ソースディレクトリの構成は、DSpaceインストールディレクトリの構成とは若干違います。DSpaceインストールディレクトの構成はきわめて広範囲にわたって設定可能です。
bin/
- DSpaceのコマンドラインタスクを実行するシェルスクリプト
build.xml
- Antが使用するビルドファイル
config/
- 設定ファイル
dspace.cfg
- DSpaceのメイン設定ファイル
default.license
- アイテムの投稿時にユーザが同意しなければならないライセンスのデフォルトとして使用されるライセンス
emails/
- DSpaceが送付する電子メールの本文テキスト
registries/
- ビットストリームフォーマット・レジストリおよびダブリンコア要素/限定子レジストリの初期データ。
これらのファイルはシステムの構築時にのみ使用され、以後はデータベースに保存される。
templates/
- ライブラリおよび外部アプリケーション(ApacheやTomcatなど)用の設定ファイルは、ここに置いて、編集する。
これらの設定ファイルはDSpaceのメイン設定ファイルにあるプロパティを参照することができる。
これらのファイルを変更した場合は、コマンドラインツールを使って、dspace.cfgから該当するプロパティ値を読み込んでファイルに埋め込み、適当な場所にファイルをコピーする(それゆえ「テンプレート」という名前がついている)。
etc/
- システムの設定には使用しない雑多なファイル。たとえば、データベーススキーマや、システムの構築時に使用されてシステムの稼働には関係しない設定ファイルなど。jsp/
- ウェブユーザインターフェースを記述するJSPファイル。できるだけJavaコードを少なくし、単純なHTMLになるようにした。ビジネスロジックはサーブレットに存在する。
lib/
- システムで使用するライブラリのJARファイル
README
- JARファイルのリストとその用途
src/
- DSpaceシステムのソースコード。レイアウトの詳細は、Javadocの概要ページを参照のこと。
以下は、デフォルト設定でインストールした場合の、DSpaceディレクトリの基本的なレイアウトです。これらのインストールパスは必要に応じて変更することができます。
/dspace
assetstore/
- 情報資産格納ファイルbin/
- シェルスクリプトconfig/
- 設定ファイルhandle-server/
- ハンドルサーバ用ファイルhistory/
- 履歴ファイルjsp/
- ウェブユーザインターフェースを処理するウェブアプリケーション - JSPファイル
WEB-INF/
classes -> /dspace/config
- 設定ファイルへのシンボリックリンク。プログラムにおいてJavaのリソースとして使用するため。lib -> /dspace/lib
- JARファイルへのシンボリックリンクlib/
- JARファイル。DSpaceシステムのクラスが入っているdspace.jar を含む。log/
- ログファイルoai/
- OAIメタデータハーベスティングプロトコルを処理するウェブアプリケーション
WEB-INF/
classes -> /dspace/config
- 設定ファイルへのシンボリックリンク。プログラムにおいてJavaのリソースとして使用するため。lib -> /dspace/lib
- JARファイルへのシンボリックリンク
search/
- Lucene検索用索引ファイル混乱を引き起こしかねない第1のソースはログファイルです。 DSpaceは多くのサードパーティ製ツールを使用していますので、様々な場所で問題が生じる可能性があります。 下の表は、標準的な設定のDSpaceで使用されている主なログファイルをリストアップしたものです。 表示されているログファイルの配置場所はデフォルトの場所です。DSpaceとサードパーティ製ツールの配置場所によって、ログファイルの配置場所が異なるかもしれません。 リストの順番は、問題やエラーの詳細についてログファイルを調べる際のおおよその推奨順位です。
ログファイル | ファイルの内容 |
---|---|
/dspace/log/dspace.log |
DSpaceのメインログファイル。DSpaceのプログラムにおいて生じたイベントやエラーについての簡単なログをDSpaceが出力する場所である。
ログレベルを変更するには、/dspace/config/templates/log4j.properties ファイルを編集して、/dspace/bin/install-configs を実行する。 |
TOMCAT/logs/catalina.out |
Tomcatの標準出力が出力される場所である。
Tomcatのプログラムにおいて生じたエラーの多くはここにログ出力される。
たとえば、TomcatがDSpaceプログラム(dspace.jar )を見つけることができない場合、catalina.out にエラーログが出力されるはずである。 |
TOMCAT/logs/hostname_log.yyyy-mm-dd.txt |
Tomcatをスタンドアローンで(Apacheと連携せずに)稼働させている場合、特定のウェブアプリケーションに関する情報やエラーをこのログファイルに出力する。
hostname は、ホスト名(たとえば、dspace.myu.edu )であり、yyyy-mm-dd は、日付である。 |
TOMCAT/logs/apache_log.yyyy-mm-dd.txt |
Apacheを使用している場合、Tomcatは、Apacheと連携して稼働しているウェブアプリケーション(mod_webapp )に関する情報をこのログファイルに出力する(yyyy-mm-dd は日付である)。 |
/usr/local/apache/error_log |
Apacheはこのファイルにログを出力する。mod_webapp がうまく動かない場合は、その手掛りを得るにこのファイルを見るといいだろう。
Apacheは他にもいくつかのログファイルに出力するが、問題を追跡するための最も有益な情報はerro_log ファイルに多いようである。 |
/dspace/log/handle-plug.log |
ハンドルサーバはDSpaceのウェブユーザインターフェース(TomcatのJVM配下で稼働)とは異なるプロセスとして稼働している。
Log4jの「ローリングファイルアペンダー」機能の制約により、ハンドルサーバのJVMで稼働するDSpaceプログラムはTomcatJVM配下のプログラムとは別のログファイルを使用しなければならない。
ハンドル解決リクエストを処理するための一部として動作するDSpaceプログラムはこのファイルにログ情報を出力する。
/dspace/config/templates/log4j-handle-plugin.properties を修正することにより、このログレベルを変更できる。 |
/dspace/log/handle-server.log |
CNRIハンドルサーバプログラムが出力するログファイルである。DSpaceプラグインが呼び出される前にハンドルサーバプログラムで生じた問題は、このファイルにログが出力されるだろう。 |
/dspace/handle-server/error.log |
一方、CNRIハンドルサーバプログラムの問題は、ここにログが出力される場合がある。 |
PostgreSQL log | PostgreSQLもログを出力する。このファイルにデフォルトの配置場所はないようである。たぶんインストールのどこかで場所を指定しなければならないはずである。
一般に、核心にふれる情報がこのログファイルに含まれていることはまれである。
PostgreSQLはきわめて安定しており、問題の多くは、JDBCによる接続時に発生すると考えられるが、その場合、ログはdspace.log に出力されるからである。 |