第3版
2004年8月
Open Society Instituteおよび本文書の著者は、本文書で検討するシステムの以下の代表者に対して感謝の意を表したいと思います。各氏にはここに取り上げた情報を査読していただき、ご意見をたまわりました。
ラヴァル大学のRida BenjellounとGuy Teasdale(Archimede); Seek You Too社のErik Groeneveld(i-Tor); サウサンプトン大学のChristopher Gutteridge (Eprints.org); オランダ科学情報サービス研究所のHenk HarmsenとLaurents Sesink (i-Tor); CERNのJean-Yves Le Meur (CDSware); エッセン大学のFrank Lüzenkirchen (MyCoRe); ティルブルグ大学のThomas PlaceとWilko HaastおよびFred Vos (ARNO); シュトゥットガルト大学図書館のFrank ScholzeとAnnette Maile(OPUS); MITのMacKenzie Smith と Richard Rogers (DSpace); コーネル大学のChris Wilper(Fedora)。
さらに、 Henk Ellerman(エラスムス電子出版イニシアティブ)、InnervationのMartin Feijen (DAREのコンサルタント)、 Susan Gibbons (ロチェスター大学)、Steve Hitchcock(サウサンプトン大学)、Peter Linde(ブレーキンゲ工科大学)、William Nixon (グラスゴー大学) 、Andrew Treloar(モナッシュ大学)、およびLilian van der Vaart (DARE)の各氏からは全般的に貴重な洞察に満ちたご意見をいただきました。
本文書に事実の相違や理解の誤りが残っている場合、その責任は一切著者にあります。
本文書は クリエイティブ・コモンズ(Creative Commons)のアトリビューション―ノーデリブス 1.0(著作(権)者表示―二次的著作物禁止) (http://creativecommons.org/licenses/by-nd/1.0) (ライセンスの日本語訳)によりライセンスされています。OSI は第三者に対し作品の複製、配布、表示および上演を許可します。ただし、利用に際しては著作権者の表示をしなければなりません。なお、OSIが第三者に対し許可する複製、配布、表示および上演は改変されていない原作品についてのみです。原作品に基づく派生作品についてはこれを許可しません。
© 2004, Open Society Institute, 400 West 59th Street, New York, NY 10019
作成者: Raym Crow
Chain Bridge Group
1.703.536.7447 crow@chainbridgegroup.com www.chainbridgegroup.com
世界中の大学や研究センターで機関リポジトリが盛んに計画・構築されています。その実行には、方針、法律、教育、文化、技術の各側面から検討する必要がありますが、これらの多くは互いに関係しており、リポジトリを成功に導くためにはいずれもないがしろにすることはできません。
Open Society Instituteでは、そうしたリポジトリ構築計画の一側面である、機関のニーズを満たす最適のソフトウェアを選択する際の一助となるように、このガイドを作成しました。各機関のシステムに対するニーズは、コンテンツの提供方針やそれを実現するために必要な様々な管理上および技術上の手続きにより決まるでしょう。それゆえ、この文書は、機関リポジトリの構築に関連する様々な管理上、方針上、計画上の問題について既に熟知している機関向けに作成されています。機関リポジトリで提供される利点および機能の評価を始めたばかりの機関は、このガイドを使用するための背景知識を得るために、まず数多く発表されている関連文献を参照してください。(1)
このガイドで検討するソフトウェアは以下の3つの基準を満たすものです。
このガイドで検討するシステム、Archimede、ARNO、CDSware、DSpace、Eprints、Fedora、i-Tor、MyCoRe、OPUSは、すべてこれらの基準を満たしています。これらのシステムを使用することにより独自の開発をすることなく OAI 準拠のリポジトリの完全な枠組みを構築することができます。なお、本文書ではこれらのシステムについて解説しますが、「最適の」システムを特定したり、一つのシステムを推奨したりすることはありません。各機関に最適なシステムは各機関特有の要件にもっともよく合致するシステムでしょう。
システムを解説した章は2つの節からなります。(1) 各システムの概要(2.1 節)では各システムの要点をまとめ、連絡先とさらなる情報へのリンクを提供します。(2)システムの特徴と機能一覧表(2.2 節)ではシステムの具体的な機能についてさらに詳細に解説します。
このガイドで述べるシステムはそれぞれ異なる設計思想と目的に基づいて開発されています。2.1節のシステムの概要では、各システムの設計思想の概要を説明し、そのシステムがどのような種類の運用にもっとも適しているかを示します。2.2節のシステムの特徴と機能一覧表は、これらの異なるシステムの性能を公平に比較するための評価の枠組みを提供しようとしたものです。ただし、一覧表にあげた機能は、これらの機能が機関リポジトリに必須であることを示しているわけではありません。ある機能が重要であるか否かはシステムの全体設計や機関各自の要件に照らして検討すべきものです。
このガイドは利用可能なソフトウェアの概要を説明しているにすぎません。また、これらのシステムは日々開発が進んでいます。ですので、ソフトウェアの開発者自身が提供しているシステムの特徴や機能についてのさらなる情報についても参照するようにしてください。これらの情報へのリンクは、各システムの解説中に紹介されています。
注1:
SPARCの機関リポジトリ情報ページではその種の多くの情報を提供しています。http://www.arl.org/sparc/core/index.asp?page=m0を参照してください。
注2:
ここで解説するシステムでは、唯一ARNOだけが商用のソフトウェアコンポーネンツ(Oracle)を必要とします。ただし、いくつかのシステムではデータベース管理システム(たとえば、Oracle や DB2)や OS (Windows や Solaris) で商用のソフトウェアの使用がオプションとして用意されています。
Arichimedeは、カナダ、ケベック市にあるラヴァル大学図書館で開発されました。Archimedeプロジェクトは、機関に所属する教員や研究職員が生産する電子プレプリントやポストプリントを保存するために計画されました。Archimede機関リポジトリは、ラヴァル大学により既にリリースされていた2つのシステムコンポーネンツを補足するものです。1つは、大学の電子学位論文を管理するシステムであり、もう1つは、電子ジャーナルや電子モノグラフを生産するためのプラットホームを提供するシステムです。
Archimedeは、小範囲の研究者コミュニティのネットワークによるコンテンツ投稿プロセスを組織化するものです。Archimedeは特に多言語による国際化実装をサポートするよう設計されています。システムのユーザインターフェースを記述するテキストはソフトウェアのプログラムとは独立しているので、利用国の言語によるインターフェースの開発が容易です。ArchimedeはUTF-8エンコードを使用しているので、どんな言語にも対応することができます。既に、英語、フランス語、スペイン語によるユーザインターフェースが実装されています。
Archimedeはラヴァル大学が開発した索引化プロセスを使用しており、2種類のドキュメント、(a)XMLによるダブリン・コアレコードと(b)メタデータで記述されるフルテキスト・ドキュメントの索引を1つに統合しています。ドキュメントは、HTML、PDF、MS Word、MS Excel、テキスト、RTFなど、どんな種類でも構いません。Archimedeは、XSLTによる変換機能を使うことにより、複数の種類のメタデータによるインポート・エクスポートをサポートしています。
