DSpaceを設定あるいはカスタマイズする方法はたくさんあります。
[dspace]/config
の設定ファイルを変更するこれらの方法のうち、最後の方法だけは悩みの種になりそうです。DSpaceのソースコードを直接変更すると、将来のバージョンアップが難しくなるかもしれないからです。 しかし、何といってもDSpaceはオープンソースです。他の機関や組織にとって有益であると思える変更をした場合は、遠慮なくMITのDSpace開発チームに送付してください。
dspace.cfg
DSpaceを設定する第1の方法は、dspace.cfg
を編集することです。
DSpaceを正しく動かすためには、これは絶対に必要です。
dspace.cfg
には、システムのパス情報やネットワークホスト情報、サイト名など、DSpaceのインストールに関する基本的な情報が含まれています。
デフォルトのdspace.cfg
にはすべてのプロパティに説明が付いており、良い情報源となっています。
このファイルは基本的なJavaプロパティファイルであり、各行は、'#
'で始まるコメント行、空行、次の形のプロパティと値の組のいずれかです。
プロパティ.名前 = プロパティ値
時間の制約もあり、この説明書ではプロパティを網羅的に取り上げることはしません。プロパティはdspace.cfg
にすべてリストアップされています。以下では使用にあたって注意の必要なプロパティに限って説明します。
プロパティ | 値の例 | 説明 |
---|---|---|
dspace.dir |
/dspace |
DSpaceシステムのルートディレクトリ。最後の'/'は除く。
これを変更した場合は、assetstore.dir プロパティなど、他のいくつかのプロパティ値もこれに合わせて変更する必要があることに注意。 |
dspace.url |
http://dspace.myu.edu http://dspacetest.myu.edu:8080 |
DSpaceのWebユーザインターフェースアプリケーションが配備されたURL。任意のポート番号は付けるが、最後の'/'は付けない。 |
dspace.hostname |
dspace.myu.edu |
完全修飾ホスト名。ポート番号は付けない。 |
dspace.name |
DSpace at My University |
簡潔で素敵なサイト名。Webユーザインターフェースや電子メール、その他(OAIプロトコルなど)いろいろな場面で使用される。 |
config.template.foo |
/opt/othertool/cfg/foo |
install-configs を実行すると、[dspace]/config/templates/foo ファイルにdspace.cfg で設定した値が埋め込まれて、このプロパティの値が示すファイル、この例では、/opt/othertool/cfg/foo にコピーされる。詳細はここを参照のこと。 |
webui.site.authenticator |
edu.myu.MyAuthenticator |
org.dspace.app.webui.SiteAuthenticator インターフェースを実装したクラスのJavaクラス名。 |
handle.prefix |
1721.1234 |
あなたのサイトのハンドルプレフィックス。ハンドルサーバを参照のこと。 |
assetstore.dir |
/bigdisk/store |
情報資産(ビットストリーム)格納番号0のファイルシステム上の配置場所。DSpace専用のディレクトリとする。 |
assetstore.dir.n |
/anotherdisk/store1 |
情報資産(ビットストリーム)格納番号n のファイルシステム上の配置場所。
格納場所を増やす際は、1(assetstore.dir.1 )から始めてカウントアップする。
ただし、情報資産格納番号0は、つねにそのまま(assetstore.dir )残しておく。
詳細については、ビットストリームの保存を参照のこと。 |
assetstore.incoming |
1 |
新規のビットストームを格納するための情報資産格納番号。
たとえば、assetstore.dir.1 が /anotherdisk/store1で、assetstore.incoming が 1 の場合、新規のビットストリームは /anotherdisk/store1 に格納される。
値が 0 (ゼロ)の場合は、assetstore.dir のディレクトリに格納される。詳細については、ビットストリームの保存を参照のこと。 |
srb.xxx srb.xxx.n |
/zone/home/user.domain |
1つ以上のSRBアカウントを使用する際の、SRBアクセスパラメタのセット(dspace.cfgを参照)。srb.xxxセットは、情報資産(ビットストリーム)格納番号ゼロに対応する。srb.xxx.nセットは、情報資産(ビットストリーム)格納番号nに対応する。詳細については、ビットストリームの保存を参照のこと。 |
webui.submit.enable-cc |
true |
