個性や状況に合わせた最適な機能を推薦する行動促進ソフトウェア

アーキテクチャ科学研究系 助教

坂本 一憲

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研究分野 : ⼈⼯知能(機械学習)/教育⼼理学・教育⼯学/動機づけ

研究背景・目的

 

学習者の学業成績を向上させるためには、学習行動を促し、学習行動の量を増加させることが重要です。しかし、学習者の個性は千差万別です。例えば、学習者の中には、他者から高く評価されることを重視する人もいれば(遂行接近目標)、他者からの低評価を避けることを重視する人もいます(遂行回避目標)。前者に対して競争的な状況は有効ですが、後者に対しては逆効果となります。よって、画一的な方法を開発することは意味がありません。本研究では、個性や利用状況に応じて、最適な行動を促進させる人工知能技術を開発して、(1)平均的な学習の促進効果が高く、(2)学習が阻害される学習者が少ない手法の確立を目的としています。

研究内容

 

本研究では、学習者の心理的な傾向を測定する心理尺度を利用して、行動促進機能の中から最適な設定を推薦する人工知能技術、及び、同技術を搭載したスマートフォンアプリケーションを開発します。具体的には、機械学習アルゴリズムを用いて、心理尺度の測定値を入力、学習行動の量を予測できるような回帰モデルを構築して、予測値を最大化するような動機づけ機能の設定を行う技術を開発します。 行動促進機能としては、学習を動機づけて意欲を高める機能(動機づけ機能)と、意志を強く持てるようセルフコントロールを支援する機能(自制機能)の2種類に分かれます。動機づけ機能は学習状況の可視化、目標設定とフィードバック、他者との交流・競争、意義や知能感への介入、好ましい行動に対する報奨から構成されています。

産業応用の可能性

 

本研究では、高等専門学校、専門学校、進学塾の3機関において、現に学生・生徒に求められている暗記学習の行動促進を目的としたフィールド実験を予定しています。中学生向けの進学塾では英単語学習を、高等専門学校では漢字学習を、専門学校ではIT技術の学習を支援します。
上記のような暗記学習に加えて、以下のような応用が期待されます。

  • 通学や通信教育におけるドロップアウトの予測。また、ドロップアウトが予期される人の支援
  • 暗記学習のみならず、読書の進捗管理など、幅広い活動を対象とした行動促進

研究者の発明

 

  • 上記研究とは別に、ウェブ上から継続的に情報を抽出するスクレイピング技術について国際特許出願中であり、民間企業との産学連携の実績もあります。

連絡先

 

坂本 一憲[アーキテクチャ科学研究系 助教]

exkazuu[at]nii.ac.jp ※[at]を@に変換してください

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