研究シーズ2014情報基盤科学

最先端IT技術者育成プログラム「トップエスイー」

田辺 良則アーキテクチャ科学研究系 特任教授

研究分野技術者教育/ソフトウェア工学/モデリング

研究背景・目的

近年、ソフトウェアの不具合によるトラブルが続出し、ソフトウェアシステムの脆弱さが浮き彫りになっています。ソフトウェアの重要性が増大しているにもかかわらず、労働集約的な開発形態が根強く残り、理論に基づくソフトウェアエンジニアリングが実践されているとは必ずしも言えません。一方、大学においては、現場に適用できる教育が十分になされていないのが現状であり、その結果、深い理論的背景を持つ高度なソフトウェア技術者が育成されていない状況です。そこでNIIでは、高いモデリング能力を持ち、ソフトウェア工学諸分野の最先端のツールや方法論を開発現場で使いこなせるソフトウェア技術者を育成する教育プログラム「トップエスイー」を2006年度より推進してきました。

研究内容

トップエスイーは、トップレベルIT技術者を対象とした、原則として1年間のコースです。受講生は、講義履修と修了制作の2つを行います。講義は、平日夕方と土曜日に行われます。科目数は40以上におよび、図に示す6つの専門コースと共通科目に編成されています。受講生は業務上の必要や興味に応じて自由に講義を選択して受講することができます。教材は、第一線の研究者と企業の現場で働く技術者の協業で作られています。修了制作では、受講生が自らの業務上の課題を抽出し、講義で学んだ技術やアプローチを適用することで課題の解決を図ります。原則として3ヶ月間、専任の担当講師1-2名と行うディスカッションを通して、解を洗練させていきます。学んださまざまな手法・技術が、より一層深く身につくことになります。

詳細はhttp://www.topse.jp/ をご覧になるか、general[at]topse.jp (※[at]を@に変換して下さい)にお問い合わせ下さい。

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トップエスイーの専門コースと科目

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2011年度より毎年、ロンドン大学(University College London)との短期集中合同開発演習を行っています。写真はその様子です。

産業応用の可能性

  • トップエスイーと提携している大学院の博士課程に進んで学位を取る道も
  • 220名以上の修了生が、出身企業内や横断的研究会等で活躍
  • 同業・異業種の技術者やソフトウェア工学研究者との人脈形成
  • 修了後も、引き続き聴講を続けられる制度や、英国UCLとのPBL、各種勉強会に参加可能
連絡先

田辺 良則[アーキテクチャ科学研究系 特任教授]
y-tanabe[at]nii.ac.jp ※[at]を@に変換してください

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