インストールが完了したDSpaceは、次の3つの独立したディレクトリツリーで構成されています。
これは(驚くべき)ソースコードが置かれている場所である。ここにある設定ファイルは、初期インストールの際に使用されるだけであることに注意すること。インストール後は、インストールディレクトリの設定ファイルを修正しなけらばならない。この文書では、[dspace-source]
で示されている。
このディレクトリはインストール時によく訪れることになる。また、実行時にDSpaceも使用している。このディレクトリには、設定ファイル、コマンドラインツール(と、実行に必要なライブラリ)、および、通常(DSpaceの設定により必ずではないが)DSpaceアーカイブのコンテンツが置かれている。初期のコンパイルとインストール後は、設定ファイルの変更はこのディレクトリにあるファイルにする必要がある。この文書では、 [dspace]
で示されている。
このディレクトリは、Webサーバがwebappsディレクトリにdspace.warファイルがあることを最初に見つけた際に作成される。このディレクトリには、解凍されたdspace.warの内容、すなわち、DSpaceの実行に必要なJSP、javaクラス、ライブラリが置かれている。このディレクトリにあるファイルを直接編集してはならない。インストールしたDSpaceを変更したい場合は、ソースディレクトリにあるファイルを編集して再構築する必要がある。このディレクトリはまったく自動的に作成されるものであるので、ここではその内容を示さない。この文書では通常、[tomcat]/webapps/dspace
で示されている。
[dspace-source]
build.xml
- Antが使用するビルドファイルCHANGES
- バージョン間で行われたプログラム変更の詳細なリストKNOWN_BUGS
- 現行バージョンにおける既知のバグLICENSE
- DSpaceソースコードのライスセンスREADME
- お決まりの基本的情報を記述したファイルbin/
- DSpaceのコマンドラインタスクを実行するシェルスクリプトとPerlスクリプトconfig/
-設定ファイル
dspace.cfg
- DSpaceのプロパティ設定ファイルdc2mods.cfg
- METSエクスポートのためのダブリンコアメタデータからMODSへのマッピングdefault.license
- アイテムの投稿時にユーザが同意しなければならないデフォルトのライセンスdstat.cfg
, dspace.map
- 統計レポートの設定ファイルinput-forms.xml
- 投稿UIにおけるメタデータフィールド設定ファイルmediafilter.cfg
- メディアフィルター設定ファイルnews-side.html
- フロントページのサイドバー・ニュースのテキストnews-top.html
- フロントページのトップ・ニュースのテキストemails/
- システムが送信するメールの本文テキストlanguage-packs/
- 「辞書ファイル」を置く -- 様々な言語によるユーザインターフェーステキストを含むJavaプロパティファイルregistries/
- ビットストリームフォーマットレジストリとダブリンコア要素/限定子レジストリの初期データ。これらのファイルはシステムの初期構築時にのみ使用され、以後はデータベースで管理される。templates/
- ライブラリや外部アプリケーション(ApacheやTomcatなど)用の設定ファイルをここに置いて、編集する。これらの設定ファイルは、DSpaceプロパティ設定ファイルにある該当するプロパティを見つけて、参照することができる。これらのファイルを変更した場合は、コマンドラインツールを使って、dspace.cfgから該当するプロパティ値を読み込んでファイルに埋め込み、適当な場所にファイルをコピーする(それゆえ「テンプレート」という名前がついている)。etc/
- DSpaceのインストールには必要だが、システムの設定には関係しないその他のファイル。たとえば、PostgreSQLのデータベーススキーマや、システムの構築時には使用されるが運用システムには使用されない設定ファイルなどである。また、Web UIとOAI-PMHサポート.war
ファイルの配備記述子(web.xml
ファイル)も置かれている。
oracle/
- Oracle用のデータベーススキーマと更新用SQLスクリプトjsp/
- Web UI用のJSPファイル。できるだけJavaコードを少なくし単純なHTMLとした。ビジネスロジックはサーブレットに存在する。lib/
- システムで使用されるライブラリのJARファイル
README
- サードパーティ製ライブラリパッケージ(JAR)のリストとその利用法licenses
- 各JARのライセンスが置かれているsrc/
- DSpaceシステムのソースコード。レイアウトの詳細は、Javadocの概要ページを参照のこと。以下は、デフォルトの設定を使用した場合のDSpaceインストールディレクトリの基本的なレイアウトです。これらのパスは必要に応じて設定することができます。
[dspace]
assetstore/
- 情報資産格納ファイルbin/
- シェルおよびPerlスクリプトconfig/
- 設定ファイル。ソースディレクトと同じサブディレクトリ構造を持つhandle-server/
- ハンドルサーバ用のファイルhistory/
- 履歴ファイル(通常、RDF/XMLファイル)を格納するlib/
- JARファイル。DSpaceのクラスが入っているdspace.jar を含むlog/
