Open Society Institute

機関リポジトリ構築ソフトウェアガイド

第3版
2004年8月

謝辞

Open Society Instituteおよび本文書の著者は、本文書で検討するシステムの以下の代表者に対して感謝の意を表したいと思います。各氏にはここに取り上げた情報を査読していただき、ご意見をたまわりました。
ラヴァル大学のRida BenjellounとGuy Teasdale(Archimede); Seek You Too社のErik Groeneveld(i-Tor); サウサンプトン大学のChristopher Gutteridge (Eprints.org); オランダ科学情報サービス研究所のHenk HarmsenとLaurents Sesink (i-Tor); CERNのJean-Yves Le Meur (CDSware); エッセン大学のFrank Lüzenkirchen (MyCoRe); ティルブルグ大学のThomas PlaceとWilko HaastおよびFred Vos (ARNO); シュトゥットガルト大学図書館のFrank ScholzeとAnnette Maile(OPUS); MITのMacKenzie Smith と Richard Rogers (DSpace); コーネル大学のChris Wilper(Fedora)。

さらに、 Henk Ellerman(エラスムス電子出版イニシアティブ)、InnervationのMartin Feijen (DAREのコンサルタント)、 Susan Gibbons (ロチェスター大学)、Steve Hitchcock(サウサンプトン大学)、Peter Linde(ブレーキンゲ工科大学)、William Nixon (グラスゴー大学) 、Andrew Treloar(モナッシュ大学)、およびLilian van der Vaart (DARE)の各氏からは全般的に貴重な洞察に満ちたご意見をいただきました。

本文書に事実の相違や理解の誤りが残っている場合、その責任は一切著者にあります。

本文書は クリエイティブ・コモンズ(Creative Commons)のアトリビューション―ノーデリブス 1.0(著作(権)者表示―二次的著作物禁止) (http://creativecommons.org/licenses/by-nd/1.0) (ライセンスの日本語訳)によりライセンスされています。OSI は第三者に対し作品の複製、配布、表示および上演を許可します。ただし、利用に際しては著作権者の表示をしなければなりません。なお、OSIが第三者に対し許可する複製、配布、表示および上演は改変されていない原作品についてのみです。原作品に基づく派生作品についてはこれを許可しません。

© 2004, Open Society Institute, 400 West 59th Street, New York, NY 10019


作成者: Raym Crow
Chain Bridge Group
1.703.536.7447   crow@chainbridgegroup.com   www.chainbridgegroup.com


目次


1) はじめに

1.1 本文書の目的

世界中の大学や研究センターで機関リポジトリが盛んに計画・構築されています。その実行には、方針、法律、教育、文化、技術の各側面から検討する必要がありますが、これらの多くは互いに関係しており、リポジトリを成功に導くためにはいずれもないがしろにすることはできません。

Open Society Instituteでは、そうしたリポジトリ構築計画の一側面である、機関のニーズを満たす最適のソフトウェアを選択する際の一助となるように、このガイドを作成しました。各機関のシステムに対するニーズは、コンテンツの提供方針やそれを実現するために必要な様々な管理上および技術上の手続きにより決まるでしょう。それゆえ、この文書は、機関リポジトリの構築に関連する様々な管理上、方針上、計画上の問題について既に熟知している機関向けに作成されています。機関リポジトリで提供される利点および機能の評価を始めたばかりの機関は、このガイドを使用するための背景知識を得るために、まず数多く発表されている関連文献を参照してください。(1)

1.2 本文書の適用範囲

このガイドで検討するソフトウェアは以下の3つの基準を満たすものです。

このガイドで検討するシステム、Archimede、ARNO、CDSware、DSpace、Eprints、Fedora、i-Tor、MyCoRe、OPUSは、すべてこれらの基準を満たしています。これらのシステムを使用することにより独自の開発をすることなく OAI 準拠のリポジトリの完全な枠組みを構築することができます。なお、本文書ではこれらのシステムについて解説しますが、「最適の」システムを特定したり、一つのシステムを推奨したりすることはありません。各機関に最適なシステムは各機関特有の要件にもっともよく合致するシステムでしょう。

システムを解説した章は2つの節からなります。(1) 各システムの概要(2.1 節)では各システムの要点をまとめ、連絡先とさらなる情報へのリンクを提供します。(2)システムの特徴と機能一覧表(2.2 節)ではシステムの具体的な機能についてさらに詳細に解説します。

このガイドで述べるシステムはそれぞれ異なる設計思想と目的に基づいて開発されています。2.1節のシステムの概要では、各システムの設計思想の概要を説明し、そのシステムがどのような種類の運用にもっとも適しているかを示します。2.2節のシステムの特徴と機能一覧表は、これらの異なるシステムの性能を公平に比較するための評価の枠組みを提供しようとしたものです。ただし、一覧表にあげた機能は、これらの機能が機関リポジトリに必須であることを示しているわけではありません。ある機能が重要であるか否かはシステムの全体設計や機関各自の要件に照らして検討すべきものです。

このガイドは利用可能なソフトウェアの概要を説明しているにすぎません。また、これらのシステムは日々開発が進んでいます。ですので、ソフトウェアの開発者自身が提供しているシステムの特徴や機能についてのさらなる情報についても参照するようにしてください。これらの情報へのリンクは、各システムの解説中に紹介されています。

注1: SPARCの機関リポジトリ情報ページではその種の多くの情報を提供しています。http://www.arl.org/sparc/core/index.asp?page=m0を参照してください。
注2: ここで解説するシステムでは、唯一ARNOだけが商用のソフトウェアコンポーネンツ(Oracle)を必要とします。ただし、いくつかのシステムではデータベース管理システム(たとえば、Oracle や DB2)や OS (Windows や Solaris) で商用のソフトウェアの使用がオプションとして用意されています。

2) システムの解説

2.1 システムの概要

Archimede

Arichimedeは、カナダ、ケベック市にあるラヴァル大学図書館で開発されました。Archimedeプロジェクトは、機関に所属する教員や研究職員が生産する電子プレプリントやポストプリントを保存するために計画されました。Archimede機関リポジトリは、ラヴァル大学により既にリリースされていた2つのシステムコンポーネンツを補足するものです。1つは、大学の電子学位論文を管理するシステムであり、もう1つは、電子ジャーナルや電子モノグラフを生産するためのプラットホームを提供するシステムです。

Archimedeは、小範囲の研究者コミュニティのネットワークによるコンテンツ投稿プロセスを組織化するものです。Archimedeは特に多言語による国際化実装をサポートするよう設計されています。システムのユーザインターフェースを記述するテキストはソフトウェアのプログラムとは独立しているので、利用国の言語によるインターフェースの開発が容易です。ArchimedeはUTF-8エンコードを使用しているので、どんな言語にも対応することができます。既に、英語、フランス語、スペイン語によるユーザインターフェースが実装されています。

Archimedeはラヴァル大学が開発した索引化プロセスを使用しており、2種類のドキュメント、(a)XMLによるダブリン・コアレコードと(b)メタデータで記述されるフルテキスト・ドキュメントの索引を1つに統合しています。ドキュメントは、HTML、PDF、MS Word、MS Excel、テキスト、RTFなど、どんな種類でも構いません。Archimedeは、XSLTによる変換機能を使うことにより、複数の種類のメタデータによるインポート・エクスポートをサポートしています。

Archimedeは、多くのJavaオープンソース・テクノロジーを使って開発されているので、多くのOS(Windows、Linuxなど)上で稼動し、JDBCに準拠する多くの種類のデータベースシステムを使用することができます。この特徴により、Archimedeは各機関の既存のインフラ上に容易にインストールすることができます。

連絡先
Rida Benjelloun
Chef of Digital Development Section
Project Coordinator and Supervisor
Laval University Library
Pavillon Jean-Charles-Bonenfant
Laval University
Québec, Canada
G1K 7P4
rida.benjelloun@bibl.ulaval.ca
+418-656-2131 ext. 2090
http://archimede.bibl.ulaval.ca/
補足情報
ArchimedeソフトウェアはまもなくSourceForgeから入手できるようになります。

