イベント情報
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2017年(平成29年度)
 

第3回 SPARC Japan セミナー2017
「オープンサイエンスを超えて」

日時

平成30年2月21日(水)10:30-17:00

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場所

国立情報学研究所  12階 1208,1210会議室

イベントは終了しました。
多数のご参加,アンケートご協力ありがとうございました。
当日の発表資料は近日中に公開します。
動画は編集後に再公開いたします。ご了承ください。

更新記録

・Webアンケートの受付を終了しました。(2018/02/23)
講演要旨を追加しました。(2018/02/19)
・お申込み多数により会場の定員に達しましたため,参加申込受付を終了しました。(2018/02/16)
・フライヤーとプログラムを更新しました。(2018/02/09)
参加申込受付を開始しました。(2018/02/02)
プログラムを更新し,講師紹介講演要旨を公開しました。(2018/02/02)
・ウェブページを公開しました。(2018/01/26)

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アウトライン

【概要】

  2003年のブタペスト・オープンアクセス・イニシアチブと2013年のG8オープンデータ憲章は,科学アカデミーからのボトムアップな自主活動とトップダウンの政策提言という互いに交錯しつつも共通の方向を目指し,「オープンサイエンス」の実現を加速する転回点となった。

  しかし,この方向が社会全般にわたるデジタル化の動向と軌を一にするものであるとしても,人類がこれまで営んできた科学という活動の本来のあり方をついに実現しようというのであるのか,それとも,デジタル化といういわば道具の変化が科学活動の本質を変えようとしているものであるかの見極めはついていない。実際,デジタル化とともに学術コミュニケーションの形態は大きく変化し,研究室,教室,「図書館」における知識の生産と伝達の様式は予測不可能なほどに変貌しつつある。

  この変化の中で,我々が向かうべき具体的活動の方向性を明らかにするためには,このセミナーの一日だけでも立ち止まり科学と学術の本来の姿を議論することによって,学術知識の生産に従事する関係者にとっての本筋を見出し,参加者が自らの状況に照らして次に進む一助となることを期待している。

【参加対象者】
研究者,図書館員,URA,学術出版職にある方々

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プログラム

※ 日英同時通訳付き,動画中継あり

司会: 林 和弘 (科学技術・学術政策研究所)

時間

内容

講師

10:30-10:35

開会挨拶

林 和弘
(科学技術・学術政策研究所)

10:35-10:40

概要説明

蔵川 圭
(国立情報学研究所)

10:40-11:25

基調講演

オープンサイエンスを真に理解する:その有益性の潜在力,もろさ,機能的なパフォーマンスの問題,そしていかにして固定化を避けるか。(仮訳)

[講演要旨]

Paul A. David
(Stanford University)

11:25-11:30

休憩

11:30-12:00

基調講演

ICSU-WDSとオープンサイエンス(仮)

村山 泰啓
(情報通信研究機構/ICSU-World Data System)

12:00-12:20

質疑応答・ショートディスカッション

Paul A. David
(Stanford University)

村山 泰啓
(情報通信研究機構/ICSU-World Data System)

12:20-13:20

休憩

13:20-14:05

基調講演

オープンリサーチを可能にするには

[講演要旨]

Heather Joseph
(SPARC North America)

14:05-14:10

休憩

14:10-14:35

デジタル時代の研究プロセスと大学,大学図書館における支援のあり方

[講演要旨]

倉田 敬子
(慶應義塾大学文学部)

14:35-15:00

デジタル化時代の研究者のために図書館が構築すべき学術情報環境

[講演要旨]

市古 みどり
(慶應義塾大学三田メディアセンター)

15:00-15:20

質疑応答・ショートディスカッション

Heather Joseph
(SPARC North America)

倉田 敬子
(慶應義塾大学文学部)

市古 みどり
(慶應義塾大学三田メディアセンター)

15:20-15:35

休憩

15:35-16:50

パネルディスカッション

モデレーターより:
討論への問題提起:オープンサイエンスの知識論を考える

【モデレーター】
深貝 保則
(横浜国立大学大学院 国際社会科学研究院) 

【パネリスト】
Paul A. David
(Stanford University)

村山 泰啓
(情報通信研究機構/ICSU-World Data System)

Heather Joseph
(SPARC North America)

倉田 敬子
(慶應義塾大学文学部)

市古 みどり
(慶應義塾大学三田メディアセンター)

