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2016/05/25

SINET5開通式を開催/全国を100Gbpsで結ぶ超高速学術情報ネットワークの運用を今年度から開始

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII、所長:喜連川 優、東京都千代田区)は5月25日、学術情報ネットワーク「SINET5」の開通式を執り行いました。

NIIは研究と事業を両輪として活動に取り組んでおり、日本の学術情報ネットワーク(Science Information Network:SINET)の構築・運用を担っています。今年4月から運用を始めたSINET5は、全都道府県を100Gbpsの超高速回線で結んで国際回線も増強し、信頼性や機能性を高めた、日本の学術コミュニティーの発展に不可欠なインフラストラクチャーです。

開通式の冒頭、NII所長の喜連川優は「全部の都道府県にノードを置き、フルメッシュでつないだ極めてパワフルなネットワークの運用を開始しました」とあいさつ。日本は平成19年に運用を始めたSINET3で世界に先駆けて通信速度を40Gbpsに引き上げたものの、100Gbps化では欧米に先行されており、喜連川は「ずいぶんと悔しい思いをしました」と振り返り、「ついに100Gbpsのサービスの提供を開始できました」と話しました。SINET5は米国とも100Gbpsでつないだほか、欧州との間にも初めて20Gbpsの回線を整備。欧州原子核研究機構(CERN)などの大型研究施設の多くが欧州に存在しながら、従来は米国経由の通信だったことから、「初めて欧州と接続できるという、極めてシンボリックな時を迎えました」と述べました。そして、超高速で国際回線も増強したSINET5への移行実現に向けてご支援いただいた学術コミュニティーに謝辞を述べました。

続いて、喜連川は「広帯域ネットワークのドライバー(推進力)は、明らかにビッグサイエンス」と指摘。「小林・益川理論」の検証に大きく貢献したBelle測定器や小柴昌俊氏や梶田隆章氏が観測に使用したカミオカンデ、スーパーカミオカンデを例に挙げ、「巨大な実験装置が膨大なビッグデータを生み出します」と話しました。これにより転送されるデータ量の増大が予想されるだけに、「ユーザーニーズは認識しています。従来はネットワークの帯域を調達していましたが、今回はダークファイバ―そのものを調達しました。これにより、両端の伝送装置を変えることで機動的に能力を上げていけます」とSINET5の先進性、柔軟性を強調しました。また、NIIが前日5月24日に発表した、SINET5を模して構築したネットワークで370Gbpsでのデータ転送に成功した実験を挙げ、「100Gbpsで(欧米に)追いついた、ではなく、その一歩先を見据えて研究開発に取り組んでいます」とSINETの更なる進化に向けたNIIの姿勢を説明しました。

また、喜連川は、SINET5は大学・研究機関のクラウド導入促進やサイバーセキュリティーの強化にも大きな役割が果たせると述べました。「クラウドへのシフトは圧倒的なスピードで進んでおり、キャンパスオフトラフィックが重要となります。それを支えるのがSINET5です」と話し、サイバーセキュリティーについては「(複数の)大学にまたがったグローバルなトラフィックでのアクシデントは、NIIがSINET5を通してのみ把握できます。また、高度なサイバーセキュリティー人材も育成していきます」と述べました。

喜連川は最後に「NIIはカッティングエッジなインフラを支える研究所です」と述べて、SINET5開通式のあいさつを締めくくりました。

続いて、冨岡勉 文部科学副大臣より「全国を超高速回線で結んだSINET5の運用開始は、所管する文部科学省としても望外の喜び。学術コミュニティーのみならず、広く社会に貢献することを文部科学省として期待します」とご挨拶をいただきました。また、外科医でもある冨岡副大臣は、開通式前に行われた8K映像の伝送デモの中にあった医療映像に触れ、「(8K映像の伝送も可能なSINET5の超高速回線により、遠隔地でも)精細な手術シーンを見られることは、若い人たち(の教育)に役立つと思いますとSINET5に対する医学教育への貢献に大きな期待を寄せられました。

この後、冨岡副大臣やご来賓の皆様、NII所長の喜連川が参加して開通セレモニーを行いました。

開通式ではこのほか、SINET5移行をご支援くださった学術コミュニティーやネットワーク構築にご尽力いただいた通信事業者の代表の方からご挨拶をいただき、SINET5を活用して最先端研究に取り組む内外の研究機関の方々らに講演いただきました。

冨岡副大臣以外のご来賓、ならびに、キーノートのスピーカー などについては、下記のリンクをご参照下さい。

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