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「学術情報センター紀要」第2号(1989年3月)
 要旨

【2001/12】
刊頭のことば
山田 尚勇 (学術情報センター研究開発部長)

1. プログラムデータベースを用いたソフトウェア開発支援システム
浜田 喬(学術情報センター), 山崎 高日子(東京大学)
要旨:
プログラム開発の効率化をはかるために, 既存のプログラムモジュールをデータベース化し, これを能率よくアクセスすることによってソフトウェア作成を支援するシステムを開発した. プログラムモジュールは, 意味表現リスト, 仕様, ソースプログラムからなり, 特定の言語には依存しない仕様による自動合成も行なわれる.

2. セルフルーティング形高速パケット交換の一方式
淺野 正一郎(学術情報センター), 酒井 保明, 崔 明興(東京大学)
要旨:
本論文では, セルフルーティング制御を採用した高速・大容量パケット交換方式を提案している. 本方式により, データ通信のみならず, 音声・画像の統合通信網の形式が可能となる. 本パケット交換の特性を解析した結果, 100ビット/秒の交換処理を可能とすることを明らかにしている.

3. UNIMARC-authorityの課題
内藤 衛亮(学術情報センター)

4. 学術分野における機械可読文書の作成と通信
根岸 正光(学術情報センター)
要旨:
わが国学界における文書・文献の機械可読化および電気通信によるその授受の現況を, 関連「白書」類により確認される一般的・社会的状況と対照しつつ, 総括して報告する. まず, 研究活動における学術情報の生成から受容にいたる再生産過程の図式を提示した上で, 「学術情報システム」構想に基づく, 大学環境での最近のコンピュータ・ネットワークの展開を通観する. つぎに, こうした通信路で伝送されるべき, 文書・文献の機械可読化の状況, さらにデータベース化の動向をまとめる. すなわち, 日本語ワープロ, FAX, デスクトップ印刷, 全文データベース等の実用状況であり, 終わりに, 最近における文書ファイルの論理構造, 割付構造の規格化の動きを, 学術情報センターでの全文データベース作成計画とあわせて検討する.
本稿は, ベルリン日独センター(Japanisch-Deutsches Zentrum Berlin)により, 1988年11月30日〜12月2日に西ベルリンで開催されたセミナー「経済および学問におけるテレコミュニケーション」(Telekommunikation in Wirtschaft und Wissenshaft)のための日本側報告として書かれたものである.

5. 論文集目次型データベースISTP&Bのための検索システムの設計
牧村 正史(名古屋大学), 根岸 正光(学術情報センター)
要旨
学術情報センターでは, 昭和62年度から研究者・図書館員を対象として, オンライン情報検索システムNACSIS-IR (National Center for Science Information System-Information Retrieval System) のサービスを開始した. そこで運用されるデータベースの一つであるISTP&Bは, 科学技術関係の会議録と論文集の内容を目次的に収録したものであり, これは, 巻冊レベルと個別論文レベルの2階層の書誌レベルに関わるデータをもつ. 本稿では, このデータベースのための情報検索システムの設計について, 書誌階層構造の扱い方を中心に報告し, 進んで構造性を内包する文献データベースに対する検索システムの構成方法を検討する.

6. 日本語医学用語の構造解析
小山 照夫(学術情報センター)
要旨
多様な研究分野における各種の専門用語は, 情報検索において重要な役割を果たしているが, これらを用いて正しい検索を行なうためには用語の間のさまざまな概念関係を活用する必要がある. 専門用語の多くが複合概念であることを考えるならば, 用語を一旦基礎要素に分解し, その構造を明らかにすることにより, 専門用語の間の関係を合理的に解析することができるという予想が立てられる. 日本語はこのような解析に本来適している言語といえるであろう. 本論文は医学の分野においてこのような予想の正当性を確認するための予備的な解析として, 基本概念要素の設定, 計算機上の辞書の実現, 基本要素から複合概念を生成するいくつかの規則に関する考察などを紹介するものである.

7. 学術用語データベースの構築
大山 敬三(学術情報センター)
要旨:
学術用語データベースの構築過程として, 筆者は多くの分野の学術用語集冊子体を詳細に調査し, データベースに格納するためのデータ形式と既存資料をデータベース入力形式に変換する手順の設計を行ない, 実際にデータベースの構築を行なった. 本論文では, この結果として明らかとなった用語に付属する情報の種々の特徴と, これらを表現する方法を示している. また, UNIXベースのエンジニアリングワークステーションを用いた校正方式とその効果についても述べている.

8. ストリング・インデクシング・システムの現状 : PRECISを例として
影浦 峡(学術情報センター)
要旨:
ストリング・インデクシング・システムの現状と問題とをまとめる. さらに, PRECISの索引データをもとに現在ストリング・インデクシング・システムが直面している問題の原因について分析する. 最後にストリング・インデクシング・システムの主題アクセスの問題に対する可能な貢献について考察する.

資料

図書館、技術そして学術研究 : 情報センターとしての図書館 [本文:英語]
パトリシア・バッティン (コロンビア大学)
付1: 図書館、技術そして学術研究 : 情報センターとしての図書館 訳: 外山良子
付2: Patricia M. Battinコロンビア大学副学長・図書館長の外国人研究員招へいに対する日本学術振興会宛報告書 1987年7月2日 内藤 衛亮(学術情報センター)

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