Archimedeは、多くのJavaオープンソース・テクノロジーを使って開発されているので、多くのOS(Windows、Linuxなど)上で稼動し、JDBCに準拠する多くの種類のデータベースシステムを使用することができます。この特徴により、Archimedeは各機関の既存のインフラ上に容易にインストールすることができます。
Rida Benjelloun Chef of Digital Development Section Project Coordinator and Supervisor Laval University Library Pavillon Jean-Charles-Bonenfant Laval University Québec, Canada G1K 7P4 rida.benjelloun@bibl.ulaval.ca +418-656-2131 ext. 2090 http://archimede.bibl.ulaval.ca/
ARNO(Academic Research in the Netherlands Online)プロジェクトは、機関リポジトリの構築をサポートし、それを(オランダの国内情報インフラストラクチャだけでなく)世界中に存在するリポジトリと結びつけるソフトウェアを開発しました。プロジェクトはIWI(オランダ語による「科学情報提供における革新」の頭字語)による助成を受けています。プロジェクトには、アムステルダム大学、ティルブルグ大学、トゥエンテ大学が参加しています。システムは2003年12月に公開され、現在、アムステルダム大学、マーストリヒト大学、ロッテルダム大学、ティルブルグ大学、トゥエンテ大学で使用されています。
ARNOの設計目標は、ここで解説する他のリポジトリシステムとは異なっています。ARNOはOAI準拠のアーカイブあるいはリポジトリを作成、管理、公開するための柔軟なツールを提供するために設計されています。ARNOは、エンドユーザによる投稿だけでなく、リポジトリコンテンツの中央集権的な作成・管理もサポートしています。
OAI-PMHモジュールは、標準的な(限定子付きの)ダブリンコア・フォーマットによるメタデータを提供するだけにとどまらず、ARNO独自のXMLによる内部データ構造とXSLTスタイルシートに基づく変換エンジンを提供することで、任意のフォーマットでメタデータを提供することができます。ARNOが持つその他の機能としては、複数バージョンのファイルを保存する機能、(たとえば、プレプリントや研究報告書のシリーズで、発表禁止を設定するなど)シリーズを管理する機能、LDAPとのインターフェースが挙げられる。
ARNOはコンテンツ管理ツールとして大きな柔軟性を提供しますが、それ自身で完結する「既製品としての」機関リポジトリシステムは提供していません。ツールボックスアプローチで言えば、ARNOシステムはエンドユーザ検索機能を持つエンドユーザインターフェースを提供していません。これらのサービスを提供するためには、ARNOの利用者はサードパーティのソフトウェア(たとえば、iPortやi-Tor)を使用する必要があります。
機関リポジトリをサポートするために必要なシステムの機能以外にも、インフラとしてのARNOはその単純で柔軟なデータモデルと共に、他のサードパーティシステムと容易に結合できる可能性を持っています。
Thomas W. Place Tilburg University PO Box 90153, 5000 LE Tilburg The Netherlands +31 13 466 2474 T.W.Place@uvt.nl http://www.uba.uva.nl/arno
CERN Document Server Software (CDSware) は CERN Document Serverを運用するために開発されました。このシステムは CERN(欧州合同素粒子原子核研究機構)により保守され、一般に公開されています。このシステムは電子プレプリントサーバやオンライン図書館目録、その他のWebベースのドキュメントデポジトリシステムを支援するものです。CERNでは CDSware を使用して、55万件をこえる書誌レコードと、プレプリントや雑誌論文、書籍、写真を含む 22万件のフルテキストドキュメントからなる 350 をこえるデータコレクションを管理しています。
CDSwareは、コンテンツ投稿、品質コントロール、発信に対する多くの研究ユニットの要件を満たすように設計されました。それゆえ、システムは複数のワークフロープロセスや1コミュニティに複数のコレクションを持つことができます。また、私用および公開用のバスケット/フォルダーや個人別メール・アラートなどのカスタマイズ機能があります。
CDSware はマルチメディアコンテンツ目録や博物館収蔵品目録、機密文書や公開文書などといった様々な種類の資料を所蔵する非常に大規模なリポジトリ向けに作成されました。各リリースバージョンは CERN という厳しい環境下で実際にテストをされてから一般に公開されています。
Jean-Yves Le Meur CERN CH-1211 Geneva, Switzerland jean-yves.le.meur@cern.ch +41-22-7674745 http://cdsware.cern.ch
CDSware関連の二つのメーリングリストがあります。
アーカイブは <http://cdsware.cern.ch/lists/project-cdsware-announce/archive/>にあります。
CDSwareの新リリースやプロジェクトに関する主要なニュースを報告するためのモデレータ付きで流量の少ない投稿不可のメーリングリストです。
アーカイブは <http://cdsware.cern.ch/lists/project-cdsware-announce/archive/> にあります。
CDSware の利用者と開発者に議論の場を提供するモデレータなしの流量が多いと思われるメーリングリストです。
MITのDSpaceは特に多くの学問分野を擁する研究組織の知的生産物を保存すデジタルリポジトリとして作成されました。MITはHewlett-Packard社と共同で2000年3月から2002年11月にかけてシステムを設計しました。バージョン1.2は2004年4月にリリースされています。DSpaceはMITにおける実働サービスとして運用されており、さらにこのシステムを採用した世界中の大規模研究施設からなる共同体が形成されつつあります。
DSpaceはユーザコミュニティ指向をシステム構造に取り入れており、専門大学院や学部、研究センター、大規模研究施設によく見られるその他の組織の参加を容易にしています。これらのコミュニティの要件はそれぞれ異なる場合があるので、DSpaceではシステムのワークフローやポリシー関連の設定を変更可能にすることで、各コミュニティ独自のコンテンツやユーザ認証、知的所有権問題に対処するようにしています。
この分散化されたコンテンツ管理法の採用とデジタル保存計画を支援する統合化されたツールによって、DSpaceは大規模機関が設置するリポジトリを管理するシステムとしてふさわしいものになっています。
DSpaceはまた投稿された研究資料の長期保存の問題にも焦点をあてており、DSpaceを採用した多様な機関でこの問題について活発な研究と開発がなされています。これにより、将来的にはDSpaceは、機関リポジトリのコンテンツを管理運営するだけでなく、アーカイブのように長期にわたってコンテンツを保管するサービスも提供できるようになるでしょう。
MacKenzie Smith Associate Director for Technology MIT Libraries Building 14S-208 77 Massachusetts Avenue Cambridge, MA USA 02139 kenzie@mit.edu (617) 253-8184 http://www.dspace.org/
DSpaceソフトウェアを使用して機関リポジトリを構築したグラスゴー大学の経験を詳述しています。
DSpaceシステムの解説です。DSpaceの機能とリポジトリを実装する際の様々な問題に対処するためにとった設計アプローチが書かれています。また、MITにおけるDSpaceの実装について検討しています。