ARNO

ARNO(Academic Research in the Netherlands Online)プロジェクトは、機関リポジトリの構築をサポートし、それを(オランダの国内情報インフラストラクチャだけでなく)世界中に存在するリポジトリと結びつけるソフトウェアを開発しました。プロジェクトはIWI(オランダ語による「科学情報提供における革新」の頭字語)による助成を受けています。プロジェクトには、アムステルダム大学、ティルブルグ大学、トゥエンテ大学が参加しています。システムは2003年12月に公開され、現在、アムステルダム大学、マーストリヒト大学、ロッテルダム大学、ティルブルグ大学、トゥエンテ大学で使用されています。

ARNOの設計目標は、ここで解説する他のリポジトリシステムとは異なっています。ARNOはOAI準拠のアーカイブあるいはリポジトリを作成、管理、公開するための柔軟なツールを提供するために設計されています。ARNOは、エンドユーザによる投稿だけでなく、リポジトリコンテンツの中央集権的な作成・管理もサポートしています。

OAI-PMHモジュールは、標準的な(限定子付きの)ダブリンコア・フォーマットによるメタデータを提供するだけにとどまらず、ARNO独自のXMLによる内部データ構造とXSLTスタイルシートに基づく変換エンジンを提供することで、任意のフォーマットでメタデータを提供することができます。ARNOが持つその他の機能としては、複数バージョンのファイルを保存する機能、(たとえば、プレプリントや研究報告書のシリーズで、発表禁止を設定するなど)シリーズを管理する機能、LDAPとのインターフェースが挙げられる。

ARNOはコンテンツ管理ツールとして大きな柔軟性を提供しますが、それ自身で完結する「既製品としての」機関リポジトリシステムは提供していません。ツールボックスアプローチで言えば、ARNOシステムはエンドユーザ検索機能を持つエンドユーザインターフェースを提供していません。これらのサービスを提供するためには、ARNOの利用者はサードパーティのソフトウェア(たとえば、iPortやi-Tor)を使用する必要があります。

機関リポジトリをサポートするために必要なシステムの機能以外にも、インフラとしてのARNOはその単純で柔軟なデータモデルと共に、他のサードパーティシステムと容易に結合できる可能性を持っています。

連絡先
Thomas W. Place
Tilburg University
PO Box 90153, 5000 LE Tilburg
The Netherlands
+31 13 466 2474
T.W.Place@uvt.nl
http://www.uba.uva.nl/arno
補足情報
ARNOソフトウェアは、<http://arno.uvt.nl/~arno/arnodist/>から入手できます。

CERN Document Server Software (CDSware)

CERN Document Server Software (CDSware) は CERN Document Serverを運用するために開発されました。このシステムは CERN(欧州合同素粒子原子核研究機構)により保守され、一般に公開されています。このシステムは電子プレプリントサーバやオンライン図書館目録、その他のWebベースのドキュメントデポジトリシステムを支援するものです。CERNでは CDSware を使用して、55万件をこえる書誌レコードと、プレプリントや雑誌論文、書籍、写真を含む 22万件のフルテキストドキュメントからなる 350 をこえるデータコレクションを管理しています。

CDSwareは、コンテンツ投稿、品質コントロール、発信に対する多くの研究ユニットの要件を満たすように設計されました。それゆえ、システムは複数のワークフロープロセスや1コミュニティに複数のコレクションを持つことができます。また、私用および公開用のバスケット/フォルダーや個人別メール・アラートなどのカスタマイズ機能があります。

CDSware はマルチメディアコンテンツ目録や博物館収蔵品目録、機密文書や公開文書などといった様々な種類の資料を所蔵する非常に大規模なリポジトリ向けに作成されました。各リリースバージョンは CERN という厳しい環境下で実際にテストをされてから一般に公開されています。

連絡先
Jean-Yves Le Meur 
CERN 
CH-1211 
Geneva, Switzerland 
jean-yves.le.meur@cern.ch 
+41-22-7674745 
http://cdsware.cern.ch
補足情報

CDSware関連の二つのメーリングリストがあります。

CDSWareソフトウェアは、<http://cdsware.cern.ch/download/>から入手できます。

DSpace

MITのDSpaceは特に多くの学問分野を擁する研究組織の知的生産物を保存すデジタルリポジトリとして作成されました。MITはHewlett-Packard社と共同で2000年3月から2002年11月にかけてシステムを設計しました。バージョン1.2は2004年4月にリリースされています。DSpaceはMITにおける実働サービスとして運用されており、さらにこのシステムを採用した世界中の大規模研究施設からなる共同体が形成されつつあります。

DSpaceはユーザコミュニティ指向をシステム構造に取り入れており、専門大学院や学部、研究センター、大規模研究施設によく見られるその他の組織の参加を容易にしています。これらのコミュニティの要件はそれぞれ異なる場合があるので、DSpaceではシステムのワークフローやポリシー関連の設定を変更可能にすることで、各コミュニティ独自のコンテンツやユーザ認証、知的所有権問題に対処するようにしています。

この分散化されたコンテンツ管理法の採用とデジタル保存計画を支援する統合化されたツールによって、DSpaceは大規模機関が設置するリポジトリを管理するシステムとしてふさわしいものになっています。

DSpaceはまた投稿された研究資料の長期保存の問題にも焦点をあてており、DSpaceを採用した多様な機関でこの問題について活発な研究と開発がなされています。これにより、将来的にはDSpaceは、機関リポジトリのコンテンツを管理運営するだけでなく、アーカイブのように長期にわたってコンテンツを保管するサービスも提供できるようになるでしょう。

連絡先
MacKenzie Smith 
Associate Director for Technology 
MIT Libraries 
Building 14S-208 
77 Massachusetts Avenue 
Cambridge, MA USA 02139 
kenzie@mit.edu 
(617) 253-8184 
http://www.dspace.org/ 
補足情報
DSpaceソフトウェアは、>http://www.dspace.org/resource/start.html>から入手できます。

Eprints

Eprintsソフトウェアは、このガイドで紹介するリポジトリ構築システムのうち、もっとも多くかつ広くインストールされているシステムです。サウサンプトン大学(3)で開発され、最初のバージョンは2000年末に一般公開されました。プロジェクトは、初めCogPrintsがスポンサーとなり、現在は、Open Citationプロジェクトの一つとしてJISCの支援を受けています。またNFSの支援も受けています。

世界中でインストールされているEprintsには新規利用機関をサポートする大規模なネットワークが形成されています。Eprintsのインストール数が多いことは、Eprintsが比較的短期間でシステムを立ち上げて運用することができ、専門家の手を煩わす手間も最小限で済むことを示唆しています。また、たとえば詳細検索や拡張版メタデータの利用などの機能を統合することでシステムの基本機能を向上させているインストール例が多いことは、Eprintsが利用機関の要件にあわせて容易に変更できることを示しています。

連絡先
Christopher Gutteridge 
Department of Electronics and Computer Science 
University of Southampton 
SO17 1BJ 
United Kingdom 
cjg@ecs.soton.ac.uk 
+44 (0)23 8059 4833 
http://software.eprints.org 
補足情報
Eprintsソフトウェアは、<http://software.eprints.org/download.php>から入手できます。

注3: Eprintsは(Matt Hemusにより開発されたCogPrintsに基づいて)Rob Tansleyにより開発されました。以後、Christopher Gutteridgeにより改良・保守されています。

Fedora

Fedoraデジタルオブジェクトリポジトリ管理システムは、「柔軟で拡張性のあるデジタルオブジェクトおよびリポジトリアーキテクチャ(Flexible Extensible Digital Object and Repository Architecture [Fedora])」に基づいています。システムはフル機能の機関リポジトリやその他の相互運用可能なWebベースのデジタル図書館を構築する基礎となるように設計されています。

Fedoraはバージニア大学とコーネル大学が共同で開発し、Fedoraアーキテクチャを実装し、リポジトリ管理を容易にするユーティリティを追加しています。Fedoraの現行のバージョンは100万件のオブジェクトを効率的に処理することができるリポジトリを提供しています。次期バージョンでは、ポリシーの適用、オブジェクトのバージョン管理、非常に大規模なリポジトリを支援するための処理力増強など機関リポジトリの実装に必要な機能を追加する予定です。

