研究シーズ2015情報メディア科学

利用者を通じたリアル空間における情況のセンシング

相原 健郎コンテンツ科学研究系 准教授

研究分野モバイルセンシング/情況/CPS

研究背景・目的

実世界での状況をシステムによって収集し把握するためには、環境側でのセンシングによるマクロな状況把握(e.g. どこにどれくらい人がいるか)と同時に、様々な移動体(人、自動車、もの等)の動きを捉えるミクロな状況把握が必要です。状況把握の目的の多くは人の活動に関わるものと考えられるので、特に実世界における人の活動の捕捉が重要となります。

本研究では、利用者が所有する携帯端末(スマートフォン)上のアプリケーションを利用した利用者行動の把握と情報提供を行うための基盤システムとアプリケーション、および、利用者の状況推定技術の解明を目的として、実フィールドでの実証をベースにした研究を進めています。

研究内容

利用者の内面をも対象とした"情況"の獲得
街なかにおいて携帯端末を用いたサービスは「位置に基づくサービス(Location-Based Service、LBS)」と称されます。ですが、利用者のコンテキストとしては位置だけでは不十分であり、利用者の目的や気分等の内面を含むコンテキストが重要となります。ここではそれを「情況」と呼びます。情況には、他者との関係性等も含まれます。本研究では、情況の獲得を目指し、気分の獲得や推定、利用ログからの他者との関係性の推定等を行っています。

回遊性向上を図るための情報精選技術
地域経済の活性化の観点では、訪問者を増やすとともに、個々の滞在時間の延長等の回遊性向上が重要とされます。ここでは、人間の行動選択において見られる「非合理性」を踏まえ、行動のコスト等を考慮したモデルの提案と、それに基づくシステムの開発をしています。

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産業応用の可能性

  • 経産省やNEDO等のプロジェクトでの実証サービスに適用し応用を指向している
  • 観光分野等での地域活性化等の取り組みで実証を進めている
  • 行動把握は特にマーケティング分野においては有益な情報源として期待される

研究者の発明

  • 特許第4359685号:映像提供装置及び映像提供方法
  • 特願2013-193415(共願):クーポンシステム
連絡先

相原 健郎[コンテンツ科学研究系 准教授]
http://researchmap.jp/aihara/

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