「日本情報の国際共有」(報告)

 学術情報センターでは「日本情報の国際共有に関する研究」(Study on International Sharing of Japanese Scholarly Information)と題して文部省科学研究費補助金国際共同研究を平成10年度から井上 如副所長を研究代表者として開始している(課題番号10044018)。今年度の招へい研究者として3群,合計7名を招へいしている。その第三陣として,1999年3月4日から9日にかけて次の2名を招へいした。

 Dr. Suzine HAR-Nicolescu(米国・ニューヨーク市立大学メドガー・エバーズ図書館長)

 Dr. LEE Too Young(韓国・中央大学校文献情報学科教授・韓国図書館協会長)

 3月5日午前には学術情報センターにおいて日本における学術情報システムの展開について意見交換し,午後には恒例の講演会を開催した。

 Dr. LEE Too Young「韓国における図書館・情報政策と最近の課題」

 Dr. Suzine HAR-Nicolescu「多文化社会を目指して:変化のための媒体としての国際図書館連盟(IFLA)と図書館員」

 また日本側として小池建夫氏(日立製作所デジタルメデイアシステム事業センター・

プリンティングシステム部主任技師)には「CJK統合漢字集合の開発過程」と題してISO/IEC10646の漢字部分について開発過程の諸相と課題を論じていただいた。

 3月8日には同一のプログラムで京都大学附属図書館での講演を行った。年度末の多忙な時期に熱心な聴衆を得たことを記して,聴衆各位に謝意を表す。またきわめて短期間かつ密度の高い日程のなかでDr. LEE Too Youngは韓国図書館協会長として,現在進行中の図書館界の日韓交流促進のため日本図書館協会に表敬され,日本図書館協会も手厚く対応された。これらの講演記録は平成10年度報告として1999年3月に発行され,全国の大学図書館に配布の予定である。

 また3月22日から25日にかけて,この科研と深い関係にある米国ラトガース大学アリキサンダー図書館のMrs. Myoung Chung WILSONも別途の資金で招へいし,大学図書館が介在する学術情報流通の諸問題について検討し,当調査研究に貢献したことを付記して,招へいに尽力された方々,短期間の準備にもかかわらず招へいに応じられたウィルソン氏およびラトガース大学に謝す。末尾ながら京都大学附属図書館のご協力に感謝申し上げる。

小池建夫氏

Dr. Suzin HAR-Nicolescu

Dr. LEE Too Young

    Mrs. Myoung Chung Wilson


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