システムのインターフェースは、以下の3つのWebベースのサービスで構成されています。

Fedoraは「提供されたままの」デフォルトの設定を使用する単純なリポジトリから、高度にカスタマイズされたフル機能の分散型のデジタルリポジトリまで、様々なレベルのリポジトリをサポートします。

連絡先
 
Ronda Grizzle
Technical Coordinator, Fedora Project
Digital Library Research & Development
University of Virginia
Charlottesville, VA USA 22903
rgrizzle@virginia.edu
http://www.fedora.info
補足情報
Fedoraソフトウェアは、<http://www.fedora.info/release/1.2.1/>から入手できます。

i-Tor

i-Tor (Tools and technologies for Open Repositories)はオランダ科学情報サービス研究所(NIWI(4))の革新的技術応用(IT-A)部門で開発されました。i-Torの開発は、電子出版、リポジトリ、コンテンツ管理システム、「共同作業機能」の4分野に重点を置いています。NIWIではi-Torを、ユーザが様々な種類の情報をデータの保管場所や保存形式に関係なくWebインターフェースを通じて提供することができるWebベースの技術として提供しています。i-Torでは、コンテンツとユーザインターフェース機能がシステム上で独立している「データに依存しない」リポジトリを構築することを目的としています。手短に言うと、i-Torは、OAI互換のリポジトリや他のデータベースからデータを収集するOAIサービスプロバイダ、およびデータを提供するOAIデータプロバイダの両プロバイダとして機能するシステムです。

i-Torは多くのリレーショナルデータベース、ファイルシステム、Webサイトのデータを公開することができるので、リポジトリの組織法に関して利用機関には高い自由度が与えられます。リポジトリのために新たにデータベースを作成することもできますし、既存のリレーショナルデータベースを使用することもできます。さらに、i-Torは研究者個人のホームページから直接データを収集する機能もサポートしています。また、システムはエンドユーザがWebブラウザーを通してコンテンツを追加することができるよう設計されており、ソフトウェア開発者を介在させる必要がありません。

このような設計であるので、i-Torはグループやサブグループに特定のワークフローを強制しません。i-Torは各機関で必要なワークフローを設定するツール(たとえばきめ細かいセキュリティ機能や通知機能)を提供するだけで、各機関で必要なワークフローをi-Torのシステム自体に組み込むことはしていません。i-Torはその設計により、既存の種々のデジタルリポジトリの上に新たにリポジトリを設けたいと願う機関にとって望ましい選択となるかもしれません。

連絡先
 
Henk Harmsen 
Head of Operational Management 
Netherlands Institute for Scientific Information Services 
henk.harmsen@niwi.knaw.nl
+31 20 462 8605 
http://www.i-tor.org/en/toon 
補足情報
i-Torソフトウェアは、<http://sourceforge.net/projects/i-tor/>から入手できます。

注4: http://www.niwi.knaw.nl/を参照。

MyCoRe

MyCoReはエッセン大学のMILESSプロジェクトから派生したもので、現在複数の大学からなるコンソーシアムで開発中です。MyCoReはデジタルライブラリとアーカイブソルーション(すなわちコンテンツリポジトリ(Content Repositories)、だから「CoRe」)を支援するソフトウェアツール群を提供するものです。システムは設定変更可能で利用機関の要件に対応できるように設計されており(ゆえに、「My」)、利用機関でプログラムする必要はありません。

限定子付きのダブリンコアデータモデルをプログラムに書き込んだMILESSとは対照的に、MyCoReのデータモデルは完全に設定変更が可能です。さらに、MyCoReでは「コア」機能を使用したサンプルアプリケーションを提供しており、これにより利用機関はメタデータ設定ファイルを使って利用機関独自のアプリケーションをどのように構築するかを知ることができます。コア機能にはリポジトリを構築するために必要なすべての機能、たとえば、地理的に分散された複数のMyCoReリポジトリに対する横断検索機能、OAI準拠機能、オーディオ/ビデオ・ストリーミングサポート機能、ファイル管理機能、オンラインメタデータ編集機能など、を含みます。実装にあたっては、利用機関独自の要件を満たすためにコア機能をカスタマイズすることができます。

MyCoReは特定のデータベースの専用システムではありません。永続化層(persistence layer)インターフェースが提供されており、複数の異なるデータベースにより実装することができます。オープンソースデータベースシステムによる実装に加えて、非常に大規模なリポジトリで利用される可能性のある商用のIBM Content Managerシステムもサポートされています。

連絡先
Frank Lüzenkirchen 
Technical Contact 
Essen University Library 
University of Duisburg-Essen 
Universitätsstraße 9-11 
45141 Essen, Germany 
luetzenkirchen@bibl.uni-essen.de 
+49-(0)201-183-2124 
http://www.mycore.de/engl/index.html 
補足情報
MyCoReソフトウェアは、<http://www.mycore.de/engl/index.html>から入手できます。

OPUS

OPUS(Online Publications of the University of Stuttgart(5))は、1998年にシュトゥットガルト大学附属図書館および計算機センターで開発されました。プロジェクトの当初の目的は、大学に所属する教員、学生、職員が自らの出版済あるいは未出版の研究論文や学位論文などの電子出版物を管理することのできるシステムを提供することでした。

OPUSソフトウェアは現在ではドイツのおおよそ35の大学で各大学の構成員の電子出版物を管理するために使用されています。また、システムはドイツ国内の参加機関(すべての機関がリポジトリプラットホームとしてOPUSを使用しているわけではありません)にあるメタデータの検索をサポートしています(6)。OPUSはほとんどの場合、各機関の図書館により管理・運用されていますが、大学出版局や計算機センターと共同で行っている機関もあります(7)。また、少なくとも1ヶ所の主題リポジトリでOPUSが使用されています(8)

ドイツ研究ネットとドイツ連邦高等教育省の助成を受けた当初の開発プロジェクトは1998年10月に終了しました。継続中のOPUSの開発は現在シュトゥットガルト大学の助成を受けています。今後の開発の中心となる機能にはデジタル署名やマルチメディアドキュメントがあります。

OPUSのインターフェースやドキュメントは主にドイツ語で書かれており、現在のところソフトウェアの実装はすべてドイツで行われています。それゆえ、ドイツ語を話す国においてリポジトリを実装する際には、このシステムは魅力があると思われます。

連絡先
Frank Scholze
Subject Specialist and Head, Public Services Department
Stuttgart University Library
University of Stuttgart
Holzgartenstrasse 16, D-70174, Stuttgart, Germany
scholze@ub.uni-stuttgart.de
+49 (0)711/121-2269

あるいは、

Annette Maile
Stuttgart University Library
University of Stuttgart
Holzgartenstrasse 16, D-70174, Stuttgart, Germany
maile@ub.uni-stuttgart.de
+49 (0)711/121-4189
http://elib.uni-stuttgart.de/opus/doku/english/index_english.php
補足情報
OPUSソフトウェアは、<http://elib.uni-stuttgart.de/opus/doku/english/index_english.php>から入手できます。

注5: シュトゥットガルト大学以外の実装のために、OPUSはしばしば、Online Publications Systemの頭字語だとされます。
注6: <http://elib.uni-stuttgart.de/opus/gemeinsame_suche.php>を参照。
注7: たとえば、ワイマール大学での共同実装<http://e-pub.uni-weimar.de>を参照。
注8: 心理学研究のための汎研究所デジタルリポジトリはザールブリュッケン図書館とZPID(トリアー大学にあるドイツ語圏諸国のための心理学情報研究所)により共同で運営されています。 <http://psydok.sulb.uni-saarland.de/>を参照。

