研究シーズ2014ソフトウェア科学

新しい超音波可視化技術が開く超音波イメージングの世界

橋爪 宏達アーキテクチャ科学研究系 教授

研究分野超音波イメージング / デジタル信号処理 / レーダー技術

研究背景・目的

私たちが目を使って光で物を見るように、超音波を使っても物体の位置や形状をイメージングできます。超音波の優れている点は、光を使えない暗室内や、さらに地中、水中、体内なども見える点です。光源にあたるスピーカーから音波を放射し、目の網膜にあたるマイクロフォンアレイで反射音を受信します。音波ではレンズのような構造を作れないので、受信後にデジタル信号処理でその代用をします。すると物体の形だけでなく、そこまでの距離や物体の速度も精密に見えてきます。スピーカーから出す音を工夫し、レンズにあたる信号処理アルゴリズムを用途に合わせて設計することで、光では不可能だったイメージングを提案するのがこの研究です。

研究内容

超音波イメージングは医療エコー装置としてすでに実用になっています。その時は音源には短時間のインパルス波をくりかえし放射しています。短いパルスでは放射エネルギーを大きくとれず、また周波数スペクトルも制御できず画質の劣化をもたらします。それを改善するため、私たち研究グループでは特定帯域のホワイトノイズ類似波形を使用し、持続波によりイメージングする手法を試しています。その結果、1)探索可能距離の数倍の延長(空中で 10mなど)、2)理論限界に迫る画像分解能(目的にあわせたアレイ素子の最適配置技法)、 3)精密なドップラー速度検出(数10m/秒の動物体に対し、1cm/秒精度での速度検出)などを達成しました。この研究では、私たちの日常生活で直接使用することを想定し、空中超音波イメージングをとりあげているのも特長です。また多数マイクでの精密計測のみならず、検出目的のための最小数マイク配置(数点のマイクでの検出)についても研究しています。

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回転する物体(アームの両端)を手前の超音波イメージング装置で視覚化しています。±1cm/秒くらいの精度で物体の動き(速度)もわかります。

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超音波イメージングではスピーカーから放射した音を物体で反射させ、マイクロフォンアレイで受信することで視覚化します。この実験用に16×8の128チャンネルアレイ装置を製作し使用しました。

産業応用の可能性

研究者の発明

連絡先

橋爪 宏達[アーキテクチャ科学研究系 教授]
Email:has[at]nii.ac.jp ※[at]を@に変換してください

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