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活動状況[ イベント参加報告 ]
Society for Integrative and Comparative Biologyの年次大会に参加して

西浦 ミナ子(にしうら みなこ/筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科)

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今回「学会の仕事とその経営を知る」に参加するまで、私は「学会の仕事」についてほとんど何も知らない状態であった。もちろん、セミナー中に紹介があったように、「学会」が「学問や研究の従事者らが、自己の研究成果を公開発表し、その科学的妥当性をオープンな場で検討論議する場である」という程度のことは知っていたわけだが、実際の仕事、衝立の向こう側に関しては、全く見当もつかなかったし、何のイメージも湧かなかった。そんな情けない状態で講演内容が理解できるのか、実は非常に不安な気持ちで会場に向かったのだが、そのような心配は永井氏のお話が始まるやいなやどこかへ消え去ってしまった。現在の学会あるいは学会を取り巻く構図について、歯に衣着せぬ実に明快な口調でご説明くださり、たったの20分で学会の抱える問題を軽く擬似体験した感覚を持った。

その後、日本疫学会の橋本氏、電子情報通信学会の水橋氏、そして日本化学会の林氏のご講演を拝聴し、全ての方がかなり具体的な業務内容を示して下さったことに驚いた。図書館界、出版界、その他様々な業種の方を聴衆として迎える中、ずいぶん勇気を要するタスクだったのではないかと想像する。しかし、これからはこのような勇気、思い切りの良さこそが学会あるいは関連機関の行く末を左右するのかもしれないとも感じた。共通する論点の一つである冊子体からオンラインへ向かう学会誌の今後を考える時、これはもはや学会のみの問題ではおさまらない。学会と接点を持つあらゆる人達が考えていかなければならない問題である以上、内に閉じこもって問題を抱え込むのは逆に不自然であろう。

2時間という短い時間の中で、「知らない世界」のことが頭の中で何となくイメージ出来るほど伝わってきたことは、正直言って予想外であった。知っている人からすれば知らないに等しい情報量しかなかったのかもしれないが、私の中では2時間前とは比較にならないくらい世界が広がり、学会の今後について思いを馳せ始めていた。実際に現場に携わる方しか知りえない情報を外へ向け発信しそれをシェアすることで、様々な立場の人たちの視野が広がり、思いがリンクしていく。それが少しずつ変革への力となってゆくかもしれないと思うと嬉しくてドキドキせずにはいられない。

貴重なお話を下さったご講演者の皆様に心から感謝申し上げたい。


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日程
開催場所
内容
講師(敬称略)
2010年
9月16日(木) 京都大学
数理解析研究所
第4 回 SPARC Japanセミナー2010
「数学におけるデジタルライブラリー構築へ向けて」
(RIMS 研究集会)
主催: 京都大学数理解析研究所
共催: SPARC Japan
尾城 孝一
東京大学附属図書館

高井 昌彰
北海道大学情報基盤センター

我妻 広明
九州工業大学大学院
生命体工学研究科脳情報専攻

小山 幸伸
京都大学大学院理学研究科附属
地磁気世界資料解析センター

9月24日(金) 東京大学
駒場キャンパス
第5 回 SPARC Japanセミナー2010
「日本の学術情報流通 10 年後を見据えて」
(第81回日本動物学会大会)
主催:社団法人 日本動物学会
共催:SPARC Japan
林 和弘
日本化学会学術情報部

尾城 孝一
東京大学附属図書館

植田 憲一
電気通信大学 レーザー
新世代研究センター

【パネリスト】
鈴木 哲也 京都大学学術出版会
斎藤 成也 国立遺伝学研究所
10月 調整中 第6 回 SPARC Japanセミナー2010
「日本発オープンアクセス」
(Open Access Week 10/18 〜 10/24)
調整中
11月8日(月)
11月9日(火)
メリーランド州
ボルチモア
Renaissance
Harborplaceホテル
SPARC Digital Repositories Meeting( デジタルリポジトリ会議) 2010
共催:SPARC / SPARC Europe / SPARC Japan・国立情報学研究所
※詳しくはhttp://www.arl.org/sparc/meetings/dr10をご覧ください。
12月上旬 調整中 第7 回 SPARC Japanセミナー2010
「Harvard 大学OA 方針の状況」
調整中
2011年
1月 調整中 第8 回 SPARC Japanセミナー2010
「著者IDの動向」
調整中

※ SPARC Japanのサイトで最新のイベント情報を確認できます。(http://www.nii.ac.jp/sparc/event/