まとめ

「はじめに」で述べたように、各システムは開発した機関の元々の要件を反映した設計思想からできています。Archimedeは特に多言語による実装をサポートするよう設計されました。 ARNOはメタデータを集中管理するシステムを提供します。CDSwareは様々な種類の資料を保管する非常に大規模なリポジトリを処理します。DSpaceはコミュニティ単位のコンテンツポリシーや投稿プロセスをサポートし、また、投稿されたデジタルオブジェクトの保存をサポートするツールを提供します。Eprintsは簡単で便利なリポジトリシステムを提供しており、大きくて活発なユーザコミュニティを擁しています。Fedoraは非常に大規模なリポジトリを実現することのできるフル機能のデジタル図書館システムを提供します。i-Torは複数のデータベースに存在するコンテンツに統一的にアクセスし表示することのできる環境を構築するためのツールキットを提供します。MyCoReは様々なデジタルライブラリやリポジトリデータベースをサポートするための柔軟性や設定変更能力を強調しています。OPUSはドイツにおいて多様な数多くのユーザを得ています。もう一度言いますが、リポジトリを構築する機関が持つ独自の要件により、機関のニーズをもっとも良く満たすシステムが決まることになります。

2.2 各システムの特徴および機能一覧表

機能ArchimedeARNOCDSwareDspaceEprintsFerorai-TorMyCoReOPUS
技術仕様
1.0 標準準拠
1.1 サポートするOAI-PMHの版 OAI-PMH 2.0 OAI-PMH 2.0 OAI-PMH 2.0 OAI-PMH 2.0 OAI-PMH 2.0 OAI-PMH 2.0 OAI-PMH 2.0 OAI-PMH 2.0 OAI-PMH 2.0
1.2 Z39.50対応 いいえ いいえ いいえ いいえ いいえ いいえ いいえ いいえ1 いいえ
1.3 ソースライセンス1 GNU GPL TBD GNU GPL BSD GNU GPL MPL GNU GPL GNU GPL BSD1
1.4 最新版リリース日 2004年5月 2003年12月 2002年8月 2004年4月 2002年3月 2004年4月 2004年4月 2003年10月 2003年11月
1.5 最新版次 1.0 1.0 0.0.9 1.2 2.3.6 1.2.1 niwi-2004-04-19 0.9 2.0
2.0 ハードウェア
2.1 最小限のハードウェア要件2 特別な要件なし 特別な要件なし 特別な要件なし1 特別な要件なし1 特別な要件なし 特別な要件なし 特別な要件なし 特別な要件なし2 特別な要件なし
2.2 SANサポート3 なし なし なし あり あり あり あり なし なし
3.0 ソフトウェア
3.1 (検証済の)OS Linux/Windows Linux/Solaris Linux/Solaris UNIX/MacOSX/Windows2 GNU/Linux/Solaris1 Unix/MacOSX/Windows1 Linux/Windows AIX/Windows/Linux/Solaris Linux/Solaris/AIX/IRIX
3.2 プログラム言語 Java Perl Python/PHP Java Perl Java Java Java PHP
3.3 データベース 様々1 Oracle 8i1 MySQL PostgreSQL/Oracle3 MySQL MySQL/McKoi/Oracle2 MySQL, Oracle, SQL Server, Berkeley database MySQL, PostgreSQL; XML:DB準拠;商用DB3 MySQL2
3.4 Webサーバ 任意 Apache Apache/PHP, Python 任意4 Apache 1.32 Tomcat 4.1 Jetty Apache 任意
3.5 Javaサーブレットエンジン 任意2 該当なし 該当なし 任意4 該当なし Tomcat 4.1 Jetty 任意4 該当なし
3.6 検索エンジン Lucene 該当なし2 cdsware2 Lucene 該当なし データベース3 Lucene JDBCおよびXML:DB経由 htDig3
3.7 その他 Lius, OAICat, Torque, Struts 該当なし WML(Website META Language) OAICat, SRW 該当なし 該当なし 該当なし Apache Ant 該当なし
4.0 サポートするクライアント 少なくともCSSとJavaScriptをサポートするすべてのブラウザ 少なくともCSSとJavaScriptをサポートするすべてのブラウザ HTML 4.0を解するすべてのクライアント すべてのWebブラウザ Netscape, Mozilla, IE, Lynx3 WebブラウザとSOAPクライアント Netscape, Mozilla, IE すべてのWebブラウザ すべてのWebブラウザ
5.0 必要なスタッフ4
5.1 UNIXシステム管理者 構築の際に必要3 必要3 必要 必要 必要 構築の際に必要4 推奨1 推奨 必要
5.2 Javaプログラマ 推奨 不要 不要 推奨 不要 推奨 不要 推奨5 不要
5.3 Perlプログラマ 不要 推奨 不要 不要 推奨4 不要 不要 不要 不要4
5.4 Pythonプログラマ 不要 不要 不要3 不要 不要 不要 不要 不要 不要
6.0 インストール実績
6.1 インストール数 1 7 7+4 20+5 1405 205 30 106 37
6.2 利用地域 カナダ オランダ ヨーロッパとアメリカ5 世界中 世界中6 世界中6 オランダ ドイツとスウェーデン ドイツ
機能ArchimedeARNOCDSwareDspaceEprintsFerorai-TorMyCoReOPUS
リポジトリおよびシステム管理
7.0 インストール
7.1 自動インストールスクリプト あり あり あり あり あり あり あり あり あり5
7.2 システム更新スクリプト あり あり あり あり6 あり7 あり あり CVSリポジトリ経由 あり5
7.3 カスタマイズ内容を維持したままでのシステムアップグレード5 あり あり4 あり あり あり8 あり あり あり7 あり
8.0 モジュールレベルAPI6 あり4 なし あり6 あり7 あり あり7 あり2 あり なし
9.0 ユーザ登録、認証およびパスワード管理
9.1 パスワード管理 あり あり あり あり あり あり あり なし なし
9.1.1 パスワードのシステム付与 あり なし あり7 あり なし なし なし なし あり6
9.1.2 パスワードのユーザ指定 あり あり あり あり あり あり あり なし なし
9.1.3 忘失パスワード対応7 あり あり5 あり あり あり なし なし なし なし
9.2 ユーザ登録検査/その他のセキュリティ機構8 データベーステーブル LDAPあるいはARNOレジストリ MySQLテーブル/Apache ACL email/X.509 MySQLテーブル9 なし LDAP, A-Select3 RDBMSテーブル なし
9.2.1 ユーザプロファイルの編集 あり なし あり あり あり なし あり   なし
9.3 ユーザ種別によるアクセス制限9 あり あり あり あり あり あり8 あり あり なし
9.4 複数のユーザ認証方式10 なし あり あり あり なし あり9 なし3 計画中 なし7
9.5 ファイル/オブジェクト単位のアクセス制限11 あり あり あり あり あり なし10 あり なし なし
10.0 コンテンツ登録管理
10.1 同一システムでの複数コレクションの定義12 あり あり あり8 あり あり あり あり あり あり
10.1.1 コレクション毎に異なる登録パラメタの設定13 なし あり あり あり なし あり11 あり なし なし
10.1.2 コレクション毎のホームページ管理 あり なし あり9 あり なし あり あり なし あり
10.2 登録処理の状態14 保留、承認   投稿、変更、改訂、承認、など10 整理、保留、承認   受入、作成、変更、再開、休止 あり4 なし1 投稿、改訂、承認
10.2.1 隔離された登録作業空間15 あり あり あり あり あり10 あり あり4 なし なし7
10.2.2 登録処理の役割16 管理者、コミュニティ管理者、利用者 貢献者、編集者、管理者、サイト管理者 投稿者、仲裁者、査読者、是認者、管理者 投稿者、査読者、是認者、編集者 利用者、編集者、管理者11 管理者 あり4 なし 利用者、管理者
10.2.3 コレクション単位で個別に登録処理の役割を設定17 あり あり あり あり   なし あり4 なし なし
10.3 登録支援機能
10.3.1 投稿者へのemail通知18 あり ユーザ登録時のみ あり9 あり あり なし あり なし あり
10.3.2 コンテンツ管理者へのemail通知19 あり あり あり9 あり あり なし あり なし あり
10.3.3 登録済ユーザの個人専用システムアクセス20 あり あり あり あり あり なし あり なし なし
10.3.3.1 保留中コンテンツの表示21 あり あり あり あり あり なし あり4 なし なし
