Open Archives Initiativeメタデータ・ハーベスティング・プロトコル実装ガイドライン
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メタデータに関する権利記述のOAI-PMHフレームワークにおける伝達法

  プロトコルバージョン 2.0 (2002-06-14)
ドキュメントバージョン 2004/11/05T15:52:00Z
http://www.openarchives.org/OAI/2.0/guidelines-rights.htm

ベータリリースです。仕様は変更される可能性があります

本ドキュメントで示されているクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのXMLエンコーディングは、クリエイティブ・コモンズが計画しているライセンス表記のためのXMLスキーマの定義により変更される場合があります。

ご意見はoai-implementersメーリングリストにお寄せください。

 

編者

Carl Lagoze (OAI役員; コーネル大学 - コンピュータサイエンス)
Herbert Van de Sompel (OAI役員; ロスアラモス国立研究所 - 研究図書館)
Michael Nelson (オールドドミニオン大学 - コンピュータサイエンス)
Simeon Warner (コーネル大学 - コンピュータサイエンス)

本ドキュメントは Open Archives Initiativeメタデータ・ハーベスティング・プロトコル (OAI-PMH)の付録「実装ガイドライン」の一部です。

目次

1. 序言および適用範囲
2. 権利記述とOAI-PMHデータモデル
3. レコードレベルの権利記述の伝達法
4. リポジトリおよびセットレベルの権利記述宣言の伝達法
  4.1 リポジトリレベルの権利記述
  4.2 セットレベルの権利記述
5. 権利記述を有するメタデータに対するハーベスタの責務
A1. 付録: 使用例
謝辞

1. 序言および適用範囲

Open Archives Initiativeメタデータ・ハーベスティング・プロトコル (OAI-PMH)は データプロバイダがWebを通じてメタデータをハーベスタに提供する仕組みを提供します。このメタデータは OAI-PMHレコードに格納され発信されます。 OAI-PMHを使って複数のデータプロバイダからハーベストしたメタデータを使用して、サービスプロバイダは(検索やブラウズなどの)サービスを提供することができます。

データプロバイダにとって、ハーベストされたメタデータをどのように使用、共有、変更できるかを示すために権利記述をメタデータに添付したい場合があるでしょう。 本仕様書は、メタデータに付随する権利情報をOAI-PMHレスポンスにどのように含めるべきかを定義するものです。記載される手法は、

OAI-PMHレスポンスにおいて、メタデータは<metadata>要素に格納されています。このメタデータはOAI-PMHのほとんどの応用においてリソースに関する 記述的メタデータです。しかしながら、利用ログやXMLで記述したリソースなど、書誌以外のメタデータを<metadata>要素に格納する 使用例も現れてきました。本仕様書はその使用法には関係なく、<metadata>要素の内容に付随する権利情報の伝達法を記述します。

本仕様書に太字で表記したキーワード「しなけれならない」、「してはならない」、「する必要がある」、「するものとする」、 「しないものとする」、「するべきである」、「するべきでない」、「推奨する」、「することができる」、「オプションの」の 解釈は、RFC 2119の定義に準じます。「しなけれならない」あるいは「する必要がある」とされた 要件を1つでも満たしていない実装は不適合となります。

2. 権利記述とOAI-PMHデータモデル

OAI-PMHデータモデルは多くのエンティティを定義しています。他のエンティティの集合を表すエンティティもあります。これらのエンティティは以下のとおりです。 また、各エンティティの関係を図に示しました。

OAI-PMH data model figure

本仕様書は、権利記述をレコードレベル(第3節)、およびリポジトリとセットという集合レベル(第4節)で 伝達する仕組みを規定します。この仕組みは次のようにまとめることができます。

リポジトリおよびセットレベルの宣言をレコードレベルの権利記述の代用として使用してはなりません。リポジトリおよびセットレベルの宣言は、各集合体に 関係する権利記述を公表する便利な方法を提供するものです。しかし、ハーベスタは正式な権利記述を知るために個々のレコードを参照しなければなりません