投稿プロセスにおけるクリエイティブ・コモンズ・ライセンス指定ステップを有効にする。投稿者はアイテムに添付するクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを選択する機会が与えられる。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスはコンテンツの使用について規定する。詳細については、クリエイティブ・コモンズのWebサイトを参照のこと。 |
dspace.cfg
を編集したら、必ず、[dspace]/bin/install-configs
を実行する必要があります。
そうしないと、変更した内容が、他のアプリケーション(たとえばApache)用の設定ファイルに反映しません。
変更の内容によっては、対象となるアプリケーションのリスタートが必要な場合もあります。
DSpaceは自動的にユーザへ電子メールを送る場合があります。たとえば、新しいワークフロー・タスクの通知や購読ベースのメール通知サービスなどです。
電子メールの通知文の内容は、[dspace]/config/emails
にある該当するファイルを編集することで変更することができます。
各ファイルの説明はファイル自身に書かれています。「プレースホルダ」の番号(たとえば、{2}
)を間違えないよう気をつけてください。
DSpaceには、DSpace管理者の連絡先をユーザに知らせる場所が何箇所かあります。たとえば、エラーが生じた場合や、ユーザがさらに詳しい情報を探すためのオンラインヘルプ画面などです。連絡先は、[dspace-source]/jsp/components/contact-info.jsp
により表示されます。このJSPはdspace.cfgから連絡先のメールアドレスを取得しますが、電話番号についてはダミーの電話番号が書かれているだけですので、直接JSPを編集する必要があります。このファイルを修正して(有益だと思う情報を追加することもできます)、さらなる情報を得るための連絡先をユーザに知らせる必要があります。
[dspace]/config/registries
ディレクトリには2つのXMLファイルがあります。
これらは、ダブリンコアタイプ・レジストリとビットストリームフォーマット・レジストリの初期値をロードするために使用されます。
初期値のロード(ant fresh_install
コマンドで実行されます)後は、レジストリはデータベースに保管され、以後、XMLファイルは更新されません。
現在のところ、システムはすべてのアイテムがダブリンコアレコードを持つことを必須としています。使用するダブリンコアの要素と限定子は、ダブリンコア・レジストリを編集することで設定できます。
その方法は2通りあります。1つは、インストール時に、[dspace]/config/registries/dublin-core-types.xml
を編集する方法で、もう1つは運用中に管理用のWebユーザインターフェースを使って編集する方法です。
ただし、DSpaceの機能を正しく働かせるために、いくつかの要素と限定子は必ず持たなければならないことに注意してください。これらはプログラム上でさまざまな目的で使用されているからです。
詳細については、該当する.xml
ファイルを参照してください。
また、現在のところ、ダブリンコア・レジストリを変更しても、該当するWebユーザインターフェース(投稿インターフェースや検索インデックス)は変更されないことに注意してください。
システムが認識するビットストリームフォーマットとそのサポートレベルがビットストリームフォーマット・レジスタに格納されます。
これも、インストール時に [dspace]/config/registries/bitstream-formats.xml
を通して、あるいは、管理用Webユーザインターフェースで編集することができます。
ビットストリームフォーマット・レジストリの内容はまったく自由ですが、少なくとも次の2つのファーマットを持つことがシステム上必要です。
Unknown
License
DSpaceと連動して稼働させるアプリケーション(たとえば、Apache)の設定ファイルの管理を容易にするために、DSpaceシステムでは、DSpace設定ファイルが変更された際に、アプリケーション用の設定ファイルを自動的に更新することができます。 DSpaceが持つこの機能を使用するか否かはまったく自由ですが、便利だと思います。
これは次のように行ないます。まず、アプリケーション用の設定ファイルを[dspace]/config/templates
に置きます。ファイルには特別な値を埋めこみ、適当なDSpace設定プロパティ値で置き換えられるようにします。
次に、dspace.cfg
に適当なプロパティを追加して、変換後の「正式な」設定ファイルを置く場所をDSpaceに知らせます。そして、[dspace]/bin/install-configs
を実行します。
例として、apache13.conf
ファイルを取りあげます。
このファイルにはApache独自の多くの設定が書かれていますが、DSpaceやその他のアプリケーションと連動した値を持つ必要がある部分には、「プレースホルダ」が使われています。たとえば、ホスト名は次のようになっています。
ServerName @@dspace.hostname@@
@@dspace.hostname@@
には、 dspace.cfg
のdspace.hostname
プロパティの値が埋め込まれます。次に、「正式」バージョン、すなわち、Apacheの立ち上げ時に実際に読みこまれるファイルを置く場所を決めます。