Eprintsソフトウェアは、このガイドで紹介するリポジトリ構築システムのうち、もっとも多くかつ広くインストールされているシステムです。サウサンプトン大学(3)で開発され、最初のバージョンは2000年末に一般公開されました。プロジェクトは、初めCogPrintsがスポンサーとなり、現在は、Open Citationプロジェクトの一つとしてJISCの支援を受けています。またNFSの支援も受けています。
世界中でインストールされているEprintsには新規利用機関をサポートする大規模なネットワークが形成されています。Eprintsのインストール数が多いことは、Eprintsが比較的短期間でシステムを立ち上げて運用することができ、専門家の手を煩わす手間も最小限で済むことを示唆しています。また、たとえば詳細検索や拡張版メタデータの利用などの機能を統合することでシステムの基本機能を向上させているインストール例が多いことは、Eprintsが利用機関の要件にあわせて容易に変更できることを示しています。
Christopher Gutteridge Department of Electronics and Computer Science University of Southampton SO17 1BJ United Kingdom cjg@ecs.soton.ac.uk +44 (0)23 8059 4833 http://software.eprints.org
研究者や研究管理者にEprintsサーバの導入についてのガイダンスを提供します。
Eprints.orgソフトウェアを使用して機関リポジトリを構築したグラスゴー大学の経験を詳述しています。
機関リポジトリを構築する際の主要な問題点を述べ、Eprints.orgリポジトリ導入後の初期段階に実際に生じたな問題について検討しています。
Eprints.orgソフトウェアに関する初期のレビューで、カリフォルニア工科大学における最初のリポジトリ構築に対するコメントがあります。
注3: Eprintsは(Matt Hemusにより開発されたCogPrintsに基づいて)Rob Tansleyにより開発されました。以後、Christopher Gutteridgeにより改良・保守されています。
Fedoraデジタルオブジェクトリポジトリ管理システムは、「柔軟で拡張性のあるデジタルオブジェクトおよびリポジトリアーキテクチャ(Flexible Extensible Digital Object and Repository Architecture [Fedora])」に基づいています。システムはフル機能の機関リポジトリやその他の相互運用可能なWebベースのデジタル図書館を構築する基礎となるように設計されています。
Fedoraはバージニア大学とコーネル大学が共同で開発し、Fedoraアーキテクチャを実装し、リポジトリ管理を容易にするユーティリティを追加しています。Fedoraの現行のバージョンは100万件のオブジェクトを効率的に処理することができるリポジトリを提供しています。次期バージョンでは、ポリシーの適用、オブジェクトのバージョン管理、非常に大規模なリポジトリを支援するための処理力増強など機関リポジトリの実装に必要な機能を追加する予定です。
システムのインターフェースは、以下の3つのWebベースのサービスで構成されています。
Fedoraは「提供されたままの」デフォルトの設定を使用する単純なリポジトリから、高度にカスタマイズされたフル機能の分散型のデジタルリポジトリまで、様々なレベルのリポジトリをサポートします。
Ronda Grizzle Technical Coordinator, Fedora Project Digital Library Research & Development University of Virginia Charlottesville, VA USA 22903 rgrizzle@virginia.edu http://www.fedora.info
i-Tor (Tools and technologies for Open Repositories)はオランダ科学情報サービス研究所(NIWI(4))の革新的技術応用(IT-A)部門で開発されました。i-Torの開発は、電子出版、リポジトリ、コンテンツ管理システム、「共同作業機能」の4分野に重点を置いています。NIWIではi-Torを、ユーザが様々な種類の情報をデータの保管場所や保存形式に関係なくWebインターフェースを通じて提供することができるWebベースの技術として提供しています。i-Torでは、コンテンツとユーザインターフェース機能がシステム上で独立している「データに依存しない」リポジトリを構築することを目的としています。手短に言うと、i-Torは、OAI互換のリポジトリや他のデータベースからデータを収集するOAIサービスプロバイダ、およびデータを提供するOAIデータプロバイダの両プロバイダとして機能するシステムです。
i-Torは多くのリレーショナルデータベース、ファイルシステム、Webサイトのデータを公開することができるので、リポジトリの組織法に関して利用機関には高い自由度が与えられます。リポジトリのために新たにデータベースを作成することもできますし、既存のリレーショナルデータベースを使用することもできます。さらに、i-Torは研究者個人のホームページから直接データを収集する機能もサポートしています。また、システムはエンドユーザがWebブラウザーを通してコンテンツを追加することができるよう設計されており、ソフトウェア開発者を介在させる必要がありません。
このような設計であるので、i-Torはグループやサブグループに特定のワークフローを強制しません。i-Torは各機関で必要なワークフローを設定するツール(たとえばきめ細かいセキュリティ機能や通知機能)を提供するだけで、各機関で必要なワークフローをi-Torのシステム自体に組み込むことはしていません。i-Torはその設計により、既存の種々のデジタルリポジトリの上に新たにリポジトリを設けたいと願う機関にとって望ましい選択となるかもしれません。
Henk Harmsen Head of Operational Management Netherlands Institute for Scientific Information Services henk.harmsen@niwi.knaw.nl +31 20 462 8605 http://www.i-tor.org/en/toon
注4: http://www.niwi.knaw.nl/を参照。
MyCoReはエッセン大学のMILESSプロジェクトから派生したもので、現在複数の大学からなるコンソーシアムで開発中です。MyCoReはデジタルライブラリとアーカイブソルーション(すなわちコンテンツリポジトリ(Content Repositories)、だから「CoRe」)を支援するソフトウェアツール群を提供するものです。システムは設定変更可能で利用機関の要件に対応できるように設計されており(ゆえに、「My」)、利用機関でプログラムする必要はありません。
限定子付きのダブリンコアデータモデルをプログラムに書き込んだMILESSとは対照的に、MyCoReのデータモデルは完全に設定変更が可能です。さらに、MyCoReでは「コア」機能を使用したサンプルアプリケーションを提供しており、これにより利用機関はメタデータ設定ファイルを使って利用機関独自のアプリケーションをどのように構築するかを知ることができます。コア機能にはリポジトリを構築するために必要なすべての機能、たとえば、地理的に分散された複数のMyCoReリポジトリに対する横断検索機能、OAI準拠機能、オーディオ/ビデオ・ストリーミングサポート機能、ファイル管理機能、オンラインメタデータ編集機能など、を含みます。実装にあたっては、利用機関独自の要件を満たすためにコア機能をカスタマイズすることができます。
MyCoReは特定のデータベースの専用システムではありません。永続化層(persistence layer)インターフェースが提供されており、複数の異なるデータベースにより実装することができます。オープンソースデータベースシステムによる実装に加えて、非常に大規模なリポジトリで利用される可能性のある商用のIBM Content Managerシステムもサポートされています。
Frank Lüzenkirchen Technical Contact Essen University Library University of Duisburg-Essen Universitätsstraße 9-11 45141 Essen, Germany luetzenkirchen@bibl.uni-essen.de +49-(0)201-183-2124 http://www.mycore.de/engl/index.html
