大学院教育 / GRADUATE Program

研究分野紹介

情報基礎科学

情報学全体の基礎となる数学的理論を展開する

情報基礎科学では、情報学の基礎となる理論を研究する。これらの理論は、それ自体に深い意義があるだけでなく、ネットワーク、ソフトウェア、人工知能、情報抽出などを含むすべての応用分野の基礎となる。特に、プログラムに関する数理、アルゴリズム理論、数値計算の理論、自然言語に関する数理、量子計算・通信の理論、生物情報学を中心として研究を行う。

研究紹介

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量子情報科学の深化と多様な量子情報技術の実現 - 根本 香絵 教授

20世紀は量子力学の時代とも言われるように、トランジスターやレーザーなど、20世紀を特徴づける技術革新は量子物理学の発展の中から生まれました。 ICT 技術は、現在の経済、社会の基盤となる技術ですが、21世紀に入り、いろいろなところで限界が見え始めています。これら21世紀の様々な課題に対し、技術の原理からその解決へ挑戦するのが量子情報技術です。「量子情報」という言葉 から量子コンピュータを想像しがちですが、計測、センサー、通信、セキュリティ、情報処理など、ICT のすべての分野に及びます。量子情報科学はその基礎を成すもので、我々の研究室では、理論研究を主体に、量子高精度測定、量子通信、量子ネットワーク、量子コンピュータなどをテーマに、量子情報科学の深化と量子情報技術の実現を目指しています。

担当教員 研究キーワード
宇野 毅明 アルゴリズム計算、最適化、データマイニング、データベース処理
河原林 健一 離散数学、グラフ理論、アルゴリズム理論、理論計算機
龍田 真 プログラミング論理、ラムダ計算、型理論、構成的論理
根本 香絵 量子情報・計算、量子光学、理論物理学
速水 謙 数値計算、数値線形代数、連立一次方程式、最小二乗問題、反復解法
金沢 誠 形式言語理論、文法推論、数理言語学、証明論、非古典論理、自然言語の意味論
岸田 昌子 制御理論、最適化、不確かなシステム、ネットワークを介したシステム
松本 啓史 量子情報、量子計算、統計学、情報理論、エンタングルメント
吉田 悠一 アルゴリズム、理論計算機科学、(組合せ)最適化
岩田 陽一 離散アルゴリズム、パラメータ化計算量、ヒューリスティクス
小林 亮太 計算論的神経科学、ウェブマイニング、時系列解析
横井 優 アルゴリズム、メカニズムデザイン、離散凸解析

情報基盤科学

高度情報化社会の基盤となる計算機と通信技術の発展に貢献

情報システムの基盤となる計算機システム及び情報通信ネットワーク分野において、計算機アーキテクチャ、ディジタル回路、並列・分散処理、高性能・高信頼計算、ネットワークアーキテクチャ、プロトコル、セキュリティ、資源管理および性能評価手法等に焦点を当てて、理論的、実践的な研究を行う。

研究紹介
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あれから10年も この先10年も - 五島 正裕 教授

コンピュータの心臓は、言うまでもなく、プロセッサです。時折、「プロセッサの性能はもう十分」というような議論を耳にします。でも、そのような議論は、10 年前にも20 年前にもあったのです。しかし現在、10 年前、20 年前のプロセッサで十分と思う人はいないでしょう。優秀なプログラマほど、今あるプロセッサでちゃんと動くプログラムしか書かないものです。逆に言えば、プロセッサの高速化が約束されてきたからこそ、新しい応用分野が広がってきたのだと言えます。つまり、プロセッサの継続的な高速化は、情報技術全体の牽引役なのです。長い間プロセッサの高速化に寄与してきた高クロック化も10 年以上前に限界を迎えました。しかしその後もプロセッサは、アーキテクチャの改良によって性能向上を果たしてきました。本研究室は、既存の手法を改良するのではなく、より根本的なところから見直すことによって、この性能向上を今後10 年、20 年と継続すべく研究を続けています。

担当教員 研究キーワード
合田 憲人 並列分散計算、グリッドコンピューティング、クラウドコンピューティング
漆谷 重雄 ネットワークアーキテクチャ、ネットワークサービスシステム
計 宇生 ネットワークアーキテクチャ、サービス品質、トラフィック制御、通信プロトコル、資源管理、性能評価
五島 正裕 コンピュータ アーキテクチャ、マイクロアーキテクチャ、ディジタル回路
高倉 弘喜 サイバーセキュリティ、高機能ネットワーク、セキュアネットワーク、データマイニング
米田 友洋 形式的検証、非同期式システム、リアルタイムシステム、高信頼システム、CADツールの開発
阿部 俊二 情報通信ネットワーク、ネットワーク性能解析、QoS制御
金子 めぐみ 無線通信、無線資源割り当て、移動体通信システム、クラウド無線アクセスネットワーク(CRAN)、Machine-to- Machine (M2M)/ Internet of Things (IoT)
栗本 崇 ネットワークプロトコル、ネットワークノードアーキテクチャ
鯉渕 道紘 並列計算機、相互結合網、チップ内ネットワーク、システムエリアネットワーク、ハイパフォーマンスコンピューティング
竹房 あつ子 並列分散処理、資源管理技術、クラウドコンピューティング、インタークラウド
福田 健介 インターネットプロトコル、トラフィック測定・解析・モデリング、ネットワーク科学