本仕様書の仕様は、OAI-PMHフレームワークにおいてメタデータに関する権利記述を伝達するための一般的な方法を提供します。仕様は、そのような機能を 必要とするデータプロバイダに使用される仕組みであるべきであり、また、OAI-PMHにより配布されるメタデータを使用するハーベスタに承認されるべきものです。 メタデータに関する権利記述をメタデータ自身に組み込むというような別の仕組みも可能ですが、一般的ではなく、多くのハーベスタには承認されないと考えるべきです。

3. レコードレベルの権利記述の伝達法

以下で示すXMLスキーマは、<rights>パッケージの形式を定義します。このパッケージは、ListRecordsリクエストあるいは GetRecordリクエストに対して返されるレコードの一部として、 権利記述を<about>コンテナに格納するために使用することができます。 なお、この権利記述はレコードの<metadata>部分にのみ付随するものです。

スキーマは権利記述を指定する方法として、互いに排他的な2つの選択肢を提供します。

参照による権利記述を指定したレコードを発信するデータプロバイダは、URL参照に関連する永続性の問題を承知しておくべきです。すなわち、参照による権利記述を指定した メタデータの発信時点と最終的な権利参照時点との間で、権利記述として指定されたURLのページがなくなったり、違う内容になったりすることがあります。それゆえ、 永続的な権利記述に関心を持つデータプロバイダは参照URLおよびURL上の権利記述の永続性を保証するべきです。さもなければ、インライン方法を採用するべきです

データプロバイダは1つのOAI-PMHレコードに複数の<rights>パッケージを入れてはいけません。ただし、複数の<about> コンテナを1つのレコードに入れて、異なるパッケージ(おそらく<rights>パッケージと<provenance>パッケージ。使用例は 付録 A1を参照)を含めることはできます。個々の<about>コンテナは正確に1つの子要素を持たねばなりません

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<schema targetNamespace="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights/" 
        xmlns="http://www.w3.org/2001/XMLSchema" 
        xmlns:rights="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights/"
        elementFormDefault="qualified"
        attributeFormDefault="unqualified">

  <annotation>
    <documentation>
    Schema for rights statement to be included either by-reference or
    in-line. In-line statements may be in any namespace and are 
    subject to "lax" validation, meaning that they are only validated
    when an XML schema is available. RDF, for example, will not be
    validated.
    Carl Lagoze and Simeon Warner (Cornell University)
    $Date: 2004/10/08 18:40:23 $
    </documentation>
  </annotation>
 
  
  <element name="rights" type="rights:rightsStatementType"/>

  <complexType name="rightsStatementType">
    <choice>
      <element name="rightsReference">
        <complexType>
          <attribute name="ref" type="anyURI" use="required"/>
        </complexType>
      </element>
      <element name="rightsDefinition">
        <complexType>
   	  <sequence>
 	    <any namespace="##other" processContents="lax"/>
  	  </sequence>
        </complexType>
      </element>
    </choice>
  </complexType>

</schema>
このスキーマはhttp://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights.xsdから入手できます。

次の例は、インラインで権利記述を伝達する<rights>要素の使用法を示したものです。この例の権利記述は、 http://creativecommons.org/licenses/by/2.0/で可読形式を見ることができる クリエイト・コモンズ・ライセンスをRDF/XMLで記述したものです。

<about>
  <rights xmlns="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights/"  
    xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" 
    xsi:schemaLocation="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights/
                        http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights.xsd">
    <rightsDefinition>
      <rdf:RDF xmlns="http://web.resource.org/cc/" 
               xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#">
        <License rdf:about="http://creativecommons.org/licenses/by/2.0/">
          <permits rdf:resource="http://web.resource.org/cc/Reproduction"/>
          <permits rdf:resource="http://web.resource.org/cc/Distribution"/>
          <requires rdf:resource="http://web.resource.org/cc/Notice"/>
          <requires rdf:resource="http://web.resource.org/cc/Attribution"/>
          <permits rdf:resource="http://web.resource.org/cc/DerivativeWorks"/>
        </License>
      </rdf:RDF>
    </rightsDefinition>
  </rights>
</about>