このファイルを /opt/apache/conf/dspace-httpd.conf
に置きたいとします。そのためには、以下のプロパティを dspace.cfg
に追加します。これでDSpaceはファイルを置く場所を知ることができます。
config.template.apache13.conf = /opt/apache/conf/dspace-httpd.conf
そして、[dspace]/bin/install-configs
を実行します。
このプログラムは、[dspace]/config/templates/apache13.conf
を読み込み、プレースホルダに値を埋めこんで、/opt/apache/conf/dspace-httpd.conf
にコピーします。
そして、/opt/apache/conf/dspace-httpd.conf
には、次のような行が含まれています。
ServerName dspace.myu.edu
この方法の利点は、ホスト名のようなプロパティを変更する場合、dspace.cfg
を変更してinstall-configs
を実行するだけで、必要な設定ファイルをすべて変更できる点にあります。
ただし、編集はすべて [dspace]/config/templates
のファイルにするよう、くれぐれも注意してください。
後で上書きされてしまう「正式」バージョンの設定ファイルを誰かがうっかりと修正しないように、各ファイルの先頭に大きな注意文を置くことはいい考えです。
Webユーザインターフェースはビジネスロジックを処理するJavaサーブレットとエンドユーザに送信するHTMLページを作成するJavaServer Pages(JSP)を使って実装されています。 JSPはJavaプログラムよりはるかにHTMLに似ていますので、DSpaceのルックアンドフィールを変更することは比較的容易です。
変更をさらに簡単にするために、DSpaceではソースディストリビューションにあるJSPファイルを、変更したファイルで「置き換える」ことができます。変更したファイルはオリジナルのファイルとは別の場所に格納されるので、DSpaceを新規リリース版にバージョンアップしても、ローカルで変更したファイルが上書きされることはありません。
また、辞書ファイルを編集することで各JSPページに現れるテキストを簡単に編集することもできます。ただし、あらゆる言語のメッセージファイルのエントリーを変更しないと、その他の言語のユーザは依然としてその言語ではなくデフォルトのテキストを見ることになることに注意してください。国際化を参照してください。
サーブレットからJPSに渡されるデータ(属性)はバージョンにより異なることがあり、その場合、新しいデータを扱うために、カスタマイズしたJSPを変更しなければならないこともあることに注意してください。
したがって、可能であれば、変更は「レイアウト用」のJSPとスタイルシートだけにとどめておくことを推奨します。
JSPは [dspace-source]/jsp
に格納されています。変更したJSPは [dspace-source]/jsp/local
ディレクトリにオリジナルと同じパスで保存してください。
変更されたJSPファイルがあると、[dspace-source]/jsp
にあるオリジナル版の代わりに使用されます。
たとえば、以下のように修正版を配置します。
DSpaceのオリジナル版 | ローカル修正版 |
---|---|
[dspace-source]/jsp/community-list.jsp |
[dspace-source]/jsp/local/community-list.jsp |
[dspace-source]/jsp/mydspace/main.jsp |
[dspace-source]/jsp/local/mydspace/main.jsp |
[dspace-source]/jsp/styles.css.jsp
にあるスタイルシートが多くのファイルで使用されています。
このファイルを修正する場合は、ローカル版の [dspace-source]/jsp/local/styles.css.jsp
を使ってください。上で述べたように、オリジナルの代わりに自動的にこのファイルが使用されます。
フォントと色はスタイルシートを使って簡単に変更することができます。 スタイルシートはJSPですので、ユーザのブラウザのバージョンを知ることができ、これに合わせてスタイルを調整することができます。
各ページの「レイアウト」、すなわち、上下のバナーとナビゲーションバーは、[dspace-source]/jsp/layout/header-*.jsp
と [dspace-source]/jsp/layout/footer-*.jsp
で決められています。
これを変更する([dspace-source]/jsp/local/layout
ディレクトリに置きます)こともできますし、さらに別のスタイルを作成してdspace:layout
タグの"style"属性に指定してページに適用することもできます。
JSPをカスタマイズしたら、DSpace Webアプリケーションをリビルドする必要があります。 まだ、アプリケーションのビルドとインストールをしていない場合は、インストールの指示に従ってください。そうでない場合は、次の手順に従ってください。
