研究シーズ2014情報メディア科学

異種メディアの文化的記憶を連想技術で融合する知識連携基盤

高野 明彦コンテンツ科学研究系 教授

研究分野知識基盤/連想情報学/知識クラウド

研究背景・目的

連想情報学では、人間が無意識に自分の記憶を探って関連情報を想起するように、多様で膨大な電子情報から関連情報を収集整理して、新しい発想を生み出すのに役立つ情報利用環境を追究しています。連想情報学の確立を目指して、情報内容の類似性を高速に計算する連想計算エンジンを独自開発し、それを活用して様々な分野の情報を関連づけて利用する情報サービスを公開しています。

 「信頼できる情報を得やすい社会」の実現のため、図書館、博物館、各種Archivesが記録してきた確かな知識を、人々の日々の暮らしの中で利用可能にすることを目指しています。連想情報学を活用した知識連携基盤の構築を通じて、文化的な記憶が活用される社会の実現に貢献したいと願っています。

研究内容

連想計算エンジン(GETAssoc)
数千万件規模の文書DBのインデックスを保持して、例示による連想検索、関連語抽出等の機能をWebサービスとして実現するミドルウェア。オープンソース形態で無償公開中。いわば、コンテンツの「相互運用化コンパイラ」。Solrの検索プラグイン版もあります。

想・IMAGINEシステム
分散管理されたコンテンツ群の統合利用環境。分割コンパイルされたコンテンツの「動的リンカー」。ユーザや複数の連想計算Webサービス同士を相互作用させる場を提供。

連想する情報サービス
連想検索、関連語抽出(自動要約)、関連性Feedbackを組合せた情報サービス。興味を深掘りしても視野が狭まらず、情報空間に奥行きと安心感を与える対話技法。

未来の読書環境
情報に文脈(コンテキスト)を与える場としての読書環境。情報に自分だけの文脈を発見する場所。連想×書棚。電子絵引き・電子絵巻、年表検索。

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産業応用の可能性

  • 文化情報発信:国内随一のMLA情報基盤を活用した各種情報発信サービス
  • 情報キオスク:お茶ナビ、万世橋Archive、小布施町など地域の記憶提供サービス
  • 展覧会:KS46Wall、徳川美術館Powers of Info、電子絵巻、電子絵引きなど
  • デジタルアーカイブ利用環境:知識基盤利用と読書が一体化したe読書システム
連絡先

高野 明彦[コンテンツ科学研究系 教授]
http://rensou-center.cs.nii.ac.jp/

関連リンク

高野 明彦 - コンテンツ科学研究系 - 研究者紹介

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