10.3.3.2 承認済コンテンツの表示22 あり あり あり あり あり なし あり なし なし
10.3.3.3 保留中コンテンツ管理作業の表示23 あり あり あり あり   なし あり4 なし あり
10.3.4 配布ライセンスの管理24
10.3.4.1 配布ライセンスの要求25 なし なし なし あり なし あり12 なし なし あり
10.3.4.2 コンテンツと配布ライセンスの保存26 なし なし なし あり なし12 あり なし なし なし
11.0 システム作成の利用統計および報告書
11.1 利用統計作成27 なし あり なし11 あり なし13 あり13 あり5 なし あり
11.2 利用報告書作成28 なし なし なし あり なし なし14 あり なし あり8
機能ArchimedeARNOCDSwareDspaceEprintsFerorai-TorMyCoReOPUS
コンテンツ管理
12.0 コンテンツ入出力
12.1 圧縮ファイルのアップロード あり あり あり あり8 あり あり あり なし1 あり
12.2 URLからのアップロード なし あり あり なし あり あり あり6 なし1 なし
12.3 オブジェクトの一括入力29 あり あり あり あり あり あり あり あり あり9
12.4 メタデータの一括入力30 あり あり あり あり あり あり あり あり あり9
12.5 一括出力/コンテンツ可搬性31 あり あり あり あり あり あり あり あり あり
13.0 ドキュメント/オブジェクトフォーマット
13.1 承認ファイルフォーマットの設定32 なし5 あり あり あり あり なし15 あり4 なし あり
13.2 入力可能なファイルフォーマット33 すべて すべて すべて12 すべて すべて14 すべて すべて すべて すべて
13.3 投稿アイテムに複数のファイルフォーマットを認める34 はい はい はい はい はい はい はい はい はい
14.0 メタデータ
14.1 サポートするメタデータスキーマ35 限定子付きダブリンコア ダブリンコア Marc21規格 限定子付きダブリンコア ダブリンコア ダブリンコア 任意 限定子付きダブリンコア8 限定子付きダブリンコア
14.2 拡張されたメタデータのサポート36 なし あり あり カスタマイズ可能 あり あり 任意 任意9 あり
14.3 メタデータの査読サポート37 あり あり あり あり 受付、編集、差戻し(要変更)、削除 なし あり4 なし あり
14.4 メタデータ出力38 あり あり OAI-Marc出力 METSおよびカスタムXMLスキーマ カスタムXMLスキーマ あり あり あり あり
14.5 メタデータハーベスティングの禁止39 あり あり あり あり あり あり あり あり なし
14.6 メタデータフィールドの追加・削除 あり あり あり あり あり あり あり あり あり
14.7 メタデータのデフォルト値設定40 なし あり あり あり   なし あり   あり
14.8 Unicode文字セットのサポート あり 部分的6 あり あり あり あり あり あり なし
15.0 受理されたコンテンツの即時更新・索引付け あり なし あり あり あり15 あり あり あり あり10
機能ArchimedeARNOCDSwareDspaceEprintsFerorai-TorMyCoReOPUS
データ公開(ユーザインターフェースと検索機能)
16.0 ユーザインターフェース
16.1 インターフェースの「ルック&フィール」の変更41 あり あり7 あり あり10 あり16 あり あり あり あり
16.2 静的/動的Webページへのカスタムヘッダ・フッタの適用 あり なし あり13 なし あり あり あり あり あり
16.3 多言語インターフェースのサポート あり なし あり あり あり あり あり あり なし
16.4 エンドユーザ用ドキュメントフォルダ42 あり なし あり なし なし なし あり   なし
16.5 ディスカッションフォーラムのサポート43 なし なし なし14 なし あり17 なし あり なし なし
17.0 検索能力
17.1 フルテキスト検索44 あり6 なし2 あり あり11 なし18 なし あり あり あり
17.1.1 論理演算 あり なし あり なし なし なし あり なし あり
17.1.2 トランケーション/ワイルドカード45 あり なし あり なし なし なし あり あり なし
17.1.3 ステミング検索(Word stemming)46 あり なし なし なし なし19 なし なし あり あり
17.2 全メタデータ検索47 あり なし あり あり あり あり16 あり あり あり
17.2.1 論理演算 あり なし あり あり なし なし あり あり あり
17.2.2 トランケーション・ワイルドカード あり なし あり あり なし あり あり   あり
17.2.3 ステミング検索(Word stemming) あり なし なし あり なし なし あり あり なし
17.3 指定したメタデータフィールドの検索48 あり なし あり あり あり あり あり あり あり
17.4 ブラウズ
17.4.1 著者によるブラウズ あり なし あり あり あり20 あり17 あり7 あり なし11
17.4.2 タイトルによるブラウズ あり なし あり あり あり20 あり あり7 あり なし
17.4.3 日付によるブラウズ あり なし あり あり あり20 あり あり7 あり なし
17.4.4 主題によるブラウズ あり なし あり なし あり20 あり あり7 あり あり
178.4.5 コレクションによるブラウズ あり なし あり あり あり20 あり あり7 あり あり
17.5 検索結果のソート
17.5.1 著者によるソート なし なし あり なし あり なし あり あり なし
17.5.2 タイトルによるソート なし なし あり なし あり なし あり あり あり
17.5.3 日付によるソート なし なし あり なし あり なし あり あり あり
17.5.4 適合率によるソート あり なし なし なし なし なし あり   あり12
17.5.5 その他のソート なし なし 任意のメタデータフィールドによるソート なし あり21 なし あり7 あり なし
18.0 Googleあるいは他の検索エンジンによる索引付け49 可能 可能8 可能15 あり 可能 可能18 あり 可能 あり
機能ArchimedeARNOCDSwareDspaceEprintsFerorai-TorMyCoReOPUS
アーカイブ化
19.0 永続的なドキュメント識別50
19.1 識別子のシステム付与 あり あり あり あり あり あり19 あり あり あり
19.2 CNRIハンドル51 なし なし なし あり なし なし なし なし10 なし13
20.0 データ保存のサポート
20.1 定義されたデジタル保存戦略52 あり なし9 あり16 あり なし あり あり なし1 一部あり14
20.2 保存用メタデータのサポート(14.2参照)53 あり あり あり17 あり なし あり なし3 なし1 一部あり14
20.3 データ保全性検査 なし なし なし MD5チェックサム MD5チェックサム SIPスキーマ検証 あり MD5チェックサム なし
21.0 オブジェクト履歴とバージョンコントロール バージョン管理システム メタデータおよびオブジェクトの両者にバージョン管理システム バージョン管理システム ABCハーモニーデータモデル いくつかあり 1系列20 なし10 なし1 なし
機能ArchimedeARNOCDSwareDspaceEprintsFerorai-TorMyCoReOPUS
システム保守
22.0 システムサポート
22.1 ドキュメント/マニュアル あり あり10 あり あり あり あり あり あり あり
22.2 メーリングリスト あり あり あり あり あり あり あり あり あり
22.3 バグ追跡/仕様追加リクエストシステム あり7 なし あり あり12 なし あり あり11 なし なし
22.4 正式なサポート/ヘルプデスク なし なし 有料 なし なし22 あり なし なし なし

システムの特徴と機能に関する注記

1) 本文書で検討したシステムのほとんどにおいて、その動作するオペレーティングシステムとそれをサポートするソフトウェアはすべてGNU一般公衆利用許諾契約書(GPL)でライセンスされたオープンソースです。MITとHewlett-Packard社はDSpaceのすべてのソフトウェアをBSDライセンスのオープンソースとしてライセンスすることに合意しています。DSpaceはサードパーティのソフトウェアを構成部品として追加する場合は同一の条件で行う予定です。FedoraリポジトリシステムはMozilla Public Licenseによりライセンスされたオープンソースソフトウェアです。

2) システムにより様々な利用機関側の条件が与えられていますが、最低限のCPU要件を指定しているシステムはありません。想定されるハードウェア構成がシステムのWebサイトに記述されている場合は、その情報へのリンクを示しました。