[dspace-source]
ディレクトリで次のコマンドを実行して、dspace.war
ファイルをリビルドする。
ant -Dconfig=[dspace]/config/dspace.cfg build_wars
Tomcatを終了し、既存の[tomcat]/webapps/dspace ディレクトリを削除する。
新しい .war ファイルをTomcatの webapps ディレクトリにコピーする。
cp [dspace-source]/build/dspace.war [tomcat]/webapps
Tomcatをリスタートすると、カスタマイザされたJSPが見られるはずです。
dspace.cfg
に webui.itemdisplay.default
パラメタを作成して、表示するメタデータフィールドをカンマでつなげたリストを指定します。たとえば、
webui.itemdisplay.default = dc.title, date.issued(date), identifier.uri(link), description.*
webui.itemdisplay.default
がないと、DSpaceプログラムであらかじめ設定されたリストがデフォルトとなります。なお、値が設定されていないフィールドは表示されません。
必要に応じて、Messages.properties
ファイルに項目を追加してください。表示されるフィールド名は、metadata.<メタデータフィールド>
をキーとして現在のUI辞書から取り出されます。たとえば、metadata.dc.title = Title
です。
dspace.cfg
において、メタデータは、<スキーマプリフィックス>.<要素>[.<限定子>|.*][(date)|(link)], ...
の形で指定することができます。たとえば、以下の通りです。
dspace.cfg
に、デフォルトレイアウトの設定と同じ方法でアイテム表示の「スタイル」を指定する項目を作成します。たとえば、以下の通り。
webui.itemdisplay.thesis-style = contributor.*, identifier.uri, description.abstract
dspace.cfg
に項目を追加して、これをコレクションのアイテム表示に関連付けします。たとえば、以下の通り。
webui.itemdisplay.thesis-style.collections = 123456789/1, 123456789/56
Messages.properties
ファイルに必要なメッセージキーを追加することを忘れないで下さい。上の例では、Messages.properties
ファイルに次のようなメッセージキーを追加する必要があります。
metadata.dc.contributor.* = Authors
metadata.dc.identifier.uri = Citation
metadata.dc.description.abstract = Abstract
多くの機関や組織は独自のユーザ認証システムを持っていますので、DSpaceはこれらを容易に統合できるように設計されています。
これを実現するには、Javaインターフェース org.dspace.app.webui.SiteAuthenticator
を実装するカスタムクラスを用意します。
このインターフェースで定義されているメソッドは、Webユーザインターフェースにおいてユーザ認証関係のイベントが生ずるたびに呼び出されます。
DSpaceのWebユーザインターフェースにおける基本的なユーザ認証手順は以下のとおりです。
SiteAuthenticator
実装クラスのstartAuthentication
メソッドが呼び出される。startAuthentication
が何らかの形ですぐにユーザを認証するか、何らかのログインページにリクエストを転送する。
オリジナルリクエストのパラメタは安全に保存されており、ログインプロセスの終了後に取り出すことが可能である。各メソッドについては、SiteAuthenticator.java
のソースファイルを参照してください。
デフォルトで用意されている org.dspace.app.webui.SimpleAuthenticator
は以下のポリシーを実装する簡単な実装プログラムです。
電子メールアドレスとパスワードを使ったログインを使用する。これは、権限を必要とするアクションを求めるリクエストをパスワードログインサーブレット /password-login
に転送することで実現している。
パスワードログインサーブレット(org.dspace.app.webui.servlet.PasswordServlet
)は、上記ステップ3の方法でユーザ認証を行い、成功した場合にオリジナルリクエストを再開するプログラムを含んでいる。
ユーザは、自分を登録する(すなわち、管理者の承諾なしに自身をe-personとして追加する)ことができ、同時にパスワードも設定することができる。
ユーザは、どの(動的な)スペシャルグループのメンパーでもない。
バージョン1.3から、SimpleAuthenticator
はLDAPユーザ認証もサポートしています。
ソースツリーには、SiteAuthenticator
