地球・生命システム解明に不可欠となる情報基盤形成を目指した統合データベースを構築します。
具体的には、ライフサイエンスメタデータベースシステムと極限環境生物統合データベースが主な対象です。
ゲノム研究の進展に伴う情報量の急速な増大に対応したライフサイエンス研究では、データやツール類、文献などをまとめたデータベースの効率的な利用が不可欠となりました。しかし、ライフ系研究者にとって、レコード件数の膨張に加えてデータセットの多様化の急速な進展や刻々と変化する利用環境といった状況に対応することは容易なことではありません。
このような状況において、研究者が直面する深刻な事態の解消を目指して、今までの「新世代バイオポータルの研究開発」の成果であるプロトタイプ構築を発展させ、データ量の増大と多様化に継続的に対応できる利用者主導型の新しいメタデータDBシステムの設計・構築と運用を行います。
図3:日本語バイオポータルサイトから、「専門家向けの道具箱・バイオデータベースショウケース(http://www.bioportal.jp/)」として公開中の、メタDB検索ページ
また、国立極地研究所が収集してきた極地植物資料を対象とし、従来から付記されている採集地情報と分類情報に加え、新たに高精度3次元画像(CG)とゲノム情報、分子進化情報、環境情報を加えた統合データベースの構築を目指します。小型で、形態的形状が複雑な対象資料の分類学的な解析に必要な情報取得の必要など、画像データベース化における課題をクリアしながら推進します。
Jabion:日本語バイオポータルサイト:
http://www.bioportal.jp/
地球のより良い理解に必要な多様な地球環境データの効果的な活用を目指し、データ間の情報共有が特に困難な、地球の鉛直方向への情報共有を支える横断型情報基盤として、「鉛直地球ポータル」の構築を進めます。
図1:Vertical Earth(鉛直地球)ポータルサイトにおける分散データベースの概念図
具体的には、長期間の多様な地球観測と観測結果の分析によって、地球現象の原理の解明に供する情報基盤として、地球システムの鉛直構造(地中から宇宙まで)を統合した地球環境データのポータルサイト「Vertical Earth(鉛直地球)」を構築します。このため、多くの研究者の研究成果として世界中に蓄積された膨大な地球環境データの活用が出発点になりますが、現在、これらのデータの共有や横断的利用は困難な状況にあり、最も共有の難しい鉛直方向の情報共有の実現による、情報共有のブレークスルーを目指します。
図2:デジタル台風
Vertical Earth構築の課題は、「たまねぎ」状の多層構造にある地球システムに関して、層別に独立して進められている研究の層間の情報断絶の克服にあります。このため、地圏を対象としたデータベース「南極地理情報システム(南極GIS)」と対流圏を対象としたデータベース「デジタル台風」を構築するとともに、分散データベースとして存在する地理情報ウェブサービスの横断的重ね合わせと多様な検索機能を備えたポータルサイトの実現を目指します。
デジタル台風:
http://www.digital-typhoon.org/