3) システムがSAN (Storage Area Network)上で作動することを表します。

4) 項目3.0(ソフトウェア)で示したソフトウェアによっては、オペレーティングシステムやストレージシステム、Webサーバ、コマンドマネージャー、サーチエンジンについての経験を有する技術職員が必要なシステムもあります。構築するシステムの大きさや要件によりますが、システム管理者とプログラマは既存の人員を割り当てればよく、必ずしもフルタイムスタッフである必要はないでしょう。

5) ページテンプレートやメールアドレス、ヘルプページ、検索ページなどに利用機関が加えた変更を上書きすることなくシステムを更新可能とします。

6) ほとんどのシステムではある程度利用機関側でシステムのカスタマイズをすることが可能です。このカスタマイズをシステムが用意したスクリプトを変更することで行うシステムもありますし、各自の要望にあわせて利用機関側でシステムの機能を変更できるようにAPI(Application Programmer Interface)を提供しているシステムもあります。

7) パスワードを忘れてしまった人が人手を介することなく新しいパスワードを選ぶことのできる安全な方法を提供します。通常、システムは新しいパスワードを与えるためにユーザのメールアドレスを使用します。

8) リポジトリにコンテンツを投稿すること、あるいはリポジトリのコンテンツを管理することを許可するユーザを登録し認証します。これにより一般公開されたコンテンツにアクセスできる世界中の無名ユーザと登録ユーザを区別します。

9) リポジトリの管理者がユーザに権限レベルを設定することにより特定のコンテンツへのアクセスを制限できるようにします。たとえば学部の研究報告書へのアクセスをその学部の教員のみに制限することに利用できます。また、研究費の契約条項により利用が制限されている資料へのアクセスを制限することにも利用できます。

10) リポジトリの管理者がユーザ種別に基づいて様々なレベルで投稿アイテムへのアクセスを制限できるようにします。たとえば、ほとんどのアイテムにはすべてのユーザに広くアクセスを認め、いくつかのアイテムはIPアドレスで制限して特定の大学の構成員のみが利用できるようにし、残りのアイテムはIDとパスワードを使って比較的少人数のグループの利用に限定するなどの利用例が考えられます。

11) リポジトリの管理者が投稿アイテムへのアクセスをファイル単位で制限できるようにします。たとえば、学位論文がアクセスを制限すべき画像ファイルやその他のファイルを含んでいる場合などに利用できます。

12) 運営機関がインストールした1つのシステムに複数のコレクションやユーザグループを定義できるようにします。コレクションは、コンテンツの主題や種類あるいは目的、対象者など様々な方法で定義することができます(たとえば、研究報告書シリーズやカリキュラムサポート資料コレクションなど)。ユーザグループは、各機関の必要に応じて、学部や専門大学院、研究所、管理部門(たとえば博物館や附属病院など)に対応させて定義することができます。

13) リポジトリの管理者がリポジトリで定義したコレクションやユーザグループの各々に(もし必要なら)異なるコンテンツ投稿パラメタや査読・承認パラメタを設定できるようにします。

14) リポジトリの管理者がコンテンツの投稿からリポジトリへの入力にいたる登録処理の処理状態の数と種類を指定できるようにします。

15) 処理の終了していない、あるいは承認前の状態の投稿コンテンツを保存する個別の作業空間を提供します。これによりユーザはドキュメントの投稿を中断した場合や完了できなかった場合に作業を保存することができるようになり、投稿作業をすべて放棄する必要がなくなり投稿処理が簡単になります。

16) リポジトリに設定変更可能な一連のコンテンツ査読機能および登録管理機能を提供します。たとえば、(ユーザグループ毎に決めた基準により)コンテンツを承認したり、メタデータの作成に査読、編集、承認の処理段階を設けたりすることができます。

17) リポジトリ内のすべてのコレクションに対して同じ役割と登録プロセスを適用するシステムもありますし、これらの機能をコレクション毎に設定することにより、1つのシステムに存在する複数のコレクションに対して異なる登録・査読プロセスを提供できるシステムもあります。

18) 投稿コンテンツの処理状態(アイテムのリポジトリへの登録が承認された、アイテムが投稿者に差し戻された、など)にあわせてユーザにメールで通知します。

19) 投稿物の処理状態が査読や承認など各コンテンツ管理者(査読者や承認者など)が作業すべき状態になった場合に該当する担当者にメールで通知します。

20) 登録ユーザがコンテンツや処理状態情報へアクセスできるようにします。この機能によりユーザは投稿コンテンツの状態や保留中のコンテンツ承認作業の状態を確認できます。

21) ユーザがリポジトリに投稿したすべてのコンテンツを見られるようにします。

22) ユーザが処理未了の投稿コンテンツ(すなわち、処理は開始されたが何らかの理由でまだ処理が完了していない投稿コンテンツ)を見たり完了させたりすることができるようにします。

23) コンテンツ管理者(査読者、編集者、承認者など)が処理待ちの投稿物を見られるようにします。

24) 一般にリポジトリの運営機関が投稿された資料を管理し公開するためには、コンテンツの配布、およびデジタル保存のためのコンテンツフォーマットの変換、ならびに永続的なコンテンツの保存、の3つの行為に対する取消不能で包括的かつロイヤルティ不要なライセンスを、資料提供者がリポジトリ運営機関に与えることを必要とします。

25) 運営機関がコンテンツの保存および配布のための諸権利を提供者に求める機能をコンテンツ登録処理の一部として組み込むことを可能にします。コレクションやユーザにより異なる可能性のある複数のライセンス条項をサポートするシステムもありますし、そのようなライセンス条項をシステムの外部で処理させるシステムもあります。

26) 運営機関が指定されたライセンス条項を各投稿コンテンツと一緒に格納できるようにします。ライセンス条項は時がたてば、あるいはコンテンツの種類が変われば変わる場合がありますが、この機能は各投稿物にどのライセンス条項を適用するかを明確にします。

27) リポジトリの管理者がリポジトリの利用や選択を追跡できるようにします。この機能はシステムの性能設計を容易にし、機関の資源配分や予算確保の問題を支援します。

28) あらかじめ登録した、あるいは設定変更可能な利用報告書はシステムが出力する利用統計の有用性を増すことができます。

29) 運営機関が既存のデジタル図書館やその他のデジタル資料をリポジトリに取り込めるようにします。

30) リポジトリが既存のデジタルコレクションのメタデータを取り込めるようにします。

31) 機関リポジトリにおいては、システムにより管理されるコンテンツはシステムそれ自体より長生きし、新しく開発される技術に移行されていくだろうということが明らかに予測されます。この機能はコンテンツをシステムからエクスポートする方法を示しています。

32) この機能はシステム管理者が投稿コンテンツのフォーマットを承認された種類に限定できるようにします。この機能はリポジトリが(運営方針上)受け入れる用意のあるデジタルフォーマットを示すことができるようにします。システムが(技術的に)対応可能なフォーマットを示すためのものではありません。この機能は、リポジトリがコンテンツへのアクセスとコンテンツの保存を保証するために策定した運営方針の実行を支援します。

33) システムが受け入れられるデジタルフォーマットを示しています。(機関の運営方針でサポートすると決定したフォーマットではありません。)

34) ユーザが1つの投稿物として複数のファイルやファイル種別を投稿できるようにします。たとえば、研究報告書に対応するデータ集をつけたり、会議の報告書に会議で使用したOHP資料をつけたりすることができます。

35) この項目はシステムが格納し何らかのユーザインターフェースの下で検索可能にできる投稿コンテンツに関するメタデータの範囲を示しています。OAIプロトコルは限定子なしのダブリンコアメタデータをハーベストします。ここに示したシステムはすべてこの基本的なダブリンコアをサポートしており、そのため、これらのシステムを使用するリポジトリの横断検索を可能にしています。

36) 最低限の要件としての限定子なしのダブリンコアでは多くの機関リポジトリのコレクションを詳細に記述するには不十分です。そのため、OAIプロトコルではダブリンコアに加えて、他のメタデータセットを使用できるようにしています。これにより、リポジトリは特定のコレクションやコンテンツタイプ専用のメタデータを公開できます。特定分野に固有のメタデータや保存用メタデータ、諸権利向けのメタデータなど、その他のメタデータ規格をサポートする(あるいはサポートを計画している)システムがあります。

