカイビング

  (轟 眞市)

研究成果著作物のセルフアーカイビングが,専門分野を越えて幅広い読者を対象とするアウトリーチ活動として機能した例を紹介する。所属機関のリポジトリで公開した2つの英文原著論文の著者最終稿のダウンロード数が,出版してから3年経つにも関わらず,それに続く3年間で約1500に達した。どちらも掲載雑誌を購読していない読者からのものと考えられ,研究者に広く興味を引きやすい内容を有していたことや,実験ビデオ映像をYouTubeで公開して文献に誘導したことが効を奏したと思われる。機関リポジトリの登録文書数を研究者の協力を得て拡大しようとするならば,研究者に登録文書への反響を知る楽しみを認識してもらった上で,自発的にセルフアーカイビングしたくなる環境を構築するのが早道であろう。そのためには,登録した文書に対するアクセス統計が欲しいときにすぐ見られるサービスが求められる。

▲ページTOPへ戻る
開催報告
平成24年2月10日(金)に第4回SPARC Japanセミナー2011「学術情報流通の未来を切り開く―電子ジャーナルの危機とオープンアクセス―」を開催しました。
参加者数 45名
アンケート結果 回答数: 27

※ご意見は,公開の同意をいただいたものです。

■参加目的
    業務に関連するため:27   研究に関連するため:1   教養:5   その他:1
■今回の内容について
  目的達成度
    役に立つ:24   普通:2   期待と異なる:0
  ご意見 【所属/職種】
  【大学/図書館関係】
   
  • 詳細で役に立つ内容のお話でした。ありがとうございました。
  • 実はあまり期待していなかったのですが、期待以上でした。
  • 学術情報流通のみならず、それを生み出すコミュニティの話を聞くことができ、大きな収穫でした。
  • 図書館サイド、研究者サイド、それぞれの立場からオープンアクセスやセルフアーカイビングについてのお考えが聞けて大変参考になりました。
  • EJの購入に、数字での分析は、周りを説得するのに重要だと思いました。
  • ご講演内容がたいへん具体的でわかりやすかったです。また、会場とのディスカッションでも新しく知ることがたくさんあり、有意義でした。
  • 学術情報の最大の利用者である研究者に、現在の危機的状況をしっかり伝えるのが図書館員の役割であると思った。研究者の立場から、轟先生がセルフアーカイブについてお話をされたのが非常に面白かった。
  • 専門性が異なるため、目新しい話であった。
  【大学/研究・教育関係】
   
  • さまざまな状況を知ることができ、大変有意義でした。
  • 電子ジャーナルの問題点=高価で利用範囲が限定的。文献管理ソフトウエア、Mendeleyの存在。BlogやYouTubeの波及効果に関して知ることができた。
  【企業/技術関係】
   
  • 直接業務に役立つかはわからないが、普段何気なく読んでいる論文などに対する意識が変わった。図書館や電子ジャーナルの利用について考え直そうと思った。
  【企業/その他】
   
  • 現状の学術雑誌の割高さを考えれば、OAの重要性が高まるのは当然のことと予想していたが、今回あらためて認識を強めた。また、セルフアーカイビングも興味深い。図書館資料に受益者負担が求められるのは、当然という印象と違和感が半々。
  【その他/図書館関係】
   
  • 最先端の研究を中心とする研究所、色々な規模、分野の大学、NII等の情報基盤を担う機関が、当事者である研究者を巻き込みながら全体を良くしていかねばならないと思いました。谷藤さんの講演:図書館経営を厳しいコストカットの中で最適化(研究者へのアプローチ含む)されている様子が具体的に出てきてとても興味深かった。
  • セルフアーカイビングについての話に興味を持ちました。
■今後,聞いてみたい内容・テーマ・講演者について
  【大学/図書館関係】
   
  • 研究者の声をもっと多く。
  • 研究者の情報収集行動について。
  • 10年後の電子ジャーナルの位置づけ(形態、価格、価値)。
  【大学/研究・教育関係】
   
  • 大規模大学、研究機関での電子ジャーナルアクセス解析の実際。
  • E-Book
  【企業/技術関係】
   
  • 図書館関係、研究者の方の話が聞けたので、出版社関係の話も聞いてみたいと思った。
  【企業/その他】
   
  • 高等教育における学術情報の利用。電子化と著作権処理の問題。
  【その他/図書館関係】
   
  • JUSTICEについて。
■その他,当企画に関するご意見・感想
  【大学/図書館関係】
   
  • とてもよかった。もっと研究者の人に聞いてもらいたいですね。
  • レベルが高く、話から落ちこぼれている時もありましたが刺激的でした。
  • いかに自分がのんびりと仕事をしていたかわかりました。
  • 非常に勉強になった。
  【大学/研究・教育関係】
   
  • 大変タイムリーな企画でした。
  【企業/技術関係】
   
  • 初めて聞く内容がほとんどでしたが、大変興味深かったです。これからも続けていただけたらと思います。
  【その他/図書館関係】
   
  • 轟先生:研究者が色々な新しいツールを、どう使い、どう研究アウトリーチに生かしているのかを、デモも含めて説明していただき、とてもわかりやすかった。共催館の富山大学関係者の皆様、講演者の皆様、ありがとうございました。
  • 各部門の方々のお話を伺うことができてよかったと思います。学会、研究者のスタンスについて考えさせられました。
  • 先生方のご意見を聞くことができ有意義だった。
▲ページTOPへ戻る

最終更新日:2012年06月14日