次の例は、参照により権利記述を伝達する<rights>要素の使用法を示したものです。URL http://creativecommons.org/licenses/by/2.0/rdfは、先の例で使用したものと同一の クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのXML/RDFバージョンを参照します。

<about>
  <rights xmlns="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights/"  
    xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" 
    xsi:schemaLocation="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights/
                        http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights.xsd">
    <rightsReference ref="http://creativecommons.org/licenses/by/2.0/rdf"/>
  </rights>
</about>

4. リポジトリおよびセットレベルの権利記述宣言の伝達法

リポジトリあるいはセット集合体に適用する権利記述の宣言は、オプションの<rightsManifest>パッケージを使って 格納することができます。これらの宣言の目的は、各々リポジトリあるいはセット集合体で利用できるメタデータに関係する権利記述を明らかにする、 ハーベスタにとって便利な方法を提供することにあります。リポジトリレベルの適用 (第4.1節)およびセット レベルの適用(第4.2節)を個別に説明します。 リポジトリおよびセットレベルの宣言をレコードレベルの権利記述の代用として使用してはなりません。ハーベスタは正式な権利記述を知るために 個々のレコードを参照しなければなりません。 たとえリポジトリあるいはセットレベルの宣言があっても、レコードの<about>コンテナに<rights>パッケージがない場合は、 レコードの<metadata>部分に付随する権利は依然として不明のままです。

以下で示すXMLスキーマは、<rightsManifest>パッケージの形式を定義します。このスキーマは1つ以上の<rights>子要素を許容します。 個々の<rights>要素はレコードレベル<rights>要素と同様にインラインの権利記述あるいは参照による 権利記述のいずれか1つを持たねばなりません<rightsManifest>要素は必須のappliesTo属性を持ちます。この属性の値はhttp://www.openarchives.org/OAI/2.0/entity#metadataなければなりません。この属性は将来の拡張のための仕組みとして指定されています。ハーベスタはアイテムから得られるすべてのメタデータフォーマットに同じ権利記述が 適用されると仮定してはいけません。また、<rightsManifest>に指定されたある特定の権利記述が特定のメタデータフォーマットに適用されると仮定しても いけません

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<schema targetNamespace="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights/"
        xmlns="http://www.w3.org/2001/XMLSchema"
        xmlns:rights="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights/"
        elementFormDefault="qualified"
        attributeFormDefault="unqualified">

  <annotation>
    <documentation>
    Schema for a manifest of rights statements to be included in the
    Identify and ListSets responses of an OAI server. The appliesTo
    attribute permits only the value 
    'http://www.openarchives.org/OAI/2.0/entity#metadata' but is 
    included in anticipation of later extension.
    Carl Lagoze and Simeon Warner (Cornell University)
    $Date: 2004/11/05 15:52:02 $
    </documentation>
  </annotation>


  <include schemaLocation="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights.xsd"/>

  <element name="rightsManifest" type="rights:rightsManifestType"/>

  <complexType name="rightsManifestType">
    <sequence>
      <element name="rights" type="rights:rightsStatementType" maxOccurs="unbounded"/>
    </sequence>
    <attribute name="appliesTo" type="rights:appliesToType"/>
  </complexType>


  <simpleType name="appliesToType">
    <restriction base="anyURI">
      <enumeration value="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/entity#metadata"/>
    </restriction>
  </simpleType>

</schema>
このスキーマはhttp://www.openarchives.org/OAI/2.0/rightsManifest.xsdから入手できます。

4.1 リポジトリレベルの権利記述

オプションの<rightsManifest>パッケージを Identifyリクエストに対するレスポンスの<description>コンテナに含めることができます。リポジトリレベルにおける <rightsManifest>パッケージの目的は、リポジトリが発信するメタデータに適用するすべての権利記述のリストを提供することにあります。