の実装としてMITが使用している edu.mit.dspace.MITAuthenticator
が含まれています。これは次のように、若干複雑なユーザ認証メカニズムを実装しています。
認証されるユーザがMITのユーザの場合、ユーザはX509証明書を使ってログインしなければならない。
password-login
サーブレット同様、certificate-login
サーブレットがこの証明書を使ってユーザを認証し、成功するとパスワードログインサーブレットがしたように、オリジナルリクエストを再開する。
また、MITユーザは自動的に(システムに存在するはずの)「MITユーザ」という(動的な)スペシャルグループに追加される。 これにより、MITユーザグループのメンバーを手作業で管理する必要もなく、MITユーザに対する権限ポリシーを作成することができる。
誰でも自分を登録することができるが、登録の際、MITユーザはパスワードを設定することができない。MITユーザはログイン時にX509証明書を使用しなければならないからである。
X509証明書ログインサーブレットは特別な機能を持っており、webui.cert.autoregister
設定プロパティがtrue
の場合、ユーザをシステムに自動的に登録します。
同様な処理をするようにパスワードログインサーブレットをカスタマイズすることができるでしょう。
たとえば、あなたの機関がWindows NTのドメイン認証を使用しているとしたら、Windows NT認証を実行して、新規ユーザとしてe-personを自動的に追加する PasswordServlet.java を実装すればよいでしょう。
この場合、オリジナルのPasswordServletを直接変更せずに、新しいサーブレットを作成することを強く勧めます。そうすれば、将来DSpaceがバージョンアップしてもプログラムが上書きされることがないからです。
なお、同時に、startAuthentication
メソッドが新しいサーブレットにリクエストを転送するようにSiteAuthenticator
をカスタマイズする必要もあります。
dspace.cfgファイルでLDAPが有効になっていると、新規ユーザはユーザ名とパスワードを入力するだけで、登録トークンを送付することなく登録を行うことができます。ユーザがユーザ名とパスワードを持っていない場合も、これまでと同じように、メールアドレスで登録しログインすることができます。
LDAPユーザを特別扱いしたい場合は、netidを持つユーザを自動的に特別なグループに入れるようSiteAuthenticatorクラスを拡張する必要があります。特定のメールアドレスを特別扱いしたい場合もあるかもしれません。これを行う方法に関する詳しい情報は上記の独自のユーザ認証プログラムを参照してくだささい。
ここでは各設定パラメタの役割を説明します。
(DSpace 1.2.1以降で利用可能)
検索インデックスは、dspace.cfg
ファイルで設定することができます。これにより各機関は、Luceneがインデックスを作成するDSpaceメタデータフィールドを選択することができます
たとえば、デフォルトでインストールされたDSpaceには次の項目が指定されています。
search.index.1 = author:contributor.* search.index.2 = author:creator.* search.index.3 = title:title.* search.index.4 = keyword:subject.* search.index.5 = abstract:description.abstract search.index.6 = author:description.statementofresponsibility search.index.7 = series:relation.ispartofseries search.index.8 = abstract:description.tableofcontents search.index.9 = mime:format.mimetype search.index.10 = sponsor:description.sponsorship search.index.11 = id:identifier.*
各項目の形は、search.index.<id> = <検索フィールド>:<メタデータフィールド>
です。ここで、
<id>
は、各検索インデックス項目を区別する増分数、<検索フィールド>
は、このインデックスに対応する検索フィールドの識別子、<メタデータフィールド>
は、インデックスを作成するDSpaceのメタデータフィールドです。したがって、上の例では、search.index項目1、2、6は、author
検索フィールドとして設定されています。author
インデックスは、Luceneにより、全てのcontributor
とcreator
メタデータフィールド、およびdescription.statementofresponsibility
メタデータフィールドから作成されます。
設定を変更した場合は、index-all
を実行してインデックスを再作成してください。
注: インデックスが作成されても、影響を受けるのは検索結果だけです。ユーザインターフェースの検索コンポーネントには影響を与えません。新しい検索機能を追加(たとえば、詳細検索に新しい検索カテゴリを追加する)には、ユーザインターフェースをカスタマイズする必要があります。