16:50-17:00

閉会挨拶

武田 英明
(国立情報学研究所)

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参加費
無料
参加申込

会場定員に達しましたため,受付は終了いたしました。多数のお申込み誠にありがとうございました。
今回ご参加いただけなかった方は,恐縮ですが終了後に当サイトで公開する資料等をご参照ください。


※申込後,数日経っても返信が届かない場合や,キャンセルご希望の場合は下記へお問い合わせください。
※ご連絡いただいた個人情報は,国立情報学研究所主催イベント等のご案内と開催変更等の緊急連絡に使用いたしますのでご了承ください。

申込期限: 平成30年2月19日(月)

定員: 70名

  •   動画中継を行う予定です。詳細は当日までに,Webサイトにてお知らせします。
     なお会場の通信環境によっては,中継中断の可能性もございますのでご了承ください。
  •   動画中継をご利用の場合はお申し込みの必要はございません。
  •   会場の都合により,申込期限の2/19(月)より前に受付を締め切る場合がございますのでご了承ください。
  •   締め切り後に参加ご希望の方は,恐縮ですが当日の動画中継をご利用いただくともに,終了後に当サイトで公開する資料等をご参照ください。

お問い合わせ先: 国立情報学研究所 学術基盤推進部学術コンテンツ課支援チーム SPARC担当
E-mail co_sparc_all@nii.ac.jp FAX 03-4212-2375

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講師紹介

◇Paul A. David  (Stanford University)

スタンフォード大学経済学名誉教授,同経済政策研究所シニアフェロー。オックスフォード大学経済学・経済史名誉教授,同オールソウルズカレッジ名誉フェロー,オックスフォードインターネット研究所シニアフェロー。これまでに150件以上の雑誌論文を発表し,雑誌編集にも寄与,Technical Choice, Innovation and Economic Growth (1975),The Economic Future in Historical Perspective (2003)を含む複数の図書の著者であり編者である。数量経済史の先駆者のひとりであり,アメリカ経済史,経済歴史人口統計学,科学技術経済学の分野において幅広く貢献してきたことで世界的に知られている。
主な研究テーマは経路依存性(ミクロ・マクロ経済現象における歴史的な出来事の持続的な影響)を生じさせる条件の調査研究である。現代経済政策研究の2つの主な領域は過去20年の彼の成果に置いて明らかになっている。一つは情報技術の標準化とネット業界の進展,もう一つは公共部門における科学研究の資金援助と管理上の法的機関と社会規範の影響,公共と民間部門のR&Dの関係である。最近はフリーオープンソースソフトウェアの組織,性能,実行可能性についての国際研究プロジェクトを率いている。

◇村山 泰啓  (情報通信研究機構/ICSU-World Data System)

国立研究開発法人情報通信研究機構ソーシャルイノベーションユニット戦略的プログラムオフィス研究統括(現職)。ICSU-WDS (World Data System)国際科学委員会ex officio委員,日本学術会議連携会員,国立極地研究所南極観測審議委員会委員および重点観測専門部会長,国立国会図書館科学技術情報整備審議会委員を務める。1999-2006年は北極域アラスカにおける上層大気観測日米共同研究計画の日本側リーダーを務めた。内閣府「国際動向を踏まえたオープンサイエンスの推進に関する検討会」委員,欧州委員会「欧州オープンサイエンスクラウド高級専門委員会」委員,首都大学東京非常勤講師,公益社団法人日本地球惑星科学連合理事,京都大学生存圏研究所客員教授,などを歴任。文部科学大臣表彰科学技術賞受賞(2007年)。京都大学工学博士(1993年)。

◇Heather Joseph  (SPARC North America)

2005年からSPARCエグゼクティブディレクター。就任以来,電子文献,データ,教育資源のオープンシェアリングための新しいモデルづくりを支援することにSPARC事業の重心をおいてきた。その指導力を発揮し,SPARCは効果的なオープンアクセスポリシーと実践を啓発する国際的指導力をもつ団体として広く知られるようになった。ワシントンDCを拠点として,オープン化政策に関する課題に取り組むアメリカ合衆国の政策立案者らのアドバイザーとして日ごろから活動している。Commerce Data Advisory Councilのメンバーとしては,オープンデータに関する政策について米商務長官に助言する立場にある。また国立衛生研究所,2016年オープンデータに関する大統領移行チーム,米国科学アカデミーに対しても同様の役割を担っている。