この宣言の典型的な使用例は、少数の権利記述でリポジトリが発信するすべてのメタデータの権利記述をカバーするような場合です。この少数の権利記述が Identifyレスポンスで宣言として記述されている場合、ハーベストする クライアントソフトウェアはリポジトリが発信するメタデータに関係する権利情報をすぐに知ることができ、ハーベストを続けるか否かを決定することができます。 この宣言の完備性と正確性は実際的な強制手段がないため本仕様書では要求しません。しかし、データプロバイダはその正確性を保つことを強く推奨します。 何故なら、その内容はリポジトリからメタデータをハーベストするか否かに関するハーベスタの決定に影響を与える可能性があるからです。

次の例は、Identifyレスポンスの<description>コンテナに<rightsManifest>パッケージを使用した例です。

<description>
  <rightsManifest
    xmlns="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights/" 
    xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" 
    xsi:schemaLocation="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights/ 
                        http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rightsManifest.xsd"
    appliesTo="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/entity#metadata">
    <rights>
      <rightsDefinition>
        <rdf:RDF xmlns="http://web.resource.org/cc/" 
                 xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#">
          <License rdf:about="http://creativecommons.org/licenses/by/2.0/">
            <permits rdf:resource="http://web.resource.org/cc/Reproduction"/>
            <permits rdf:resource="http://web.resource.org/cc/Distribution"/>
            <requires rdf:resource="http://web.resource.org/cc/Notice"/>
            <requires rdf:resource="http://web.resource.org/cc/Attribution"/>
            <permits rdf:resource="http://web.resource.org/cc/DerivativeWorks"/>
          </License>
        </rdf:RDF>
      </rightsDefinition>
    </rights>
    <rights>
      <rightsDefinition>
        <rdf:RDF xmlns="http://web.resource.org/cc/" 
                 xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#">
          <License rdf:about="http://creativecommons.org/licenses/by-nc/2.0/">
            <permits rdf:resource="http://web.resource.org/cc/Reproduction"/>
            <permits rdf:resource="http://web.resource.org/cc/Distribution"/>
            <requires rdf:resource="http://web.resource.org/cc/Notice"/>
            <requires rdf:resource="http://web.resource.org/cc/Attribution"/>
            <prohibits rdf:resource="http://web.resource.org/cc/CommercialUse"/>
            <permits rdf:resource="http://web.resource.org/cc/DerivativeWorks"/>
          </License>
        </rdf:RDF>
      </rightsDefinition>
    </rights>
    <rights>
      <rightsReference ref="http://creativecommons.org/licenses/by-nd/2.0/rdf"/>
    </rights>
  </rightsManifest>
</description>

4.2 セットレベルの権利記述

セットとはOAI-PMHにおいて選択的ハーベスティングを提供するオプションの仕組みです。リポジトリはセットを実装しても、実装しなくても構いません。 セットを利用することにより、リポジトリを分割してメタデータに関係する権利に基づいた選択的ハーベスティングを可能にすることができます (たとえば、あるセットでは「制限なしに」メタデータの利用を可能とし、別のセットでは何らかの方法ですべてのメタデータの利用を制限する、など)。 セットレベルの権利記述は特定のセットに関係する権利を宣言する仕組みを提供し、そのセットに含まれるアイテムで利用できるメタデータに関係する権利記述に関する 情報をハーベスタに提供します。

セットに含まれるアイテムのメタデータに関係する権利記述を伝達する方法として、オプションの<rightsManifest>パッケージを ListSetsリクエストに対するレスポンスの <setDescription>コンテナに含めることができます。 データプロバイダは、リポジトリ全体には適用できない、あるいは適当でなくても、ある種のセットには宣言を含めることが適当である場合を見つけることができます。 セットに含まれるアイテムのメタデータに付随する権利記述に関して完全かつ正確で疑いのない情報を提供できないのであれば、データプロバイダはセットレベルの権利宣言を含めては いけません