システム統計は http://www.mydspaceinstance.edu/statistics
で見ることができます。システム統計を使用するには、インストールの章で述べたように統計を初期化しなければなりません。しかし、その前に、レポートが正しく作成されるようにこれから説明するカスタマイズをする必要があります。
統計システムの設定は [dspace]/config/dstat.cfg
で行います。ファイルは必要な情報を正しく書き込めるようにあなたを案内するはずです。また、このファイルのほとんどの部分は変更する必要がないでしょう。
月次の一般レポートを作成するために提供されているperlスクリプトをカスタマイズするには、スクリプト自体を若干変更する必要があります。その理由は、このスクリプトはエジンバラ大学図書館においてDStatの処理速度を上げるために開発されたものであり、外部ユーザの利用を特に意図していなかったからです。ここで示すのは他の人の便宜を図るためであり、また、レポート作成と作成されたレポートのDSpaceユーザインターフェースへの組み込みの間のギャップ(これは現在のところできの悪い方法です)を埋めるためです。
これらのスクリプトをあなたの目的に合うようにするためには、以下のファイルを順番に開きます。
dstat-general dstat-initial dstat-monthly dstat-report-general dstat-report-initial dstat-report-monthly
最後が-general
で終わるスクリプトは、アーカイブの全履歴にわたるレポートを作成するものです。-initial
で終わるスクリプトは、開始日から現在までを月次レポートとして作成してレポートを初期化するものです。-monthly
で終わるスクリプトは、今月1か月分のレポートを作成するものです。これらのスクリプトは、簡単に作成できることだけを目的に設計されており、特に巧妙でもエレガントでもありません。
各ファイルには次のような区画があります。
# Details used ################################################ ... perlスクリプト ... ################################################
シャープ行で囲まれたperlスクリプトは、レポート作成プログラム全体で使用される変数を定義しています。以下、変数の意味と、各スクリプトで何を設定すべきかを説明します。
dstat-initial:
$out_prefix
: 各出力ファイルの前に付けるプリフィックス
$out_suffix
: 出力ファイルのサフィックス。プリフィックスとサフィックスの間には日付が挿入される
$start_year
: さかのぼって月次ログを開始する年
$start_month
: さかのぼって月次ログを開始する月
$dsrun
: dsrunスクリプトのパス。通常、[dspace]/bin/dsrun
$out_directory
: 解析ファイルを置くディレクトリ。たとえば、[dspace]/bin/log/
dstat-monthly:
$out_prefix
: 各出力ファイルの前に付けるプリフィックス
$out_suffix
: 出力ファイルのサフィックス。プリフィックスとサフィックスの間には日付が挿入される
$dsrun
: dsrunスクリプトのパス。通常、[dspace]/bin/dsrun
$out_directory
: 解析ファイルを置くディレクトリ。たとえば、[dspace]/bin/log/
dstat-general:
$out_prefix
: 各出力ファイルの前に付けるプリフィックス
$out_suffix
: 出力ファイルのサフィックス。プリフィックスとサフィックスの間には今日の日付が挿入される
$dsrun
: dsrunスクリプトのパス。通常、[dspace]/bin/dsrun
$out_directory
: 解析ファイルを置くディレクトリ。たとえば、[dspace]/bin/log/
dstat-report-initial:
$in_prefix
: dstat-initialで作成されたファイルのプリフィックス
$in_suffix
: dstat-initialで作成されたファイルのサフィックス
$out_prefix
: レポートファイルのプリフィックス。DSpace UIで動かすためには、"report-
" でなければならない
$out_suffix
: レポートファイルのサフィックス。DSpace UIで動かすためいは、".html
" でなければならない
$start_year
: dstat-initialで使用した開始年
$start_month
: dstat-initialで使用した開始月
$dsrun
: dsrunスクリプトのパス。通常、[dspace]/bin/dsrun
$in_directory
: dstat-initialで解析ファイルを置いたディレクトリ
$out_directory
: レポートを置くディレクトリ: [dspace]/reports/
dstat-report-monthly:
$in_prefix