◇倉田 敬子  (慶應義塾大学文学部)

1987年慶應義塾大学文学研究科博士課程修了。1988年慶應義塾大学文学部図書館・情報学科助手,1993年同助教授,2001年から文学部図書館・情報学専攻教授。専門は学術コミュニケーション,特に情報メディアのデジタル化,オープンアクセス,研究データに関心を持っている。著者に『学術情報流通とオープンアクセス』(勁草書房)など。2008年度日本図書館情報学会賞授賞,2010年科学技術への顕著な貢献2010(ナイスステップな研究者)選定。

◇市古 みどり   (慶應義塾大学三田メディアセンター)

三田メディアセンター事務長。信濃町(医学),理工学および日吉メディアセンター事務長を経て現職。JUSTICE運営委員会委員長。SPARC Japan運営委員会委員。

◇深貝 保則  (横浜国立大学大学院 国際社会科学研究院)

横浜国立大学国際社会科学研究院教授。1983年,東京大学大学院経済学研究科単位修得退学。山形大学,神奈川大学,東京都立大学を経て2005年より横浜国立大学に所属。2014-2015年度に附属図書館長。専門は経済思想史,社会倫理学。2014年に,20年ぶりに日本で開催となった国際功利主義学会大会を主催。存続のオイコノミアなどのテーマに加えて,最近,デジタル・ヒューマニティーズを活かしたアナログ人文知の可能性を考えている。『大学図書館研究』第107号(2017年12月)に「「知」のメディア,科学の制度化,そしてオープンサイエンス(1)」を掲載 (DOI: https://doi.org/10.20722/jcul.1701)。目下はその続編で格闘中……。SPARC Japan 運営委員会委員。

◇蔵川 圭  (国立情報学研究所)

http://researchmap.jp/kurakawa/

◇林 和弘  (科学技術・学術政策研究所)

1995年ごろより日本化学会の英文誌の電子ジャーナル化と事業化を大学院時代のアルバイトを端緒に行う。電子投稿査読,XML出版,J- STAGEの改善,電子ジャーナル事業の確立と宣伝活動など,幅広いフェーズで実務に基づき考察と改善を加え,当該誌を世界最速クラスで発行する電子ジャーナルに整え,2005年にはオープンアクセス対応を開始し,電子書籍(ePub)対応の技術立証も行った。その経験を生かして日本学術会議,SPARC Japanなどを通じて日本発の情報発信をより魅力的にするための活動を行い,電子ジャーナルの将来と次世代の研究者コミュニケーションのあり方についても興味を持つ。2012年より文部科学省科学技術・政策研究所において政策科学研究に取り組んでおり,科学技術予測調査に加えてオープンサイエンスのあり方と政策づくりに関する調査研究に取り組んでいる。現在,内閣府,G7科学技術大臣会合,OECDのプロジェクトにおけるオープンサイエンス専門家として活動。SPARC Japan運営委員会委員。

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講演要旨

◆オープンサイエンスを真に理解する:その有益性の潜在力,もろさ,機能的なパフォーマンスの問題,そしていかにして固定化を避けるか。(仮訳)

   (Paul A. David)