次の例は、ListSetsレスポンスで返す4つのセットのうち1つのセットで<setDescription>コンテナに <rightsManifest>パッケージを使用した例です。

<ListSets>
  <set>
    <setSpec>music</setSpec>
    <setName>Music collection</setName>
  </set>
  <set>
    <setSpec>music:(muzak)</setSpec>
    <setName>Muzak collection</setName>
  </set>
  <set>
    <setSpec>music:(elec)</setSpec>
    <setName>Electronic Music Collection</setName>
    <setDescription>
      <rightsManifest 
        xmlns="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights/" 
        xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" 
        xsi:schemaLocation="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights/ 
                            http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rightsManifest.xsd"
        appliesTo="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/entity#metadata">
        <rights>
          <rightsReference ref="http://creativecommons.org/licenses/by-nd/2.0/rdf"/>
        </rights>
        <rights>
          <rightsReference ref="http://creativecommons.org/licenses/by-nc/2.0/rdf"/>
        </rights>
      </rightsManifest>
    </setDescription>
  </set>
  <set>
    <setSpec>video</setSpec>
    <setName>Video Collection</setName>
  </set>
</ListSets>

5. 権利記述を有するメタデータに対するハーベスタの責務

本仕様書は、OAI-PMHレコードに権利記述を含める規範的な仕組みを提供することを目的としています。ハーベスタは、ハーベストするレコードにおいて本仕組みを 使って記述されている権利記述を捜して、その内容を遵守するべきです

本仕様書で記述した仕組みはどんなレベルにおいても権利記述を強制することを意図したものではありません。そうではありますが、ハーベスタは誠意を持って、 ハーベストするメタデータに関する権利記述を遵守するべきです。ハーベスタによる権利記述遵守の不履行に対する処置は本仕様書の範囲外です。

A1. 付録: 使用例

以下の例は、GetRecordリクエストに 対する完全なレスポンスを示したもので、<rights>パッケージを含んでいます。 <rights>パッケージは、レコードの<metadata>部分に関係する権利を記述するインラインの権利記述を含んでいます。 また、別の<about>コンテナにはレコードの<metadata>部分の出自情報を提供する<provenance> パッケージも含まれています。これらの<about>コンテナはいずれもレコードの<metadata>部分で記述されるリソース に関しては何も言っておりません。

レコードの<metadata>部分は、(oai_dc metadataPrefixと関連するスキーマを使って)限定子なしのダブリンコア・フォーマットで記述されたメタデータを含んでいます。このメタデータには ダブリンコアのセマンティクスに従ってリソースに関する権利情報を記述するdc:rights要素が含まれています。この要素はメタデータに関係する権利については 何も言っておりません。この例では、dc:rights要素は、メタデータに関するライセンスより制約の強い別の クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを参照しています。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> 
<OAI-PMH xmlns="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/" 
         xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
         xsi:schemaLocation="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/
         http://www.openarchives.org/OAI/2.0/OAI-PMH.xsd">
  <responseDate>2002-02-08T08:55:46Z</responseDate>
  <request verb="GetRecord" identifier="oai:arXiv.org:cs/0112017"
           metadataPrefix="oai_dc">http://arXiv.org/oai2</request>
  <GetRecord>
    <record> 

      <header>
        <identifier>oai:an.oa.org:zxy123</identifier> 
        <datestamp>2004-08-08</datestamp>
      </header>

      <metadata>
        <oai_dc:dc 
         xmlns:oai_dc="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/oai_dc/" 
         xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" 
         xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" 
         xsi:schemaLocation="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/oai_dc/ 
         http://www.openarchives.org/OAI/2.0/oai_dc.xsd">
          <dc:title>Using elephants to crack peanuts in a factory setting</dc:title> 
          <dc:creator>Nutcase, A</dc:creator>
          <dc:subject>Elephants</dc:subject> 
          <dc:description>With the increasing technical sophistication of 
            well-trained elephants it is becoming practical to consider
            their use in factory settings.</dc:description> 