OPUS(Online Publications of the University of Stuttgart(5))は、1998年にシュトゥットガルト大学附属図書館および計算機センターで開発されました。プロジェクトの当初の目的は、大学に所属する教員、学生、職員が自らの出版済あるいは未出版の研究論文や学位論文などの電子出版物を管理することのできるシステムを提供することでした。
OPUSソフトウェアは現在ではドイツのおおよそ35の大学で各大学の構成員の電子出版物を管理するために使用されています。また、システムはドイツ国内の参加機関(すべての機関がリポジトリプラットホームとしてOPUSを使用しているわけではありません)にあるメタデータの検索をサポートしています(6)。OPUSはほとんどの場合、各機関の図書館により管理・運用されていますが、大学出版局や計算機センターと共同で行っている機関もあります(7)。また、少なくとも1ヶ所の主題リポジトリでOPUSが使用されています(8)。
ドイツ研究ネットとドイツ連邦高等教育省の助成を受けた当初の開発プロジェクトは1998年10月に終了しました。継続中のOPUSの開発は現在シュトゥットガルト大学の助成を受けています。今後の開発の中心となる機能にはデジタル署名やマルチメディアドキュメントがあります。
OPUSのインターフェースやドキュメントは主にドイツ語で書かれており、現在のところソフトウェアの実装はすべてドイツで行われています。それゆえ、ドイツ語を話す国においてリポジトリを実装する際には、このシステムは魅力があると思われます。
Frank Scholze Subject Specialist and Head, Public Services Department Stuttgart University Library University of Stuttgart Holzgartenstrasse 16, D-70174, Stuttgart, Germany scholze@ub.uni-stuttgart.de +49 (0)711/121-2269
あるいは、
Annette Maile Stuttgart University Library University of Stuttgart Holzgartenstrasse 16, D-70174, Stuttgart, Germany maile@ub.uni-stuttgart.de +49 (0)711/121-4189 http://elib.uni-stuttgart.de/opus/doku/english/index_english.php
注5:
シュトゥットガルト大学以外の実装のために、OPUSはしばしば、Online Publications Systemの頭字語だとされます。
注6:
<http://elib.uni-stuttgart.de/opus/gemeinsame_suche.php>を参照。
注7:
たとえば、ワイマール大学での共同実装<http://e-pub.uni-weimar.de>を参照。
注8:
心理学研究のための汎研究所デジタルリポジトリはザールブリュッケン図書館とZPID(トリアー大学にあるドイツ語圏諸国のための心理学情報研究所)により共同で運営されています。
<http://psydok.sulb.uni-saarland.de/>を参照。
「はじめに」で述べたように、各システムは開発した機関の元々の要件を反映した設計思想からできています。Archimedeは特に多言語による実装をサポートするよう設計されました。 ARNOはメタデータを集中管理するシステムを提供します。CDSwareは様々な種類の資料を保管する非常に大規模なリポジトリを処理します。DSpaceはコミュニティ単位のコンテンツポリシーや投稿プロセスをサポートし、また、投稿されたデジタルオブジェクトの保存をサポートするツールを提供します。Eprintsは簡単で便利なリポジトリシステムを提供しており、大きくて活発なユーザコミュニティを擁しています。Fedoraは非常に大規模なリポジトリを実現することのできるフル機能のデジタル図書館システムを提供します。i-Torは複数のデータベースに存在するコンテンツに統一的にアクセスし表示することのできる環境を構築するためのツールキットを提供します。MyCoReは様々なデジタルライブラリやリポジトリデータベースをサポートするための柔軟性や設定変更能力を強調しています。OPUSはドイツにおいて多様な数多くのユーザを得ています。もう一度言いますが、リポジトリを構築する機関が持つ独自の要件により、機関のニーズをもっとも良く満たすシステムが決まることになります。
機能 | Archimede | ARNO | CDSware | Dspace | Eprints | Ferora | i-Tor | MyCoRe | OPUS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
技術仕様 | |||||||||
1.0 標準準拠 | |||||||||
1.1 サポートするOAI-PMHの版 | OAI-PMH 2.0 | OAI-PMH 2.0 | OAI-PMH 2.0 | OAI-PMH 2.0 | OAI-PMH 2.0 | OAI-PMH 2.0 | OAI-PMH 2.0 | OAI-PMH 2.0 | OAI-PMH 2.0 |
1.2 Z39.50対応 | いいえ | いいえ | いいえ | いいえ | いいえ | いいえ | いいえ | いいえ1 | いいえ |
1.3 ソースライセンス1 | GNU GPL | TBD | GNU GPL | BSD | GNU GPL | MPL | GNU GPL | GNU GPL | BSD1 |
1.4 最新版リリース日 | 2004年5月 | 2003年12月 | 2002年8月 | 2004年4月 | 2002年3月 | 2004年4月 | 2004年4月 | 2003年10月 | 2003年11月 |
1.5 最新版次 | 1.0 | 1.0 | 0.0.9 | 1.2 | 2.3.6 | 1.2.1 | niwi-2004-04-19 | 0.9 | 2.0 |
2.0 ハードウェア | |||||||||
2.1 最小限のハードウェア要件2 | 特別な要件なし | 特別な要件なし | 特別な要件なし1 | 特別な要件なし1 | 特別な要件なし | 特別な要件なし | 特別な要件なし | 特別な要件なし2 | 特別な要件なし |
2.2 SANサポート3 | なし | なし | なし | あり | あり | あり | あり | なし | なし |
3.0 ソフトウェア | |||||||||
3.1 (検証済の)OS | Linux/Windows | Linux/Solaris | Linux/Solaris | UNIX/MacOSX/Windows2 | GNU/Linux/Solaris1 | Unix/MacOSX/Windows1 | Linux/Windows | AIX/Windows/Linux/Solaris | Linux/Solaris/AIX/IRIX |
3.2 プログラム言語 | Java | Perl | Python/PHP | Java | Perl | Java | Java | Java | PHP |
3.3 データベース | 様々1 | Oracle 8i1 | MySQL | PostgreSQL/Oracle3 | MySQL | MySQL/McKoi/Oracle2 | MySQL, Oracle, SQL Server, Berkeley database | MySQL, PostgreSQL; XML:DB準拠;商用DB3 | MySQL2 |
3.4 Webサーバ | 任意 | Apache | Apache/PHP, Python | 任意4 | Apache 1.32 | Tomcat 4.1 | Jetty | Apache | 任意 |
3.5 Javaサーブレットエンジン | 任意2 | 該当なし | 該当なし | 任意4 | 該当なし | Tomcat 4.1 | Jetty | 任意4 | 該当なし |
