研究シーズ2017情報環境科学

ビッグデータから⾒る社会の相関に関する研究

小出 哲彰情報社会相関研究系 特任研究員

研究分野データマイニング/ビッグデータ/ウェブ

研究背景・目的

私たちの暮らしを取り巻く多様なサービスがウェブやシステムと関連付けられ、暮らしの様子が情報として手に取るように分かるようになりました。そうした情報を用いて、ある宿泊施設の空室状況やバス路線の稼働状況など、特定の個人に関する情報としてではなく資源として、人の流れを観察することが可能になっています。私たちはこのような現実の世界に対する情報空間を探索・構造化することで、これまで観測が難しかった現実世界の振る舞いの予測や課題を解決するための根拠情報として、ビッグデータから得られる情報の利活用、特に観光政策への応用に関する研究を行っています。

研究内容

訪日観光客数が年間2000万人を超えた今、より効果的な観光施策のために簡便にビッグデータを活用できるようにします。ウェブから収集・蓄積されるビッグデータを用いた観光政策の支援として、地域の宿泊施設の稼働状況や観光動線の可視化など、研究開発したものをモジュールとして政策立案者に提供できるよう、ビッグデータの利便性向上に関する研究開発を行っています(図1)。 またWi-Fiなどのシステムに蓄積されるデータを用い、公的統計である訪日観光客数の予測技術の開発を行っています。観光客数に占めるWi-Fiユーザーの割合を逐次推定することで、これまで月次で統計データを参照していた訪日観光客数を、日々蓄積されるビッグデータを元に10%の誤差で推定します(図2)。

17-koide-02.jpg

産業応用の可能性

  • ウェブ予約データのイールドマネジメント、公的統計に基づく意思決定を、ビッグデータと予測技術を用いてリアルタイムに行えるようにするための研究開発
連絡先

小出 哲彰[情報社会相関研究系 特任研究員]
n_koide[at]nii.ac.jp ※[at]を@に変換してください

Recommend

さらにみる