EPrints 2.3技術文書 - バージョンアップ法


一般的に言えば、EPrintsバージョン2にバージョンアップするには、EPrintsを解凍して現在使用しているバージョンと同じパスにインストールする必要があります。 インストーラは既存のバージョンを検知してバージョンアップします。 変更されたファイルは自動的にバックアップされますので、消失することはありません。 ただし、自分が行った修正が重要な場合は、おそらくバージョンアップの前にバックアップを取るべきです。

必ずApacheを停止してから、バージョンアップをしてください。

必ずシステムを完全にバックアップしてから、バージョンアップをしてください。

そして、バージョンアップの前後のバージョンにあわせた方法でバージョンアップを行ってください。


EPrints1からのバージョンアップ

これを補助するツールをhttp://software.eprints.org/files/から入手することができます。


2-alpha-2から2.0へのバージョンアップ

非常に多くのアーカイブ設定法を変更したので、ここですべてを挙げられません。本当に興味のある場合は、CHANGELOGファイルを参照してください。 複数のアーカイブを運用している場合は、各アーカイブについて実行してください。 アーカイブIDがfoobarのアーカイブを例に説明します。

バージョンアップをするために、diffコマンドを使ってアーカイブの設定ファイルディレクトリのファイルに行った変更を記録することを勧めます。

 % diff /opt/eprints2/defaultcfg/ /opt/eprints2/archives/foobar/cfg/

diffの出力をどこか安全な場所に保存してください。

/opt/eprints2/archives/foobar/cfg/を削除します。

そして、EPrints2.0をインストールします。聞かれたらバージョンアップに同意します。

新しいデフォルト設定ディレクトリをアーカイブの設定ファイルディレクトリにコピーします。

 % cp -R /opt/eprints2/defaultcfg/ /opt/eprints2/archives/foobar/cfg/

保存しておいた「diff」ファイルを使って、変更を/opt/eprints2/archives/foobar/cfg/に再適用します。

次のSQLコマンドを実行する必要もあります。

 UPDATE document SET security='' WHERE security='public';

コマンドラインからmysqlに接続するために次のコマンドを実行します。

 % mysql -u eprints foobar -p

アーカイブを利用するためにeprintsユーザのパスワードを入力します。そして、先ほどのSQLを実行します。

generate_apacheconfを再実行して、Apacheをリスタートします。

バージョン2.0からのバージョンアップは、この2.0へのバージョンアップに比べればたいしたことはないはずです。 これ以後、設定ファイルが劇的に変更されることはなかったからです。


2.0から2.0.1へのバージョンアップ

このバージョンはほとんどバグフィックスです。設定ファイルに若干バグがあるので、手で修正する必要があります。

EPrintsのバージョンアップ後に、作成しているアーカイブ毎に以下を繰り返し実行してください。


2.0.1から2.1へのバージョンアップ

このリリースではいくつかのバグを修正していますが、重要な変更点は、購読誌機能の追加とOAI 2.0のサポートです。 詳細については配布物にあるNEWSファイルを参照してください。

EPrintsのバージョンアップ後に、作成しているアーカイブ毎に以下を繰り返し実行してください。


2.1(あるいは2.1.1)から2.2へのバージョンアップ

EPrintsのバージョンアップ後に、(アーカイブ毎に)以下を実行してください。


2.2(あるいは2.2.1)から 2.3へのバージョンアップ

このバージョンでは、いくつかの機能が追加され、Apacheの使用法が少し変わりました。フルテキスト索引化ツールが導入され、必要なソフトウェが増えました。

Apacheの再コンパイル

EPrints 2.3はさらに別のmod_perlフックであるTRANSを必要とします。Apacheをコンパイルする際には、「AUTHEN=1 AUTHZ=1」ではなくて、「EVERYTHING=1」をつけることを勧めます(「必要なソフトウェア」の章を参照)。 mod_rewriteは使用されなくなりました。

「libapreq」、別名、Apache::Requestのインストール

mod_perlで使用されるPerlモジュールです。「make test」が失敗するのでCPANモジュールを使ったインストールはできないようですが、インストールできれば問題なく動作します。 手作業でPerlモジュールをインストールする方法は「必要なソフトウェア」の章を参照してください。「libapreq」の最新版ではこれが修正されるといいのですが。

フルテキスト・インデクサで使用されるツールのインストール

「必要なソフトウェ」の章の「フルテキストの索引化」の項を参照して、指示に従ってください。

EPrintsソフトウェアの2.3へのバージョンアップ

いつものように最新(の安定)版をダウンロードし、解凍した後、./configureを実行します。

Webサーバを止めます。

いつものように、./install.plを実行します。

アーカイブ毎に次のコマンドを実行します。

 % bin/upgrade ARCHIVEID

次のコマンドでApache用の設定ファイルを更新します。

 % bin/generate_apacheconf

Webサーバを立ち上げます。

新アイコンの追加とスタイルシートの更新

新しい入力インターフェースは、著者のようなリスト項目の値を上下に動かすための「アップ」「ダウン」ボタンを持っています。これらのボタンに使用するアイコンをアーカイブにコピーしないと、ボタンの代わりに「UP」「DOWN」という文字が表示されることになります。アイコンのコピーをアーカイブの「images」ディレクトリに入れ、generate_staticコマンドを実行して、Webサイトに反映させる必要があります。

 % cp defaultcfg/static/general/images/multi_*.png archives/ARCHIVEID/cfg/static/general/images

新しいVLit用スタイルシートをコピーします。

 % cp defaultcfg/static/general/vlit.css archives/ARCHIVEID/cfg/static/general

次の新しいスタイルシートを

 defaultcfg/static/general/eprints.css

以下にコピーして必要に応じて変更します。

 archives/ARCHIVEID/cfg/static/eprints.css

「.subject_browser_opts, .subject_browser_selections, .subject_browser_search」で始まる行以降はすべて変更することを勧めます。これは本質的なものではありませんが、サイトの見た目がよくなります。

そして、次のコマンドを実行します。

 % bin/generate_static ARCHIVEID

インデクサの立ち上げ

EPrints 2.3の検索用索引の作成法は、2.2とは異なります。インデクサはバックグラウンドで実行されるデーモンとなり、新しい索引を作成して、即座に古い索引を置き換えます。 これはひょっとすると非常に時間がかかるかもしれませんが、(索引の再作成を待つ必要がないため)レコードの編集ははるかに早くなるはずです。

実験的なバグの多いアーカイブでインデクサを動かしたくない場合は、そのアーカイブのメインのXML設定ファイルに<index>no</index>を追加してください。

アーカイブをいくつ運営していてもインデクサは1つ実行するだけです。インデクサを立ち上げるには次のコマンドを実行します。

 % bin/indexer start

マシンがリブートされる際に、インデクサが自動的に停止・開始されるように設定するべきです。索引化システムについての技術文書を参照してください。

 EPrints 2.3技術文書 - バージョンアップ法