- ログファイルreports/
- 統計レポート作成ツールにより作成される統計レポートsearch/
- Lucene検索インデックスファイルupload/
- ファイルのアップロードなどで使用される一時ディレクトリDSpace附属のAntビルドファイルは、以下の構造を持つ.war
ファイルを作成します。
WEB-INF/
web.xml
- [dspace-source]/etc/dspace-web.xml
に、該当する設定パラメタ(DSpaceインストールディレクトリなど)が埋め込まれて作成されるdspace-tags.tld
- DSpaceカスタムタグ記述子fmt.tld
- 国際化のためのJSTLメッセージフォーマットタグ記述子lib/
- DSpaceの実行に必要な全てのサードパーティ製JARファイルclasses/
- DSpaceのクラスファイルと全てのMessages_xx.properties
ファイル。後者はここに置くことによりCLASSPATHが通っている場所に置かれることになり、リソースバンドルとして発見されることができる。混乱する可能性が最も高いものはログファイルです。 DSpaceは多くのサードパーティ製ツールを使用していますので、様々な場所で問題が生じる可能性があります。 下の表は、標準的な構成のDSpaceで使用されている主なログファイルをリストアップしたものです。 表示されているログファイルの配置場所はデフォルトの場所です。DSpaceとサードパーティ製ツールをデフォルトとは異なる場所にインストールした場合は、ログファイルの場所も異なる可能性があります。 リストの順番は、問題やエラーが発生した場合にその詳細について調べるファイルのおおよその優先順位を表しています。
ログファイル | ファイルの内容 |
---|---|
[dspace]/log[dspace].log |
DSpaceのメインログファイル。DSpaceプログラムにおいて発生したイベントやエラーについての簡単なログをDSpaceが出力する場所である。
ログレベルを変更するには、[dspace]/config/templates/log4j.properties ファイルを編集して、[dspace]/bin/install-configs を実行する。 |
[tomcat]/logs/catalina.out |
Tomcatの標準出力が出力される場所である。
Tomcatプログラムにおいて発生したエラーの多くはここにログ出力される。
たとえば、TomcatがDSpaceプログラム(dspace.jar )を見つけることができない場合、catalina.out にエラーログが出力されるはずである。 |
[tomcat]/logs/hostname_log.yyyy-mm-dd.txt |
Tomcatを(Apacheと連携せずに)スタンドアローンで稼働させている場合、特定のWebアプリケーションに関する情報やエラーをこのログファイルに出力する。
hostname はホスト名(たとえば、dspace.myu.edu )であり、yyyy-mm-dd は日付である。 |
[tomcat]/logs/apache_log.yyyy-mm-dd.txt |
Apacheを使用している場合、Tomcatは、Apacheと連携して稼働しているWebアプリケーション(mod_webapp )に関する情報をこのログファイルに出力する(yyyy-mm-dd は日付である)。 |
/[apache]/error_log |
Apacheはこのファイルにログを出力する。mod_webapp がうまく動かない場合、その手掛りを得るにはこのファイルを見るといいだろう。
Apacheは他にもいくつかのログファイルに出力するが、問題を追跡するための最も有益な情報はerro_log ファイルに多いようである。 |
[dspace]/log/handle-plug.log |
ハンドルサーバは、DSpaceのWebユーザインターフェース(TomcatのJVM配下で稼働)とは異なるプロセスとして稼働している。
Log4jの「ローリングファイルアペンダー」機能の制約により、ハンドルサーバのJVMで稼働するDSpaceプログラムはTomcatJVM配下のプログラムとは別のログファイルを使用しなければならない。
ハンドル解決リクエストを処理するDSpaceプログラムはこのファイルにログ情報を出力する。
このログレベルは、[dspace]/config/templates/log4j-handle-plugin.properties を編集することにより変更できる。 |
[dspace]/log/handle-server.log |
CNRIハンドルサーバプログラムが出力するログファイルである。DSpaceプラグインが呼び出される前にハンドルサーバプログラム内部で問題が発生すれば、このファイルにログが出力されるだろう。 |
[dspace]/handle-server/error.log |
一方、CNRIハンドルサーバプログラムを使用した際の問題は、ここにログが出力される場合がある。 |
PostgreSQL log | PostgreSQLもログを出力する。このファイルにデフォルトの配置場所はないようである。おそらくインストールのどこかで配置場所を指定しなければならないはずである。
一般に、核心にふれる情報がこのログファイルにあることはまれである。
PostgreSQLはきわめて安定しており、問題の多くは、JDBCによる接続時に発生すると考えられるが、その場合、ログはdspace.log に出力されるからである。 |