3.6 検索エンジン | Lucene | 該当なし2 | cdsware2 | Lucene | 該当なし | データベース3 | Lucene | JDBCおよびXML:DB経由 | htDig3 |
3.7 その他 | Lius, OAICat, Torque, Struts | 該当なし | WML(Website META Language) | OAICat, SRW | 該当なし | 該当なし | 該当なし | Apache Ant | 該当なし |
4.0 サポートするクライアント | 少なくともCSSとJavaScriptをサポートするすべてのブラウザ | 少なくともCSSとJavaScriptをサポートするすべてのブラウザ | HTML 4.0を解するすべてのクライアント | すべてのWebブラウザ | Netscape, Mozilla, IE, Lynx3 | WebブラウザとSOAPクライアント | Netscape, Mozilla, IE | すべてのWebブラウザ | すべてのWebブラウザ |
5.0 必要なスタッフ4 | |||||||||
5.1 UNIXシステム管理者 | 構築の際に必要3 | 必要3 | 必要 | 必要 | 必要 | 構築の際に必要4 | 推奨1 | 推奨 | 必要 |
5.2 Javaプログラマ | 推奨 | 不要 | 不要 | 推奨 | 不要 | 推奨 | 不要 | 推奨5 | 不要 |
5.3 Perlプログラマ | 不要 | 推奨 | 不要 | 不要 | 推奨4 | 不要 | 不要 | 不要 | 不要4 |
5.4 Pythonプログラマ | 不要 | 不要 | 不要3 | 不要 | 不要 | 不要 | 不要 | 不要 | 不要 |
6.0 インストール実績 | |||||||||
6.1 インストール数 | 1 | 7 | 7+4 | 20+5 | 1405 | 205 | 30 | 106 | 37 |
6.2 利用地域 | カナダ | オランダ | ヨーロッパとアメリカ5 | 世界中 | 世界中6 | 世界中6 | オランダ | ドイツとスウェーデン | ドイツ |
機能 | Archimede | ARNO | CDSware | Dspace | Eprints | Ferora | i-Tor | MyCoRe | OPUS |
リポジトリおよびシステム管理 | |||||||||
7.0 インストール | |||||||||
7.1 自動インストールスクリプト | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり5 |
7.2 システム更新スクリプト | あり | あり | あり | あり6 | あり7 | あり | あり | CVSリポジトリ経由 | あり5 |
7.3 カスタマイズ内容を維持したままでのシステムアップグレード5 | あり | あり4 | あり | あり | あり8 | あり | あり | あり7 | あり |
8.0 モジュールレベルAPI6 | あり4 | なし | あり6 | あり7 | あり | あり7 | あり2 | あり | なし |
9.0 ユーザ登録、認証およびパスワード管理 | |||||||||
9.1 パスワード管理 | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | なし | なし |
9.1.1 パスワードのシステム付与 | あり | なし | あり7 | あり | なし | なし | なし | なし | あり6 |
9.1.2 パスワードのユーザ指定 | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | なし | なし |
9.1.3 忘失パスワード対応7 | あり | あり5 | あり | あり | あり | なし | なし | なし | なし |
9.2 ユーザ登録検査/その他のセキュリティ機構8 | データベーステーブル | LDAPあるいはARNOレジストリ | MySQLテーブル/Apache ACL | email/X.509 | MySQLテーブル9 | なし | LDAP, A-Select3 | RDBMSテーブル | なし |
9.2.1 ユーザプロファイルの編集 | あり | なし | あり | あり | あり | なし | あり | なし | |
9.3 ユーザ種別によるアクセス制限9 | あり | あり | あり | あり | あり | あり8 | あり | あり | なし |
9.4 複数のユーザ認証方式10 | なし | あり | あり | あり | なし | あり9 | なし3 | 計画中 | なし7 |
9.5 ファイル/オブジェクト単位のアクセス制限11 | あり | あり | あり | あり | あり | なし10 | あり | なし | なし |
10.0 コンテンツ登録管理 | |||||||||
10.1 同一システムでの複数コレクションの定義12 | あり | あり | あり8 | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
10.1.1 コレクション毎に異なる登録パラメタの設定13 | なし | あり | あり | あり | なし | あり11 | あり | なし | なし |
10.1.2 コレクション毎のホームページ管理 | あり | なし | あり9 | あり | なし | あり | あり | なし | あり |
10.2 登録処理の状態14 | 保留、承認 | 投稿、変更、改訂、承認、など10 | 整理、保留、承認 | 受入、作成、変更、再開、休止 | あり4 | なし1 | 投稿、改訂、承認 | ||
10.2.1 隔離された登録作業空間15 | あり | あり | あり | あり | あり10 | あり | あり4 | なし | なし7 |
10.2.2 登録処理の役割16 | 管理者、コミュニティ管理者、利用者 | 貢献者、編集者、管理者、サイト管理者 | 投稿者、仲裁者、査読者、是認者、管理者 | 投稿者、査読者、是認者、編集者 | 利用者、編集者、管理者11 | 管理者 | あり4 | なし | 利用者、管理者 |
10.2.3 コレクション単位で個別に登録処理の役割を設定17 | あり | あり | あり | あり | なし | あり4 | なし | なし | |
10.3 登録支援機能 | |||||||||
10.3.1 投稿者へのemail通知18 | あり | ユーザ登録時のみ | あり9 | あり | あり | なし | あり | なし | あり |
10.3.2 コンテンツ管理者へのemail通知19 | あり | あり | あり9 | あり | あり | なし | あり | なし | あり |
10.3.3 登録済ユーザの個人専用システムアクセス20 | あり | あり | あり | あり | あり | なし | あり | なし | なし |
10.3.3.1 保留中コンテンツの表示21 | あり | あり | あり | あり | あり | なし | あり4 | なし | なし |
10.3.3.2 承認済コンテンツの表示22 | あり | あり | あり | あり | あり | なし | あり | なし | なし |
10.3.3.3 保留中コンテンツ管理作業の表示23 | あり | あり | あり | あり | なし | あり4 | なし | あり | |
10.3.4 配布ライセンスの管理24 | |||||||||
10.3.4.1 配布ライセンスの要求25 | なし | なし | なし | あり | なし | あり12 | なし | なし | あり |
10.3.4.2 コンテンツと配布ライセンスの保存26 | なし | なし | なし | あり | なし12 | あり | なし | なし | なし |
11.0 システム作成の利用統計および報告書 | |||||||||
11.1 利用統計作成27 | なし | あり | なし11 | あり | なし13 | あり13 | あり5 | なし | あり |
11.2 利用報告書作成28 | なし | なし | なし | あり | なし | なし14 | あり | なし | あり8 |
機能 | Archimede | ARNO | CDSware | Dspace | Eprints | Ferora | i-Tor | MyCoRe | OPUS |
