情報・システム研究機関 国立情報学研究所



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国立情報学研究所 教員・研究員等  








曽根原   登 / Sonehara   Noboru

情報社会相関研究系教授・主幹


学位  : 

1994年,工学博士,信州大学

専門分野  : 

情報流通システム工学,デジタルメディア工学


詳細情報  :  詳細情報は下記ページを参照ください
http://research.nii.ac.jp/~sonehara/official/content_j.html


新たな情報サービスのための基盤技術と政策を考える
    資源をもたない日本が生き残っていくには、モノだけでなく情報やサービスを海外に売っていかなければ立ち行きません。インターネット経由でのサービスや対価の取れる商品としてパッケージされたコンテンツの発信は始まっていますが、発信元は大手企業に偏っており、商品としても映画や音楽など、最初からがっちりした形があり、権利関係がクリアなものだけが流通しています。でも、これだけでは足りません。私は日本の中小企業や個人がWebサイトやブログで発信しているような、もっと多様で多彩な情報や知識サービスこそが、これから世界に売っていくべき商品だと思っています。こういう情報を世界に売れる商品品質に高め、別な言葉で言えば「品格」 を上げて売りだしたい。そのためにあるべき技術や公共政策は何かを研究しています。

個人や組織がもつ知の流通市場を創る
    今の情報発信主体になっている国内の上場企業はたかだか4500社ですが、中小企業は400万社以上もあり、かなりの量と広がりのある情報をもっています。個人対個人でやりとりされているオークションの情報や良いお店の口コミ情報、さらに言えば茶飲みばなしのようなものも今後はビジネスになるでしょう。
    政府の調査では、消費者を巻き込んだ企業対個人 の取り引き(B to C)と、個人対個人の取り引き(C to C)の総額(実績)はすでに2004年の時点で日本のGDPの1%、金額で6兆円近くになっています。C to Cでやり取りされている情報を商品化していくことで、これを近い将来10兆円規模に伸ばせると思っています。
    私が考えているのは、個人のブログの記事や動画投稿サイトにある作品、商品への評価などの口コミ情報から引き出される智恵や知識など、あらゆるものです。この広大な知識の海から対価の取れる知識を引き出して、うまくまとめ、製品として流通させる市場を創れるのではないか、と考えています。

ブログなどの情報を世界に売れる「コンテンツ」にする
    まず、ブログなどの混沌とした情報から本当に魅力のある商品を生み出す方法を開発しなくてはいけません。そのためには、元になる情報が創られたときから発展・普及する過程を追い、ヒット率などを基準に人気を測り、一定以上になったらその時点から対価を要求するWebコンテンツ、つまり商品に格上げする、といったシステムを創ればよいのではないかと考えています。権利処理も自動化する、あるいは簡単に処理できるような技術や制度も必要でしょう。
    もう1つ、商品とするWebコンテンツの信憑性・信頼性を保証する仕組みも必要です。例えばインターネット上で、ある情報について、その信頼性が何によって保証されているか調べてみると、信頼性の高いサイト同士が互いに密にリンクをしあっている。いわば信頼性のチェーンを創っています。この「信頼性連鎖モデル」をコアにしてコンテンツの信頼性を数量化し評価する「Webコンテンツ信頼性評価フレームワーク」を創りました。こうしたフレームワークを基に情報を商品化して世界に発信するためのインフラ整備は一民間企業が負えるものではなく 、政府が進めるべきです。総務省をはじめ各省が連携する形で「Webコンテンツ信頼性検証サービス」として社会実装をしようとしているところです。

力のあるコンテンツは言葉の壁を越える
    こういう話をするとよく、言葉の壁はどうするのかといわれますが、 本当に力のあるコンテンツは言葉の壁を越えられます。考えてみてください。明治のころ、森鷗外がドイツに留学し独語を勉強したのはなぜか。その当時、世界一医学が発達していたからです。今でも同じことで、進んだ技術に人は集まります。ブログの世界では日本語は4割近くあり、しかも海外から注目されているWebサイトやブログはたくさんあります。潜在的にはもっとたくさん商品化できる情報があるはずで、きちんとした市場化の仕組みさえあれば非常に大きな利益を生み出すと思います。
(取材・構成 齋藤 淳)





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