          <!-- dc:rights, IF USED, REFERS TO RIGHTS ABOUT THE RESOURCE --> 
          <dc:rights>http://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/2.0/</dc:rights>

          <dc:date>2004-04-01</dc:date>
        </oai_dc:dc>
      </metadata>

      <about>  

        <!-- RIGHTS INFORMATION FOR metadata ABOVE -->
        <rights xmlns="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights/"  
               xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" 
               xsi:schemaLocation="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights/
                                   http://www.openarchives.org/OAI/2.0/rights.xsd">
          <rightsDefinition>
            <rdf:RDF xmlns="http://web.resource.org/cc/" 
                     xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#">
              <License rdf:about="http://creativecommons.org/licenses/by/2.0/">
                <permits rdf:resource="http://web.resource.org/cc/Reproduction"/>
                <permits rdf:resource="http://web.resource.org/cc/Distribution"/>
                <requires rdf:resource="http://web.resource.org/cc/Notice"/>
                <requires rdf:resource="http://web.resource.org/cc/Attribution"/>
                <permits rdf:resource="http://web.resource.org/cc/DerivativeWorks"/>
              </License>
            </rdf:RDF>
          </rightsDefinition>
        </rights>
      </about>

      <about>  

        <!-- PROVENANCE INFORMATION FOR metadata ABOVE -->
        <provenance xmlns="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/provenance"
                    xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
                    xsi:schemaLocation="http://www.openarchives.org/OAI/2.0/provenance
                                        http://www.openarchives.org/OAI/2.0/provenance.xsd">
          <originDescription harvestDate="2004-08-08T14:10:02Z" altered="false">
            <baseURL>http://the.oa.org</baseURL>
            <identifier>oai:the.oa.org:abc987</identifier>
            <datestamp>2004-04-01</datestamp>
            <metadataNamespace>http://www.openarchives.org/OAI/2.0/oai_dc/</metadataNamespace>
          </originDescription>
        </provenance>
      </about>

    </record>
  </GetRecord>
</OAI-PMH>

謝辞

OAI-PMHの策定およびその他のOpen Archives Initiativeの活動に対して、全米科学財団デジタル図書館連盟ネットワーク情報連合を初めとする多くの機関のご支援をいただきました。

本ガイドラインを策定するきっかけとなった理由の一つはRoMEOプロジェクトの活動です。 本ガイドラインの策定にあたって重要な役割を演じた方々は以下のとおりです。
Caroline Arms (米国議会図書館)、Chris Barlas (Rightscom)、Tim Cole (イリノイ大学アーバナ・シャンペイン校)、Mark Doyle (米国物理学会)、 Henk Ellerman (エラスムス電子出版イニシアティブ)、John Erickson (ヒューレット・パッカード & DSpace)、Elizabeth Gadd (ラフバラ大学 & RoMEO)、 Brian Green (EDItEUR)、Chris Gutteridge (サウサンプトン大学 & eprints.org)、Carl Lagoze (コーネル大学 & OAI)、Mike Linksvayer (クリエイティブ・コモンズ)、 Uwe Müller (フンボルト大学)、Michael Nelson (オールドドミニオン大学 & OAI)、John Ober (カリフォルニア・デジタル・ライブラリ)、 Charles Oppenheim (ラフバラ大学 & RoMEO)、Sandy Payette (コーネル大学)、Andy Powell (UKOLN、バース大学)、Steve Proberts (ラフバラ大学 & RoMEO)、 Herbert Van de Sompel (ロスアラモス国立研究所 & OAI)、Simeon Warner (コーネル大学、arXiv & OAI)。

ドキュメント履歴

2004-11-03: ベータリリース。
2004-06-23: アルファリリース。
2004-05-27: 本ドキュメントの第一草稿。