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ニュースリリース
全日本ピアノ指導者協会が保有するピアノコンクール等のデータ約200万件を学術研究用に提供開始
一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ、代表:福田 成康、東京都豊島区)と大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所 (NII、所長:黒橋 禎夫、東京都千代田区)は、音楽教育データの利活用に向けて提携し、2026年6月10日より、NIIの事業である「情報学研究データリポジトリ」(IDR)を通じて、大学等の公的な研究機関(学術研究機関)向けに、ピティナが保有するピアノコンクール等に関する記録を個人が識別できないよう加工した約200万件のデータ(以下、ピティナデータセット)の無償提供を開始します。
ピティナは、1966年の創設以来、全国のピアノ指導者の教育支援と音楽文化の振興を目的として、全国規模のピアノコンクールや指導者向け事業を実施しています。1990年に会員情報およびコンクール参加者のコンピュータ管理を開始して以降35年間に渡って各種事業の履歴管理を行っており、コンクールなどの参加情報は、約60万人分、200万件超(演奏曲目データ約390万件、審査・採点結果約1,000万件)に上ります。
NIIは、データセット共同利用研究開発センターにおいて、様々な民間企業や研究機関が保有する各種のデータセットを受け入れて研究者に提供する「情報学研究データリポジトリ」(IDR)事業に取り組むことで、大規模な実データと最先端情報技術を活用したデータサイエンス研究の加速に取り組んでいます。
このたび、ピティナとNIIは学術研究分野向けのデータ提供で提携し、IDRを通じて、「ピティナデータセット」をアカデミアの研究者向けに6月10日(水)から無償で提供することになりました(*1)。
今回提供を開始するデータは、ピティナが主催・提携する、2023年度までに実施された以下のピアノコンクールや指導者向け事業に関する約200万件のレコードです。参加者等の情報に個人を識別できる情報は含まれません(*2)。
- ピティナ・ピアノコンペティション
- 毎年26,000組以上が参加する、予選・本選・全国大会の3段階選抜制で行われる国内最大規模のピアノコンクール。未就学児から大人まで幅広い部門があり、年齢に応じたレベル(級)ごとに課題曲が設定されている。(詳細:https://compe.piano.or.jp/)
- 対象期間:1990~2023年
- レコード件数:申込データ約80万件、採点結果約561万件
- ピティナ・ピアノステップ
- 毎年42,000組以上が参加する、全国約600地区で開催されるピアノの発表会形式のイベント。初心者から経験者まで幅広く参加でき、難易度ごとに設定された課題曲を演奏して検定として活用することもできる。プロのアドバイザーから個人別に講評を受けられる。(詳細: https://step.piano.or.jp/)
- 対象期間:1997~2023年
- レコード件数:申込データ約82万件、審査結果約384万件
- その他
- 他団体との提携コンクールの申込情報約16万件、ピティナが認定する指導者ライセンスの受検情報約1万件、各種セミナー・講座の申込情報約16万件など。
データセットに含まれる項目は、参加イベント、演奏曲目、審査・採点結果、参加者・指導者の属性情報(個人を識別できない都道府県・性別・生年月のみに加工したもの)等です。また別途ピアノ曲事典(約9万曲)のデータも付随しています。提供データは毎年更新を予定しています。
ピティナでは、学習者が指導者、セミナー講師、審査員などと立場を変えても、姓名変更や住所変更を経ても、同一のIDを保持するID管理システムを構築しており、提供データセットでも、このID(*3)により各種データを統合することが可能です。特に本データセットは数十年にわたる継続的な履歴を有する点が特徴であり、進学等で履歴が分断される学校教育等のデータと比較して、個人の学習成果や教育効果を縦断的に分析することができます。想定される研究活用の例としては、地域別の学習傾向分析、指導者経験と生徒成績の相関分析、楽曲選考や学習カリキュラムの時系列解析などが挙げられます。
ピティナとNIIは、このデータセットの提供が、音楽教育や生涯学習、音楽史、教育心理学など多様な分野でのオープンサイエンスの進展と、データサイエンスにおける教育と人材育成の強化に貢献できることを期待しています。
一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)について
一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(略称: ピティナ/PTNA)は、1966年に設立されたピアノ指導者と学習者を支援する団体です。 約18,000人の会員と約350,000人のピアノ学習者が関わり、全国128支部・551ステーションを拠点に活動しています。 「音楽がつなげる豊かな人生」をビジョンに掲げ、国内最大規模のピアノコンクールの運営をはじめ、指導者育成、継続学習支援などの事業を展開しています。
国立情報学研究所(NII)について
国立情報学研究所(NII)(東京都千代田区)は、2000年に設置された、情報学という新しい学術分野での「未来価値創成」を使命とする国内唯一の学術総合研究所です。情報学における基礎論から人工知能やビッグデータ、Internet of Things(IoT)、情報セキュリティといった最先端のテーマまでの幅広い研究分野において、長期的な視点に立つ基礎研究、ならびに、社会課題の解決を目指した実践的な研究を推進しています。
情報学研究データリポジトリ(IDR)とは
IDRは、NIIのデータセット共同利用研究開発センターが運営するデータセットの共同利用事業です。IDRでは各種のデータセットを民間企業や大学等研究者から受け入れて研究者に提供するためのサービスを行っています。
関連リンク
- 一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)
- [B22] 音楽教育ビッグデータの学術利用に向けて:ピティナ35年間のピアノ学習データ提供の試み - デジタルアーカイブ学会誌(2025 年 9 巻 s2 号 p. s150-s153)
- 情報学研究データリポジトリ(Informatics Research Data Repository : IDR)
- データセット共同利用研究開発センター
ニュースリリース(PDF版)
全日本ピアノ指導者協会が保有するピアノコンクール等のデータ約200万件を学術研究用に提供開始
(*2) 提供データセットに、氏名、住所、電話番号、メールアドレス等、個人を直接識別できる情報は含まれません。参加者等の情報は、個人を識別できない形に適切に加工されています。
(*3) 提供データセット内の個人IDはピティナ内部のIDをハッシュ化し変換したもので、ピティナ内部のIDとは紐づかないように加工してあります。

NII Today No.107
国立情報学研究所 2026年度 概要
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