(仮訳)
講演では「オープンサイエンス」の意味する三つの関連するポイントを提出する。それは持続可能な経済成長の為の潜在的機能,現代社会システムが抱える問題の本質と源泉,そしてこれらの問題への解決策をどのように請け合うべきでないか,ということである。科学技術政策についての現代の議論や決定において必須となる基盤を提供したい。
まず,「オープンサイエンス」は機能的に分化していったサブコミュニティの行動的な相互作用に関する多面的でダイナミックなプロセスとしてもっともよく理解されている。ここでいうサブコミュニティとは,教育関係者,理論・経験主義的研究者,読者,著者,評論家,公的・民間研究資金提供機関,出版者,アーキビスト,雑誌・図書編集者,査読者である。これらのサブコミュニティはそれぞれ,国内海外を問わず,まったく外圧や内圧に寄らない,関連した規範となる構造を持つ。この観点で,あるいは少なくとも国際的に,最も一般的になることにより,「オープンサイエンスという規範」は最も明確で親しまれるものとなってきた。結果,個人的規範に忠実な機能的なパフォーマンスの裏側について,また広く認識され歓迎されるべき規範に忠実な相互作用の重要性を概観することから始めることが必要になる。
次に,「オープンサイエンス」のプロセスは,科学資源が,経営規範に従うという意味でミクロレベルで割り当てられるように,マクロ的なレベルでは機能することが求められる。また,資源の割り当てに競争的市場に基づいた能率が,有益なミクロレベルの営みを補足するような分配効果を生み出すことも期待される。一組のサブシステムが,(地球温暖化のように)それらが生み出すかもしれない「負の外部性」によって悩まされないのであれば,相互依存の動きは持続可能な経済成長を生み出すために依存されうる。これを理解することは,科学技術政策の戦略と戦術の選択が寄るべき基盤となる。
最後三つめに,あらゆる人間社会のシステムのように,ゆえに研究室や企業オフィスでも,規範がはっきりと示されるところではどこであっても逸脱した個人の振る舞いが期待される。同様に,機関や組織形成の失敗は社会の法的な組織体のリーダーたちが広める規範的なガイドラインを曲げてしまうことになる。それゆえに一方では犠牲の大きい市場の失敗に対抗する,他方では相互に等しく権限をもったうえでの信頼のための基盤を害することなく,あるいはサブシステムの知識を喚起したり広めたりする機関の内在的な集合的潜在力を圧倒するといったこともないように,個人の科学的な誤った行動の広がりを抑えるという,継続的で集約的な努力を呼び起こすことになる。オープンサイエンスの構造的な特徴は歴史的に進展してきた。また過去制度化された遺産の持続性は機能障害性のある現代の成果の潜在的な源である。のちに,制度化された遺物はしかし,当初の成功と「フリーオープンソースソフトウェア」の社会的受容が‐とりわけ教育的科学的研究活動において‐あらゆる科学的活動においてソフトウェアによるオープン化によってそれらを時代遅れで容易に代替されてしまうようなものにしてしまう,という怪しげなところに軽率にも放り投げられてしまう。オープンサイエンスのプロセスにおける必然的な人間社会の本質を理解することで,オープンサイエンスの枠組みにおける営みの中で我々が直面するいらだたしいパフォーマンスの問題は,「オープンな」コンピューターアルゴリズムの集合体がコミュニケーションや知識共有という人間の役割にとって代わることにより,簡単に「固定化する」ことを可能にしてしまうという性質ではない,という誤った考えをアルゴリズム情報プロセスの限界は即座に払いのける。

◆オープンリサーチを可能にするには

   (Heather Joseph)

世界的に資金提供者は研究プロセスの多くの面での情報公開により重きを置くようになっている。それは文献やデータセットのオープンアクセスを要求することから,プレプリントの活用の促進,オープンピアレビューを活性化するといったことまで,そのようなオープン化を可能にする資金提供が挙げられる。このようなオープン化の活動を支援する政策の採用増により,研究事業を行うあらゆるステークホルダー,つまり個々の研究者から研究機関までが全体として,新しい複雑さを多く抱えることになっている。本講演ではさらに多くのオープンリサーチ事業に向かっている動きが示す挑戦と可能性を探り,移行プロセスを促進しスムーズにするための戦略を提起する。

◆デジタル時代の研究プロセスと大学,大学図書館における支援のあり方

   (倉田 敬子)

多様な情報源の探索,研究データの収集,分析,成果の発表まで,研究者たちの研究プロセスはデジタル化されつつある。大学図書館は従来,研究に必要とされる資料を提供することでその研究活動を支えてきた。学術コミュニケーションにおけるデジタル化とオープンアクセスの進展は,大学図書館のこの役割を縮小させているといえる。大学は大学図書館の予算および研究者たちの経済的基盤を提供することにより,研究活動を支えてきたが,グローバルな競争とオープンサイエンスを志向する国の政策や社会状況の中でより直接的な関与がもとめられてきている。大学図書館,さらには大学というコミュニティは研究者の研究活動をいかに支援できるのか,研究プロセスのデジタル化という観点から考えてみたい。

◆デジタル化時代の研究者のために図書館が構築すべき学術情報環境

   (市古 みどり)

日本の大学図書館の研究支援は主に資料の収集と提供であった。デジタル化が進んだことにより研究者の情報環境は大きく変化し,図書館の業務および研究支援に対する態度も変化がみられる。しかし,オープンサイエンスを図書館が支援するまでには至っていない。図書館,研究者,出版社の現状について経験から概観し,日本の大学図書館が当面進むべき方向性について考えてみたい。

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最終更新日:2018年2月23日