コンテンツ管理 | |||||||||
12.0 コンテンツ入出力 | |||||||||
12.1 圧縮ファイルのアップロード | あり | あり | あり | あり8 | あり | あり | あり | なし1 | あり |
12.2 URLからのアップロード | なし | あり | あり | なし | あり | あり | あり6 | なし1 | なし |
12.3 オブジェクトの一括入力29 | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり9 |
12.4 メタデータの一括入力30 | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり9 |
12.5 一括出力/コンテンツ可搬性31 | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
13.0 ドキュメント/オブジェクトフォーマット | |||||||||
13.1 承認ファイルフォーマットの設定32 | なし5 | あり | あり | あり | あり | なし15 | あり4 | なし | あり |
13.2 入力可能なファイルフォーマット33 | すべて | すべて | すべて12 | すべて | すべて14 | すべて | すべて | すべて | すべて |
13.3 投稿アイテムに複数のファイルフォーマットを認める34 | はい | はい | はい | はい | はい | はい | はい | はい | はい |
14.0 メタデータ | |||||||||
14.1 サポートするメタデータスキーマ35 | 限定子付きダブリンコア | ダブリンコア | Marc21規格 | 限定子付きダブリンコア | ダブリンコア | ダブリンコア | 任意 | 限定子付きダブリンコア8 | 限定子付きダブリンコア |
14.2 拡張されたメタデータのサポート36 | なし | あり | あり | カスタマイズ可能 | あり | あり | 任意 | 任意9 | あり |
14.3 メタデータの査読サポート37 | あり | あり | あり | あり | 受付、編集、差戻し(要変更)、削除 | なし | あり4 | なし | あり |
14.4 メタデータ出力38 | あり | あり | OAI-Marc出力 | METSおよびカスタムXMLスキーマ | カスタムXMLスキーマ | あり | あり | あり | あり |
14.5 メタデータハーベスティングの禁止39 | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | なし |
14.6 メタデータフィールドの追加・削除 | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
14.7 メタデータのデフォルト値設定40 | なし | あり | あり | あり | なし | あり | あり | ||
14.8 Unicode文字セットのサポート | あり | 部分的6 | あり | あり | あり | あり | あり | あり | なし |
15.0 受理されたコンテンツの即時更新・索引付け | あり | なし | あり | あり | あり15 | あり | あり | あり | あり10 |
機能 | Archimede | ARNO | CDSware | Dspace | Eprints | Ferora | i-Tor | MyCoRe | OPUS |
データ公開(ユーザインターフェースと検索機能) | |||||||||
16.0 ユーザインターフェース | |||||||||
16.1 インターフェースの「ルック&フィール」の変更41 | あり | あり7 | あり | あり10 | あり16 | あり | あり | あり | あり |
16.2 静的/動的Webページへのカスタムヘッダ・フッタの適用 | あり | なし | あり13 | なし | あり | あり | あり | あり | あり |
16.3 多言語インターフェースのサポート | あり | なし | あり | あり | あり | あり | あり | あり | なし |
16.4 エンドユーザ用ドキュメントフォルダ42 | あり | なし | あり | なし | なし | なし | あり | なし | |
16.5 ディスカッションフォーラムのサポート43 | なし | なし | なし14 | なし | あり17 | なし | あり | なし | なし |
17.0 検索能力 | |||||||||
17.1 フルテキスト検索44 | あり6 | なし2 | あり | あり11 | なし18 | なし | あり | あり | あり |
17.1.1 論理演算 | あり | なし | あり | なし | なし | なし | あり | なし | あり |
17.1.2 トランケーション/ワイルドカード45 | あり | なし | あり | なし | なし | なし | あり | あり | なし |
17.1.3 ステミング検索(Word stemming)46 | あり | なし | なし | なし | なし19 | なし | なし | あり | あり |
17.2 全メタデータ検索47 | あり | なし | あり | あり | あり | あり16 | あり | あり | あり |
17.2.1 論理演算 | あり | なし | あり | あり | なし | なし | あり | あり | あり |
17.2.2 トランケーション・ワイルドカード | あり | なし | あり | あり | なし | あり | あり | あり | |
17.2.3 ステミング検索(Word stemming) | あり | なし | なし | あり | なし | なし | あり | あり | なし |
17.3 指定したメタデータフィールドの検索48 | あり | なし | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
17.4 ブラウズ | |||||||||
17.4.1 著者によるブラウズ | あり | なし | あり | あり | あり20 | あり17 | あり7 | あり | なし11 |
17.4.2 タイトルによるブラウズ | あり | なし | あり | あり | あり20 | あり | あり7 | あり | なし |
17.4.3 日付によるブラウズ | あり | なし | あり | あり | あり20 | あり | あり7 | あり | なし |
17.4.4 主題によるブラウズ | あり | なし | あり | なし | あり20 | あり | あり7 | あり | あり |
178.4.5 コレクションによるブラウズ | あり | なし | あり | あり | あり20 | あり | あり7 | あり | あり |
17.5 検索結果のソート | |||||||||
17.5.1 著者によるソート | なし | なし | あり | なし | あり | なし | あり | あり | なし |
17.5.2 タイトルによるソート | なし | なし | あり | なし | あり | なし | あり | あり | あり |
17.5.3 日付によるソート | なし | なし | あり | なし | あり | なし | あり | あり | あり |
17.5.4 適合率によるソート | あり | なし | なし | なし | なし | なし | あり | あり12 | |
17.5.5 その他のソート | なし | なし | 任意のメタデータフィールドによるソート | なし | あり21 | なし | あり7 | あり | なし |
18.0 Googleあるいは他の検索エンジンによる索引付け49 | 可能 | 可能8 | 可能15 | あり | 可能 | 可能18 | あり | 可能 | あり |
機能 | Archimede | ARNO | CDSware | Dspace | Eprints | Ferora | i-Tor | MyCoRe | OPUS |
アーカイブ化 | |||||||||
19.0 永続的なドキュメント識別50 | |||||||||
19.1 識別子のシステム付与 | あり | あり | あり | あり | あり | あり19 | あり | あり | あり |