37) メタデータのハーベスティングを効率的に行うために、リポジトリは、システムに保存するメタデータの品質コントロールプロセスを確立したり、最低限度の品質水準を設けたりしなければなりません。これは著者に自分で論文を保存させたり、メタデータを提出させたりしようと考えているリポジトリには特に重要です。この機能はメタデータ承認プロセスを提供します。この機能によりメタデータを公開する前に査読、修正、向上、承認することができます。

38) 運営機関がリポジトリのメタデータをXMLなどの構造化フォーマットでエクスポートできるようにし、後継システムへの移行を容易にします。

39) リポジトリ管理者がリポジトリ全体からメタデータをハーベストするOAIハーベスタの機能を「止める」ことができるようにします。これは事実上リポジトリの相互運用性を無効にするものです。

40) リポジトリ管理者がメタデータの入力を簡単にするためにメタデータフィールドにデフォルト値を設定できるようにします。たとえば機関フィールドにデフォルト値として運営機関名を設定する(Institution="ペンシルバニア大学")ことができます。

41) 運営機関がAPIを使用したりスクリプトを変更したりすることによりインターフェースの見た目を変更できるようにします。

42) ユーザがシステムに設けた個人用のドキュメントフォルダにリポジトリのコンテンツを保存できるようにします。

43) システムがリポジトリ内にディスカッションフォーラムを持てるようにします。

44) この項目はシステム内部の検索ソフトウェアやプレゼンテーション層のソフトウェアを指しています。システム外部のサービスプロバイダやサーチエンジンは対象としていません。検索エンジンを持たないシステムにはオープンソースの検索ツールを付加する方法を提供しているものもあります。

45) ワイルドカード(たとえば、*で任意の複数文字、?で任意の1文字を表す)が使用できます。

46) 検索が単語の語幹にヒットする結果を返すようにします。たとえば、検索語「land」は「landed」「landing」「lands」などにもヒットします。

47) ユーザが定義された全ての書誌記述メタデータフィールドを検索できるようにします。

48) たとえば、「タイトルフィールド」と「著者フィールド」のみを検索するというように、ユーザがメタデータフィールドを指定して検索できるようにします。

49) サーバを正しく指定すればGoogleや他のインターネットサーチエンジンからシステムが検索できるかどうかを示します。

50) ドキュメントに対する永続的命名は、参照引用やその他のリンクに影響を与えることなくリポジトリがシステムの検索メカニズムを変えたり、コンテンツを物理的に移動したりすることを可能にします。この永続的識別子はたとえリポジトリのコンテンツが新しいシステムに移行しても、あるいは、リポジトリの管理責任が第三者に譲渡されても、有効であり続けます。

51) CNRIハンドルシステムは機関リポジトリが上で述べた(20.0項参照)継続性と永続的命名を実現できるようにします。ハンドルシステムプロトコルは分散されたコンピュータシステムがデジタルリソースのハンドルを保存し、ハンドルからリソースの場所やアクセス法を解読できるようにします。各ハンドルに付随する情報はハンドル自体を変えることなくハンドルを付与されたリソースの現状に合わせて変更することができます。このように、アイテムの名前(ハンドル)は参照引用やリンク同様、保存場所やその他の状態情報が変化しても永続的に変わりません。

52) システムの中には投稿された資料の長期保存を容易にする機能を含むものがあります。これは重要な機能と考えられます。なぜなら、電子リソースのライフサイクルの早い時期に手を打っておけば将来的には保存に対する経費や技術的な問題を軽減できることを保存に関する最良事例が示唆しているからです。しかしながら、デジタル保存プログラムを成功させるには絶え間ない運営方針の練り直しや資金、保存支援機能をサポートする計画も必要となります。なお、これらの機能がないからといってデジタル保存ができないと結論づけるべきではありません。

53) 保存メタデータには保存を決定し行動することを支援する情報、実行した保存行動を記載する情報、保存戦略の効果を記録する情報およびデジタルリソースの信頼性を長期にわたって保証するためにコレクション管理や諸権利の管理を記述した情報を格納します。

特定のシステムに関する注記

Archimedeに関する注記

1) Archimedeは、幅広いデータベースをサポートするApache DB Torqueに基づいています。完全なリストは<http://db.apache.org/torque/>を参照してください。

2) Servlet 2.3+準拠の任意のエンジンで使用できます。

3) サーバがUnix上で稼動している場合です。セットアップにはOS独自の知識は必要としません。Unixの知識は初期化スクリプトの設定などに役にたちます。

4) APIとコマンドラインインターフェースがあります。

5) 計画中です。

6) 次のフォーマットをサポートするLiusにより実装されています: HTML、XML、テキスト、RTF、Word、Excel、PDF。

7) SourceForgeシステムを使用します。

ARNOに関する注記

1) PostgreSQLおよびその他のオープンソースのDBMSの移植を計画中です。

2) ARNOはメタデータの保守用に基本的な検索機能を提供していますが、エンドユーザ向けのサーチエンジンはサードパーティに依存しています。

3) XMLとXSLTについての若干の知識を持つことを推奨します。OAI-PMHインターフェースにより別のメタデータフォーマットを提供するには、内部で使用しているARNO XMLフォーマットにXSLTスタイルシートを適用します。

4) ソースコードの変更は除外します。

5) LDAPにより登録された利用者向けです。

6) フルサポートを開発中です。

7) CSSスタイルシートを使ってある程度インターフェースを変更することができます。

8) HTMLで記述されたメタデータとフルテキストへのリンクは索引化できます。フルテキストを索引化するオプションについては検討中です。

9) DAREプロジェクトと共同で開発中です。

10) 一部できましたが、作成中です。

CDSwareに関する注記

1) システム要件はコレクションの規模、想定されるユーザ数、使用するデータベースなどによります。

2) CDSwareは独自の索引化技術および検索エンジンを使用します。

3) 独自にシステムに新しい機能を追加したい場合にのみ必要です。

4) CERNはCDSwareパッケージのインストール・ダウンロードをすべて追跡しているわけではないので、正確な数は不明です。

5) スイス(3)、フランス、ドイツ、イタリア、アメリカ。

6) APIとコマンドラインインターフェースがあります。

7) 必須ではありません。

8) 複数のコレクションを1つの仮想コレクションに見せる(「水平ビュー」)ことも、(任意のツリー形態で)コレクションを階層的に構築することもできます。

9) 設定変更可能です。

10) 幅広いオプションがあります。<http://doc.cern.ch/EDS/current/guide/english/>を参照してください。

11) Webalizerのようなサードパーティのツールを使用します。

12) ドキュメントをPDFに自動変換するためにCERN変換サーバをCDSwareに組み込むことができます。<http://doc.cern.ch/Convert>を参照してください。

13) コレクションのホームページもカスタマイズが可能です。

14) 次のリリースに向けて開発中です。

15) HTMLフォーマットのCDSwareレコードはその場で自動作成することも、Webサーチエンジンが索引化できるように事前に処理してファイルに保存することもできます。

16) PDFフォーマットへの自動変換を行います。

17) Marc21規格です。

DSpaceに関する注記

1) DSpaceの推奨ハードウェア構成は<http://dspace.org/what/dspace-hp-hw.html>を参照してください。

2) DSpaceは、MacOSおよびWindowsはもちろん、複数のUNIXプラットフォーム(Linux, hp/ux, Solarisなど)上でテストされています。

3) DSpaceを使用している機関ではDB2、MySQL、Oracleを含むさまざまなデータベースシステムを試みています。

4) DSpaceはApacheとTomcatを付けて配布していますが、任意のWebサーバおよびJavaサーブレットエンジンで作動します。JBossなどでもテストされています。

