DSpace システム説明書: バージョンアップの方法

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この章では、DSpaceのバージョンアップの方法について説明します。各バージョンの機能の違いについてはバージョン履歴の章で説明します。

1.0.1 から 1.1へのバージョンアップ

1.0.1から1.1へのバージョンアップの手順は以下のとおりです。dspace.cfg を変更する必要はありません。 以下の手順では、DSpaceが /dspace にインストールされていると仮定しています。別の場所にインストールされている場合は、/dspace を実際のインストールディレクトリに置き換えてください。

  1. Tomcat(あるいは使用中のサーブレットコンテナ)を停止します。

  2. PostgreSQLを最新版(7.3.2)にバージョンアップすることを推奨します。 PostgreSQLのバージョンアップについてのメモがここにあります。 このメモを実行するにはAntをバージョン1.5にする必要があることにも注意してください。

  3. DSpaceデータベースに必要な変更を加えます。若干のスキーマ変更と、パフォーマンス向上のための索引の追加などです。また、多くのデータベースビューの名前を変更します。これまでの名前は長すぎて問題を引き起こしていたからです。 まず、psqlコマンドでデータベースに接続します(たとえば、psql -U dspace -W と入力して、パスワードを入力します)。そして、以下のSQLコマンドを実行します。

    ALTER TABLE bitstream ADD store_number INTEGER;
    UPDATE bitstream SET store_number = 0;
    
    ALTER TABLE item ADD last_modified TIMESTAMP;
    CREATE INDEX last_modified_idx ON Item(last_modified);
    
    CREATE INDEX eperson_email_idx ON EPerson(email);
    CREATE INDEX item2bundle_item_idx on Item2Bundle(item_id);
    REATE INDEX bundle2bitstream_bundle_idx ON Bundle2Bitstream(bundle_id);
    CREATE INDEX dcvalue_item_idx on DCValue(item_id);
    CREATE INDEX collection2item_collection_idx ON Collection2Item(collection_id);
    CREATE INDEX resourcepolicy_type_id_idx ON ResourcePolicy(resource_type_id,resource_id);
    CREATE INDEX epersongroup2eperson_group_idx on EPersonGroup2EPerson(eperson_group_id);
    CREATE INDEX handle_handle_idx ON Handle(handle);
    CREATE INDEX sort_author_idx on ItemsByAuthor(sort_author);
    CREATE INDEX sort_title_idx on ItemsByTitle(sort_title);
    CREATE INDEX date_issued_idx on ItemsByDate(date_issued);
    
    DROP VIEW CollectionItemsByDateAccessioned;
    
    DROP VIEW CommunityItemsByDateAccessioned;
    CREATE VIEW CommunityItemsByDateAccession as SELECT Community2Item.community_id, ItemsByDateAccessioned.*  FROM ItemsByDateAccessioned, Community2Item WHERE ItemsByDateAccessioned.item_id = Community2Item.item_id;
    CREATE VIEW CollectionItemsByDateAccession AS SELECT collection2item.collection_id, itemsbydateaccessioned.items_by_date_accessioned_id, itemsbydateaccessioned.item_id, itemsbydateaccessioned.date_accessioned FROM itemsbydateaccessioned, collection2item WHERE(itemsbydateaccessioned.item_id = collection2item.item_id);
  4. Unicodeを使用するためにJSPファイルを修正します。 サイトの「スキン」(jsp/local/layout/header-default.jsp)を修正していた場合は、<HEAD>要素に以下のUnicodeヘッダを追加する必要があります。

    <meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=UTF-8">

    また、ローカルで修正したJSPファイルがある場合は、そのすべてのファイルの冒頭に次のページディレクティブを追加する必要があります。

    <%@ page contentType="text/html;charset=UTF-8" %>

    (JSPコードを変更していない場合は、何もする必要はありません。)

  5. ソースツリーに同梱できなかった必要なJavaライブラリをコピーします。たとえば、次のようにします。

    cd /dspace/lib
    cp *.policy activation.jar servlet.jar mail.jar ~/source/dspace-1.1/lib
  6. /dspace/config/dspace.cfgにあるパスを実際のパスに修正してから、新しいDSpaceプログラムをコンパイルします。 (2行目の touch `find .` は、新しいプログラムに現在の日付スタンプを与えて、古いプログラムを必ず置き換えるようにするための予防策です。findの前後はバッククォートですので、注意してください。)

    cd dspace-1.1
    touch `find .`
    ant
    ant -Dconfig=/dspace/config/dspace.cfg update
  7. ツールを使ってデータベースのテーブルを更新します。このツールは、アイテムテーブルに新しいカラム last_modified 日付を設定します。以下のコマンドを実行します。

    /dspace/bin/dsrun org.dspace.administer.Upgrade101To11
  8. コレクションのデフォルト権限ポリシー設定ツールを実行します。

    /dspace/bin/dsrun org.dspace.authorize.FixDefaultPolicies
  9. OAICat属性ファイルを修正します。/dspace/config/templates/oaicat.propertiesを編集して、次の行

    Identify.deletedRecord=yes

    を、以下のように変更します。

    Identify.deletedRecord=persistent

    これは、OAI-PMHの'Identify'リクエストヘのレスポンスを修正するために必要です。そして、/dspace/bin/install-configsを実行します。

  10. abstractsの索引化と名前を変更したデータベースビューを書き込むために、索引作成プログラムを再実行します。

    /dspace/bin/index-all
  11. Tomcatを再立ち上げします。Unicodeを正しく処理するためと、若干小さいデフォルトのJVMメモリヒープサイズを拡大するために、以下の環境変数を設定してからTomcatを実行する必要があります。 なお、-Xmx512M(最大ヒープサイズは512MB)と -Xms64M(Javaスレッドスタッックサイズは64MB)は使用するハードウェアに合わせて調節してください。

    JAVA_OPTS="-Xmx512M -Xms64M -Dfile.encoding=UTF-8"

1.1 から 1.1.1 へのバージョンアップ

幸いなことに、1.1.1での変更はプログラム変更だけですので、バージョンアップはきわめて簡単です。

  1. Tomcatを停止します。

  2. この機会にDSpaceで使用しているサードパーティ製のツール(PostgreSQLなど)をバージョンアップすると良いでしょう。該当するツールに付属の手順書に従って実行してください。

  3. dspace-1.1.1-sourceディレクトリで以下を実行します。

    ant -Dconfig=/dspace/config/dspace.cfg update

    /dspace は実際のディレクトリに合わせてください。

  4. 以下のJSPファイルを変更して/dspace/jsp/local ディレクトリに置いている場合は、バージョン1.1.1で修正された部分を変更済みのJSPファイルに適用してください。 1.1と1.1.1の違いは、diffコマンドで調べることができます。 変更はほんのわずかです。

    collection-home.jsp
    admin/authorize-collection-edit.jsp
    admin/authorize-community-edit.jsp
    admin/authorize-item-edit.jsp
    admin/eperson-edit.jsp
  5. Tomcatを再立ち上げします。


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