研究背景・目的
インタークラウドとは、複数クラウドを連携させてシームレスな環境を構築し、その上でさまざまな計算やサービスを実現するための技術です。災害時でも安定して業務が継続できるように計らうBCP(Business Continuity Planning、事業継続計画)や、性能保証を可能にする効果が注目を集めています。しかしながら、クラウド間のネットワークの性能や安全性は課題となっていました。国立情報学研究所では、高品質かつ広帯域な学術情報ネットワークSINETを運用しており、国内外のクラウドへ安全かつ広帯域で接続することが可能になってきました。本研究では、クラウドとSINET及び国際間オンデマンド学術ネットワークをシームレスに融合させた、新しい情報基盤の構築を目指しています。
研究内容
- オンデマンド資源確保技術
サービスに応じたクラウド内の計算機、ストレージ、ネットワーク及びクラウド間のネットワークを適切に確保するためのSDI(SoftwareDefined Infrastructure )技術を開発します。特に、クラウド間のネットワークの制御には、NS(I Network Services Interface)と呼ばれる標準インターフェースを用い、SINETと国際的な学術ネットワーク基盤を活用した研究を行っています。 - データ計算基盤のための高信頼性技術
分散データ計算基盤の迅速な障害復旧手法や、大規模並列計算のための耐障害性を備えた分散スケジューラの開発など、信頼性の高いデータ計算基盤の構築に向けた研究開発を行います。 - クラウドアプリケーション開発
センサーデータ解析深層学習処理や災害復旧を想定したクラウド環境全体の自動的な移送など、新しい情報基盤構築に向けたアプリケーション開発と課題の抽出を行っています。
産業応用の可能性
さまざまなセンサー情報や実験データを活用した安全かつ高性能なビッグデータ処理や、複数クラウドを活用した信頼性の高いシステムの構築など、新たなサービスの創出や企業活動を支える情報基盤としても応用が期待されます。
研究者の発明
- 特許第5610397号(共願):資源予約装置及び方法及びプログラム
連絡先
竹房 あつ子[アーキテクチャ科学研究系 准教授]
takefusa[at]nii.ac.jp ※[at]を@に変換してください
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