国際日本文化研究センターにおける学術情報センター

システムの利用

国際日本文化研究センター

田中 耕二

1.国際日本文化研究センター(日文研)とは

 国際日本文化研究センターは,文部省の大学共同利用機関として1987年5月に設立され,日本文化に関する国際的・学際的な総合研究ならびに世界の日本研究者に対する研究協力を使命としている。1991年4月に開室された図書室は研究協力の中核的施設として位置づけられ,多岐の分野にわたる日本文化・日本研究に関する資料・情報を積極的に収集・蓄積し,国内のみならず海外に向けての文献提供・情報発信につとめ,文字通り日本文化に関する国際的な情報センターの役割を担おうとするものである。

2.収蔵資料の特徴

 日文研の収蔵資料の重点域は,「外国語で書かれた日本研究図書」(当センターでは「外書」と呼び慣わしている)であり,ヨーロッパ・アメリカのみならずアジア・アフリカを含め全世界の言語で書かれた「日本」に関する文献を網羅的に収集することを基本方針としている。そして本年3月には,1900年以前刊行の欧米言語による「外書」に関して書誌的・内容的に詳細な情報を記述した「国際日本文化研究センター所蔵日本関係欧文図書目録−1900年以前刊行分−」が出版されている。

 また,映像・音響資料の収集も本センターの収蔵資料の特色の一つであり,幕末明治期に撮影された彩色「古写真」,「外書」の挿図・図版を写真撮影した「外像」など,特色ある写真資料を多数所蔵している。これらは逐次画像データベース(制限付き公開)に蓄積されている。

3.学術情報センターとの結びつき

 当センターがNACSIS-CATと接続したのは,1989年3月である。1987年5月の設立以来収集した図書・資料は,すべてCATシステムに登録するのを原則としている。当センターの目録システムはいわゆる「case2」であり,当日CATに登録したデータが,夜間バッチ処理によりローカルデータベースにダウンロードされる。(この際,各種のローカルデータが自動的に付加される)同時にこのローカルデータベースはOPACを形成し,WWWにより全世界に公開されている。

http://www.nichibun.ac.jp/ilis/nindex.html

4.これからの展望

 「外書」はその性格上,世界中のあらゆる言語の資料を含むものである。これらの各種言語資料,また映像・音響資料を中心とした各種非図書資料のデータ構築に際して,NACSISとの緊密な連携がますます必要になってくると思われる。CAT新システムへの対応はもとより,NACSISの利用促進が,当センター発展の鍵になるであろうと考えている。


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