19.2 CNRIハンドル51 | なし | なし | なし | あり | なし | なし | なし | なし10 | なし13 |
20.0 データ保存のサポート | |||||||||
20.1 定義されたデジタル保存戦略52 | あり | なし9 | あり16 | あり | なし | あり | あり | なし1 | 一部あり14 |
20.2 保存用メタデータのサポート(14.2参照)53 | あり | あり | あり17 | あり | なし | あり | なし3 | なし1 | 一部あり14 |
20.3 データ保全性検査 | なし | なし | なし | MD5チェックサム | MD5チェックサム | SIPスキーマ検証 | あり | MD5チェックサム | なし |
21.0 オブジェクト履歴とバージョンコントロール | バージョン管理システム | メタデータおよびオブジェクトの両者にバージョン管理システム | バージョン管理システム | ABCハーモニーデータモデル | いくつかあり | 1系列20 | なし10 | なし1 | なし |
機能 | Archimede | ARNO | CDSware | Dspace | Eprints | Ferora | i-Tor | MyCoRe | OPUS |
システム保守 | |||||||||
22.0 システムサポート | |||||||||
22.1 ドキュメント/マニュアル | あり | あり10 | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
22.2 メーリングリスト | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
22.3 バグ追跡/仕様追加リクエストシステム | あり7 | なし | あり | あり12 | なし | あり | あり11 | なし | なし |
22.4 正式なサポート/ヘルプデスク | なし | なし | 有料 | なし | なし22 | あり | なし | なし | なし |
3) システムがSAN (Storage Area Network)上で作動することを表します。
5) ページテンプレートやメールアドレス、ヘルプページ、検索ページなどに利用機関が加えた変更を上書きすることなくシステムを更新可能とします。
7) パスワードを忘れてしまった人が人手を介することなく新しいパスワードを選ぶことのできる安全な方法を提供します。通常、システムは新しいパスワードを与えるためにユーザのメールアドレスを使用します。
11) リポジトリの管理者が投稿アイテムへのアクセスをファイル単位で制限できるようにします。たとえば、学位論文がアクセスを制限すべき画像ファイルやその他のファイルを含んでいる場合などに利用できます。
13) リポジトリの管理者がリポジトリで定義したコレクションやユーザグループの各々に(もし必要なら)異なるコンテンツ投稿パラメタや査読・承認パラメタを設定できるようにします。
14) リポジトリの管理者がコンテンツの投稿からリポジトリへの入力にいたる登録処理の処理状態の数と種類を指定できるようにします。
18) 投稿コンテンツの処理状態(アイテムのリポジトリへの登録が承認された、アイテムが投稿者に差し戻された、など)にあわせてユーザにメールで通知します。
19) 投稿物の処理状態が査読や承認など各コンテンツ管理者(査読者や承認者など)が作業すべき状態になった場合に該当する担当者にメールで通知します。
20) 登録ユーザがコンテンツや処理状態情報へアクセスできるようにします。この機能によりユーザは投稿コンテンツの状態や保留中のコンテンツ承認作業の状態を確認できます。
21) ユーザがリポジトリに投稿したすべてのコンテンツを見られるようにします。
22) ユーザが処理未了の投稿コンテンツ(すなわち、処理は開始されたが何らかの理由でまだ処理が完了していない投稿コンテンツ)を見たり完了させたりすることができるようにします。
23) コンテンツ管理者(査読者、編集者、承認者など)が処理待ちの投稿物を見られるようにします。
27) リポジトリの管理者がリポジトリの利用や選択を追跡できるようにします。この機能はシステムの性能設計を容易にし、機関の資源配分や予算確保の問題を支援します。
28) あらかじめ登録した、あるいは設定変更可能な利用報告書はシステムが出力する利用統計の有用性を増すことができます。
29) 運営機関が既存のデジタル図書館やその他のデジタル資料をリポジトリに取り込めるようにします。
30) リポジトリが既存のデジタルコレクションのメタデータを取り込めるようにします。
33) システムが受け入れられるデジタルフォーマットを示しています。(機関の運営方針でサポートすると決定したフォーマットではありません。)
38) 運営機関がリポジトリのメタデータをXMLなどの構造化フォーマットでエクスポートできるようにし、後継システムへの移行を容易にします。
39) リポジトリ管理者がリポジトリ全体からメタデータをハーベストするOAIハーベスタの機能を「止める」ことができるようにします。これは事実上リポジトリの相互運用性を無効にするものです。
41) 運営機関がAPIを使用したりスクリプトを変更したりすることによりインターフェースの見た目を変更できるようにします。
42) ユーザがシステムに設けた個人用のドキュメントフォルダにリポジトリのコンテンツを保存できるようにします。
43) システムがリポジトリ内にディスカッションフォーラムを持てるようにします。
45) ワイルドカード(たとえば、*で任意の複数文字、?で任意の1文字を表す)が使用できます。
46) 検索が単語の語幹にヒットする結果を返すようにします。たとえば、検索語「land」は「landed」「landing」「lands」などにもヒットします。
47) ユーザが定義された全ての書誌記述メタデータフィールドを検索できるようにします。
48) たとえば、「タイトルフィールド」と「著者フィールド」のみを検索するというように、ユーザがメタデータフィールドを指定して検索できるようにします。
49) サーバを正しく指定すればGoogleや他のインターネットサーチエンジンからシステムが検索できるかどうかを示します。
51) CNRIハンドルシステムは機関リポジトリが上で述べた(20.0項参照)継続性と永続的命名を実現できるようにします。ハンドルシステムプロトコルは分散されたコンピュータシステムがデジタルリソースのハンドルを保存し、ハンドルからリソースの場所やアクセス法を解読できるようにします。各ハンドルに付随する情報はハンドル自体を変えることなくハンドルを付与されたリソースの現状に合わせて変更することができます。このように、アイテムの名前(ハンドル)は参照引用やリンク同様、保存場所やその他の状態情報が変化しても永続的に変わりません。
1) Archimedeは、幅広いデータベースをサポートするApache DB Torqueに基づいています。完全なリストは<http://db.apache.org/torque/>を参照してください。
2) Servlet 2.3+準拠の任意のエンジンで使用できます。
3) サーバがUnix上で稼動している場合です。セットアップにはOS独自の知識は必要としません。Unixの知識は初期化スクリプトの設定などに役にたちます。
6) 次のフォーマットをサポートするLiusにより実装されています: HTML、XML、テキスト、RTF、Word、Excel、PDF。
1) PostgreSQLおよびその他のオープンソースのDBMSの移植を計画中です。
2) ARNOはメタデータの保守用に基本的な検索機能を提供していますが、エンドユーザ向けのサーチエンジンはサードパーティに依存しています。
7) CSSスタイルシートを使ってある程度インターフェースを変更することができます。
8) HTMLで記述されたメタデータとフルテキストへのリンクは索引化できます。フルテキストを索引化するオプションについては検討中です。
1) システム要件はコレクションの規模、想定されるユーザ数、使用するデータベースなどによります。
2) CDSwareは独自の索引化技術および検索エンジンを使用します。
3) 独自にシステムに新しい機能を追加したい場合にのみ必要です。
4) CERNはCDSwareパッケージのインストール・ダウンロードをすべて追跡しているわけではないので、正確な数は不明です。