: dstat-monthlyで作成されたファイルのプリフィックス
$in_suffix
: dstat-monthlyで作成されたファイルのサフィックス
$out_prefix
: レポートファイルのプリフィックス。DSpace UIで動かすためには、"report-
" でなければならない
$out_suffix
: レポートファイルのサフィックス。DSpace UIで動かすためいは、".html
"でなければならない
$dsrun
: dsrunスクリプトのパス。通常、[dspace]/bin/dsrun
$in_directory
: dstat-monthlyで解析ファイルを置いたディレクトリ
$out_directory
: レポートを置くディレクトリ: [dspace]/reports/
dstat-report-general:
$in_prefix
: dstat-generalで作成されたファイルのプリフィックス
$in_suffix
: dstat-generalで作成されたファイルのサフィックス
$out_prefix
: レポートファイルのプリフィックス。DSpace UIで動かすためには、"report-general-
" でなければならない
$out_suffix
: レポートファイルのサフィックス。DSpace UIで動かすためいは、".html
"でなければならない
$dsrun
: dsrunスクリプトのパス。通常、[dspace]/bin/dsrun
$in_directory
: dstat-generalで解析ファイルを置いたディレクトリ
$out_directory
: レポートを置くディレクトリ: [dspace]/reports/
さらなるカスタマイズをしたい場合は、実行されるコマンドを作成している行を変更し、実際に解析を行うjavaプロセスに渡すパラメタを変更する必要があります。これらのプロセスに関するさらなる情報を得るには、javadocを構築するか、以下のコマンドを実行してください。
[dspace]/bin/dsrun ac.ed.dspace.stats.LogAnalyser -help [dspace]/bin/dsrun ac.ed.dspace.stats.ReportGenerator -help
適当な設定値をセットすることにより画像サムネイルをブラウズページと検索結果ページに表示させることができます。サムネイルを表示させるためには、dspace.cfg
ファイルに次の項目を設定する必要があります。
webui.browse.thumbnail.show = true
false
が設定されているか、この設定項目がない場合は、サムネイルは表示されません。
ブラウズ/検索結果用のサムネイルの大きさを、メディアフィルターが作成するサムネイルの大きさより小さくするよう設定することもできます。これをするには、次の項目を設定してください。
webui.browse.thumbnail.maxheight = <ピクセル単位の最大高さ>
webui.browse.thumbnail.maxwidth = <ピクセル単位の最大幅;
こららの設定項目が設定されていない場合は、thumbnail.maxheight
とthumbnail.maxwidth
が使用されます。これらの項目に、メディアフィルターが作成するサムネイルの大きさ(すなわち、thumbnail.maxheight
とthumbnail.maxwidth
)以上のサイズを設定しても無効になります。
注:
ブラウズページと検索結果ページに表示するサムネイルのリンク先を、次の設定項目で設定することができます。
webui.browse.thumbnail.linkbehaviour = <リンク先のページタイプ>
現在のところ、値として、item
とbitstream
を指定することができます。この設定項目が設定されていない場合、あるいは、間違って設定されている場合のデフォルト値はitem
です。
dspace.cfg
の次の設定項目を設定することで、アイテム表示ページへのサムネイルの表示をオン・オフすることができます。
webui.item.thumbnail.show = true
false
が設定されている場合、あるいは、この設定項目がない場合は、サムネイルは表示されません。
コミュニティやコレクションに含まれるアイテム件数を表示するには、dspace.cfg
ファイルの設定項目webui.strengths.show
を次のように設定します。
webui.strengths.show = true
この設定項目がない場合、あるいは、true
以外の値が設定されている場合は、アイテム件数は表示されません。
ファイルフォーマットサポートポリシーは各機関により決定されるものですので、この件に関するオンラインヘルプは意図的に空欄のままにしてあります。しかし、ヘルプファイルは、アイテムに関するフォーマットとサポートレベルのリストをデータベースから検索して、この情報をユーザに表示します。[dspace-source]/jsp/help/formats.jsp
ファイルの「フォーマットサポートポリシー」の部分を修正することを強く推奨します。
dspace.cfg
に webui.licence_bundle = true
を設定すると、アイテム閲覧ページにアイテムのライセンスへのリンクが作成されます。