5) 15のCDSpace実装システムが世界中で稼働中です。さらに115をこえる構築が世界中で進行中です。

6) 更新スクリプトは若干の手直しが必要です。

7) 主要なモジュール毎にあります。

8) 圧縮ファイルをアップロードしますが、解凍はしません。

9) METSを開発中です。

10) プログラムが若干必要です。

11) GoogleあるいはカスタマイズしたLucenceを実装することにより可能です。

12) SourceForgeシステムを利用します。

Eprintsに関する注記

1) ほとんどのUNIX環境で作動するよう設計されています。

2) Apache 2.0対応を開発中です。

3) Javascriptは使用しません。CSSのサポートが望ましいですが必須ではありません。

4) Perlプログラマが必要か否かは必要なカスタマイズの量によります。

5) v2稼動中が122、v1.1稼動中が18です。

6) イギリス、アイルランド、インド、イタリア、ブラジル、オーストラリア、アメリカ、カナダ、フランス、オーストリア、スウェーデン、ドイツ、スロベニア。

7) 更新スクリプトは、設定ファイルに若干の手直しが必要です。

8) ページテンプレート、メールアドレス、ヘルプページ、検索ページに加えた変更を上書きすることなくシステムを更新することができます。

9) たとえばLDAPのような他のシステムを使用するように変更することができます。

10) ファイルの状態はSQLデータベースに格納されます。

11) デフォルト値です。登録処理の役割は変更も追加もできます。

12) この機能を提供するように設定できるかもしれません。

13) 計画中です。

14) デフォルトのフォーマットはPostscript, PDF, ASCIIテキストファイル, HTMLです。

15) (システムパフォーマンスを改善するための)バッチ処理を実験中です。

16) プログラムを若干必要とします。

17) サードパーティのツールを使用します。

18) リリース2.3.xからフルテキスト検索が利用できます。また、この機能を補足するフルテキストエンジンがいくつかのEprintsインストールシステムに組み込まれています。たとえば、インドのBangaloreにあるインド科学研究所(IISc)(http://eprints.iisc.ernet.in/)はGreenstoneデジタルライブラリーオープンソースソフトウェアをフルテキスト検索用に組み込んでいます。また、Archive SIC (Archive Ouverte en Sciences de l'Information et de la Communication)ではhtdig検索エンジンを組み込んでいます。(http://archivesic.ccsd.cnrs.fr/search.htmlを参照)

19) 現在のところ複数形のためのステミングのみを提供しています。完全なステミング検索を開発中です。

20) デフォルトとしては設定していませんが、システム管理者は機関指定のメタデータによるブラウズを設定できます。

21) システム管理者はソートフィールドを選択できます。検索結果は任意の標準的フィールドでソートできます。

22) Eprintsは<http://wiki.eprints.org>にwikiを用意しています。

Fedoraに関する注記

1) Linux、Solaris、最近のWindowsのすべての版、MacOSX(さらにいくらか作業が必要)でテストをしています。一般に1.4JREを持つ任意のマシンで稼動すると思われます。

2) データベースの相互運用性のためにJDBCを使用しています。別のデータベースをサポートするにはJDBCドライバとJavaによるカスタムモジュールを作成する必要があります。このモジュールの仕様は文書化されています。

3) 簡単なシステムメタデータとダブリンコアクエリ用です。(フルテキストやXMLクエリのような)フル機能の検索は個別に追加する必要があるでしょう。

4) サーバがUnix上で稼動している場合でsy。セットアップにはOS独自の知識は必要としません。Unixの知識は初期化スクリプトの設定などに役にたちます。

5) 20のインストールを確認しています。ソフトウェアのダウンロードは3,000件以上です。

6) 5大陸の35カ国。

7) 2つの主要なAPI(アクセスと管理)があります。SOAP over HTTPとHTTPインターフェースが混在しています。

8) 管理者と匿名の2つの役割のみです。

9) 両API共にIPベースの利用者認証をサポートしています。API-MはHTTPのBasic認証もサポートします。2004年末までにはさらに多くの認証法をサポートする予定です。

10) 2004年末を計画しています。現在のところ、管理者は匿名によるコンテンツの利用をできなくすることができます。

11) METSテンプレートによります。

12) Fedoraではこれはオブジェクトの「配布ライセンス」の発信にあたります。すなわち、単に各オブジェクトと共に保存される単純なデータストリームです。

13) Fedoraはシステム利用およびシステムパフォーマンスのログファイルを生成します。FedoraのログファイルはXMLで書かれていますので、レポート作成ツールを使って分析することができるでしょう。ただし、そのようなツールはシステムには含まれていません。

14) 計画中です。

15) 計画中です。

16) Fedoraリポジトリには(非XML形態を含む)任意の形の書誌記述メタデータを格納することができますが、Fedoraの検索機能はオブジェクトのXMLダブリンコアレコードしか対象としません。

17) 非常に基本的なブラウズ機能が各オブジェクトの主要なダブリンコアメタデータと検索APIによりサポートされています。

18) 検索APIを使って、「検索されるべき」発信物に対するハイパーリンクのページを自動的に生成するように構築することができます。

19) Fedoraの永続的で世界中で一意となる識別子はURN類似の構文を使用します。識別子は自動付与することも事前に付与することもできます。中央集権的なリゾルバとの連係を計画中です。

20) メタデータ、コンテンツ、ビヘイビアはすべてバージョン管理をすることができます(また、任意のバージョンをいつでも見ることができます)が、バージョン系列を「分岐すること」はできません。

i-Torに関する注記

1) インストールをするために推奨されます。

2) i-Torは運営機関がJavaを使ってインターフェースの一部を変更できるようにしています(たとえば検索結果のためのカスタムビューの作成など)。

3) 2004年9月公開を計画中です。

4) i-Torは運営機関に必要なワークフローを設定するツールを提供するよう設計されていますが、システム自体に含めるワークフローは設計していません。

5) サードパーティのソフトウェアであるAnalogを使用します。

7) i-Torではデータを研究者のホームページから直接ハーベストできます。個々の研究者のホームページが適切に保守されていれば、リポジトリを定期的に更新する必要はなくなります。

7) システム管理者は機関指定のメタデータによるブラウズを設定できます。

10) 開発中です。

11) SourceForgeを利用します。

MyCoReに関する注記

1) 計画中です。

2) システム要件はコレクションの規模、想定されるユーザ数、使用するデータベースなどによります。

3) オープンソース環境: JDBC準拠のRDBMS(MySQLとPostgreSQLはテスト済)。XML:DB準拠のデータベース(Apache Xindice, eXist, Tamino)。商用環境: IBM Content Manager with IBM DB2。

4) TomcatとWebsphereでテスト済です。

5) ユーザインターフェースのレイアウトを変更するにはXSLの知識が必要です。

6) MyCoReの基礎となった前身のMILESSのインストール数は10。非公式のMyCoReテストサイトが5。

7) CVS(Concurrent Versions System)を使って可能です。

8) 設定変更可能です。

9) 設定変更可能です。MyCoReにはプログラムに直接書き込んだメタデータモデルはありません。システムは例として限定子付きのダブリンコアを提供していますが、ユーザは必要に応じてデータモデルを定義したり設定したりすることができます。

10) MyCoReはCNRI Handlesを実装していませんが、同様のシステムであるドイツ国内書誌番号(German National Bibliography Number)を実装しています。 <http://www.persistent-identifier.de/aktivitaeten/URN-Implementation.php>を参照してください(ドイツ語で書かれています)。

OPUSに関する注記

1) 解除、可分性、統合の項など若干の追加があります。

2) データベースインターフェースは設定可能です。

3) 少しの作業でサーチエンジンモジュールを置き変えることができます。Googleサイトサーチについてテスト済みです。

4) システムに新しい機能を追加する場合はPHPプログラマが必要です。

5) 設定ファイルを若干修正する必要があります。

6) キャンパスIPの範囲外の著者は一般的なパスワードが必要です。

7) リリース3.0で計画中です。

8) Analogなどのサードパーティのソフトウェアが必要です。

9) スクリプトの変更が必要です。

10) フルテキストインデックスを除きます。

11) ドキュメント種別と部局/研究所によるブラウズが可能です。

12) フルテキストサーチの場合のみあります。

13) 永続的識別子としてURNを使用します。

14) ドイツ国立図書館と共同で開発する予定です。