8) 複数のコレクションを1つの仮想コレクションに見せる(「水平ビュー」)ことも、(任意のツリー形態で)コレクションを階層的に構築することもできます。
10) 幅広いオプションがあります。<http://doc.cern.ch/EDS/current/guide/english/>を参照してください。
11) Webalizerのようなサードパーティのツールを使用します。
12) ドキュメントをPDFに自動変換するためにCERN変換サーバをCDSwareに組み込むことができます。<http://doc.cern.ch/Convert>を参照してください。
13) コレクションのホームページもカスタマイズが可能です。
15) HTMLフォーマットのCDSwareレコードはその場で自動作成することも、Webサーチエンジンが索引化できるように事前に処理してファイルに保存することもできます。
1) DSpaceの推奨ハードウェア構成は<http://dspace.org/what/dspace-hp-hw.html>を参照してください。
2) DSpaceは、MacOSおよびWindowsはもちろん、複数のUNIXプラットフォーム(Linux, hp/ux, Solarisなど)上でテストされています。
3) DSpaceを使用している機関ではDB2、MySQL、Oracleを含むさまざまなデータベースシステムを試みています。
4) DSpaceはApacheとTomcatを付けて配布していますが、任意のWebサーバおよびJavaサーブレットエンジンで作動します。JBossなどでもテストされています。
5) 15のCDSpace実装システムが世界中で稼働中です。さらに115をこえる構築が世界中で進行中です。
11) GoogleあるいはカスタマイズしたLucenceを実装することにより可能です。
1) ほとんどのUNIX環境で作動するよう設計されています。
3) Javascriptは使用しません。CSSのサポートが望ましいですが必須ではありません。
4) Perlプログラマが必要か否かは必要なカスタマイズの量によります。
6) イギリス、アイルランド、インド、イタリア、ブラジル、オーストラリア、アメリカ、カナダ、フランス、オーストリア、スウェーデン、ドイツ、スロベニア。
7) 更新スクリプトは、設定ファイルに若干の手直しが必要です。
8) ページテンプレート、メールアドレス、ヘルプページ、検索ページに加えた変更を上書きすることなくシステムを更新することができます。
9) たとえばLDAPのような他のシステムを使用するように変更することができます。
11) デフォルト値です。登録処理の役割は変更も追加もできます。
14) デフォルトのフォーマットはPostscript, PDF, ASCIIテキストファイル, HTMLです。
15) (システムパフォーマンスを改善するための)バッチ処理を実験中です。
18) リリース2.3.xからフルテキスト検索が利用できます。また、この機能を補足するフルテキストエンジンがいくつかのEprintsインストールシステムに組み込まれています。たとえば、インドのBangaloreにあるインド科学研究所(IISc)(http://eprints.iisc.ernet.in/)はGreenstoneデジタルライブラリーオープンソースソフトウェアをフルテキスト検索用に組み込んでいます。また、Archive SIC (Archive Ouverte en Sciences de l'Information et de la Communication)ではhtdig検索エンジンを組み込んでいます。(http://archivesic.ccsd.cnrs.fr/search.htmlを参照)
19) 現在のところ複数形のためのステミングのみを提供しています。完全なステミング検索を開発中です。
20) デフォルトとしては設定していませんが、システム管理者は機関指定のメタデータによるブラウズを設定できます。
21) システム管理者はソートフィールドを選択できます。検索結果は任意の標準的フィールドでソートできます。
22) Eprintsは<http://wiki.eprints.org>にwikiを用意しています。
1) Linux、Solaris、最近のWindowsのすべての版、MacOSX(さらにいくらか作業が必要)でテストをしています。一般に1.4JREを持つ任意のマシンで稼動すると思われます。
3) 簡単なシステムメタデータとダブリンコアクエリ用です。(フルテキストやXMLクエリのような)フル機能の検索は個別に追加する必要があるでしょう。
4) サーバがUnix上で稼動している場合でsy。セットアップにはOS独自の知識は必要としません。Unixの知識は初期化スクリプトの設定などに役にたちます。
5) 20のインストールを確認しています。ソフトウェアのダウンロードは3,000件以上です。
7) 2つの主要なAPI(アクセスと管理)があります。SOAP over HTTPとHTTPインターフェースが混在しています。
9) 両API共にIPベースの利用者認証をサポートしています。API-MはHTTPのBasic認証もサポートします。2004年末までにはさらに多くの認証法をサポートする予定です。
10) 2004年末を計画しています。現在のところ、管理者は匿名によるコンテンツの利用をできなくすることができます。
12) Fedoraではこれはオブジェクトの「配布ライセンス」の発信にあたります。すなわち、単に各オブジェクトと共に保存される単純なデータストリームです。
16) Fedoraリポジトリには(非XML形態を含む)任意の形の書誌記述メタデータを格納することができますが、Fedoraの検索機能はオブジェクトのXMLダブリンコアレコードしか対象としません。
17) 非常に基本的なブラウズ機能が各オブジェクトの主要なダブリンコアメタデータと検索APIによりサポートされています。
18) 検索APIを使って、「検索されるべき」発信物に対するハイパーリンクのページを自動的に生成するように構築することができます。
19) Fedoraの永続的で世界中で一意となる識別子はURN類似の構文を使用します。識別子は自動付与することも事前に付与することもできます。中央集権的なリゾルバとの連係を計画中です。
20) メタデータ、コンテンツ、ビヘイビアはすべてバージョン管理をすることができます(また、任意のバージョンをいつでも見ることができます)が、バージョン系列を「分岐すること」はできません。
2) i-Torは運営機関がJavaを使ってインターフェースの一部を変更できるようにしています(たとえば検索結果のためのカスタムビューの作成など)。
4) i-Torは運営機関に必要なワークフローを設定するツールを提供するよう設計されていますが、システム自体に含めるワークフローは設計していません。
5) サードパーティのソフトウェアであるAnalogを使用します。
7) i-Torではデータを研究者のホームページから直接ハーベストできます。個々の研究者のホームページが適切に保守されていれば、リポジトリを定期的に更新する必要はなくなります。
7) システム管理者は機関指定のメタデータによるブラウズを設定できます。
2) システム要件はコレクションの規模、想定されるユーザ数、使用するデータベースなどによります。
5) ユーザインターフェースのレイアウトを変更するにはXSLの知識が必要です。
6) MyCoReの基礎となった前身のMILESSのインストール数は10。非公式のMyCoReテストサイトが5。
7) CVS(Concurrent Versions System)を使って可能です。
10) MyCoReはCNRI Handlesを実装していませんが、同様のシステムであるドイツ国内書誌番号(German National Bibliography Number)を実装しています。 <http://www.persistent-identifier.de/aktivitaeten/URN-Implementation.php>を参照してください(ドイツ語で書かれています)。
3) 少しの作業でサーチエンジンモジュールを置き変えることができます。Googleサイトサーチについてテスト済みです。
4) システムに新しい機能を追加する場合はPHPプログラマが必要です。
6) キャンパスIPの範囲外の著者は一般的なパスワードが必要です。
8) Analogなどのサードパーティのソフトウェアが必要です。