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ニュースリリース

国立情報学研究所、ディープフェイク検知プラットフォーム「SYNTHETIQ VISION」を大幅アップデート
― 顔画像に加え「災害画像」等の一般画像検知に対応、 Kubernetes導入によりクラウドでのスケーラビリティを実現 ―

 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所 (NIIエヌアイアイ、所長:黒橋くろはし 禎夫さだお、東京都千代田区)の研究グループは、巧妙化する生成AIによる偽情報対策として開発しているディープフェイク検知プラットフォーム「SYNTHETIQ VISION(シンセティック・ビジョン)」の機能を大幅に拡張いたしました。
 今回のアップデートでは、従来の「顔画像・映像」の検知に加え、SNS等で社会問題化している「災害画像」をはじめとする一般画像の真偽判定が可能となりました。また、基盤技術としてコンテナオーケストレーションシステム「Kubernetes*1」を採用しクラウド対応したことで、大量のデータを高速かつ柔軟に処理できるスケーラビリティを確保。メディア各社や大規模プラットフォームでの社会実装の技術基盤を確立しました。

背景

 生成AI技術の急速な進展により、実写と見分けがつかないほど精巧な画像・映像が容易に作成可能となりました。特に、人物の顔をすり替えるフェイク動画に加え、近年では「発生していない自然災害」を捏造した画像がSNS等で拡散され、救助活動の混乱や社会不安を招く「インフォデミック(情報の感染爆発)」が深刻な課題となっています。

今回のアップデート内容
  1. 顔画像から「一般画像・災害画像」へ検知対象を拡大

     これまでのSYNTHETIQ VISIONは、主に人物の顔に特化した検知アルゴリズムを搭載していましたが、最新のアップデートにより、建物、風景、災害現場といった「一般画像(非人物画像)」の検知に対応しました。

    • 災害関連の偽画像検知: 生成AI特有のアーティファクト(計算の痕跡)を解析し、偽の洪水や火災、建物の損壊画像の真偽を高い精度で判定します。
  2.  検知エンジンのアーキテクチャを刷新し、Kubernetes(クーバーネイティス)を活用したクラウドネイティブな構成へと移行しました。これにより、以下のメリットを提供します。

    • オートスケーリングによる高速・大量処理: 検知リクエストの増減に応じて計算リソースを自動的に最適化します。大規模な災害発生時のSNS解析はもちろん、オンライン本人確認(eKYC)や各種認証システムにおける突発的かつ大量の解析リクエストに対しても、遅延のない安定した検知環境を提供します。
    • 高い可用性と柔軟な運用: コンテナ化された検知エンジンをKubernetes上で管理することで、システムの安定稼働を実現。APIを通じて既存の報道システムや認証・監視基盤へ、シームレスに統合することが可能になりました。
今後の展望

 NIIでは、今回の機能拡張を機に、実社会の課題解決に向けた外部機関との実証実験等の連携を推進します。今回の機能拡張を施したSYNTHETIQ VISIONは、NIIオープンハウスにてご覧いただけます。技術的な検知精度の向上のみならず、誰でも情報の真偽を適切に判断できる「情報的健康(インフォメーション・ヘルス)」な社会の実現を目指し、研究開発を加速させてまいります。

謝辞

 この成果は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託業務【JPNP22007】の結果得られたものであり、また、本成果に関する基礎研究の一部は、JST経済安全保障重要技術育成プログラム【JPMJKP24C2】の支援を受けたものです。

SYNTHETIQ VISION について

 国立情報学研究所(NII)が開発する、AIによって生成された画像・映像を識別するための検知プラットフォーム。最先端の深層学習モデルを用い、肉眼では判別困難な生成AI特有の痕跡を検出します。

関連リンク

ニュースリリース(PDF版)

国立情報学研究所、ディープフェイク検知プラットフォーム「SYNTHETIQ VISION」を大幅アップデート
― 顔画像に加え「災害画像」等の一般画像検知に対応、 Kubernetes導入によりクラウドでのスケーラビリティを実現 ―


(*1) Kubernetesは、The Linux Foundationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
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