ソフトウェア科学

ITのコア技術と付加価値を生み出すソフトウェア

ソフトウェアは、全産業・全活動の基盤であると同時に付加価値の源泉となっている。情報システムは益々多様化している。この鍵を握っているのは、高機能、高品質、高信頼のソフトウェアである。本分野では、次世代情報システムの実現に不可欠なソフトウェア科学の重要な学問的課題を扱う。すなわち、プログラミング言語、ソフトウェア工学(特にプログラム検証)、分散システムなどの基盤となるソフトウェア技術から、データ工学(特にデータマイニング)、シグナルプロセッシングなどの発展的なフトウェア技術まで、基礎から応用までの研究を行う。

研究紹介
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ビッグセンサデータの分析技術の研究 - 高須 淳宏 教授

現在は、さまざまなセンサがスマートフォンや自動車などにとりつけられ、膨大なセンサデータが収集されるようになっています。これらのいわゆるビッグセンサデータを解析することで、社会で起きている各種の事象を検出することが可能になります。私たちはビッグセンサデータ活用のための管理分析技術の研究を進めています。これまでに大規模センサデータ管理のために分散システム上で効率良くデータを処理する時空間索引の研究を行いました。また、センサデータから異常値を検出するための潜在確率モデルやピーク検出アルゴリズムの研究を行っています。さらに、これらの技術を用いて実世界の問題解決に取り組んでいます。例えば、自動車に搭載されたGPSセンサデータを解析しリアルタイムに交通異常を検出する問題や橋梁ヘルスモニタリングデータを解析し構造物の異常を検知する問題に取り組んでいます。

担当教員 研究キーワード
胡 振江 プログラミング言語、関数プログラミング、並列計算、ソフトウエア工学
佐藤 一郎 クラウドコンピューティング、ユビキタスコンピューティング、ミドルウェア、OS
高須 淳宏 データ工学、データ解析と機械学習、テキストパターン解析
中島 震 形式手法、形式仕様と検証、モデリング
橋爪 宏達 ヒューマンインタフェース、マンマシンインタフェース、デジタル信号処理
北本 朝展 画像情報処理、パターン認識、データベース、地球環境情報、デジタルアーカイブ
鄭 顕志 センサーネットワーク、ソフトウェアアーキテクチャ、ミドルウェア
蓮尾 一郎 論理学、オートマトン、圏論、形式手法、物理情報システム、最適化、機械学習
吉岡 信和 セキュリティソフトウェア工学、セキュリティパターン、プライバシーソフトウェア工学
加藤 弘之 XML、データベース、関数型言語、XQuery
坂本 一憲 ソフトウェアテスティング、開発環境・手法、プログラミング教育
対馬 かなえ プログラミング言語型、型推論、型エラーデバッグ

情報メディア科学

人間に適切な情報を提供する「メディア」として振る舞う情報システムの課題に取り組む

本分野では、「メディア」に関わる様々な課題について検討を行う。扱うべき情報は多様なメディアからなるが、その処理において必要となる理論や技術を検討する。大量のメディア情報を効率的に扱うための基盤となる理論・技術について検討する。また、パターン認識や信号処理といったメディア処理全般にかかわる基礎技術や、人間と情報システム、あるいは、人間同士の対話におけるメディアの効用について検討する。

研究紹介
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スマートシティのためのクラウドセンシング - 相原 健郎 准教授

スマートシティの実現に向けて、街なかでの道路状況把握のためのクラウドセンシングの研究に取り組んでいます。スマートフォンで動作するドライブレコーダーアプリケーションを開発・配布し、不特定多数の一般の市民(crowd)から運転時の加速度データ等を収集することで、路面状態(凍結、積雪、乾燥等)が推定され、道路状況の正確かつリアルタイムな共有が可能となります。

クラウドセンシングが機能するためには、市民がそれらサービスに自発的に参加する枠組みが必要であるため、サービス技術としての確立に向けて研究を進めています。

担当教員 研究キーワード
新井 紀子 情報共有、遠隔教育
越前 功 コンテンツセキュリティ、情報セキュリティ、コンテンツ・データ流通、情報ハイディング
佐藤 いまり イメージ・ベースド・モデリング&レンダリング、コンピュテーショナル・フォトグラフィ
杉本 晃宏 コンピュータビジョン、ヒューマン・コンピュータ・インタラクション
相原 健郎 人間-コンピュータインタラクション、ユーザ中心の設計
小野 順貴 音源分離、マイクロフォンアレイ、音響シーン認識、音響信号処理
片山 紀生 マルチメディア情報処理、マルチメディア情報検索
児玉 和也 画像入力、画像復元/再構成、映像符号化、映像通信
後藤田 洋伸 3D モデリング・レンダリング、アニメーション
チョン・ジーン ビデオ圧縮、ビデオストリームミングと伝送、円滑なコミュニケーション
山岸 順一 音声情報処理、統計モデル、音声インタラクション、音声データベース、音声を利用した福祉情報工学
安東 遼一 コンピューターグラフィックス、物理シミュレーション、数値流体力学
池畑 諭 コンピュータビジョン、3次元復元、多視点ステレオ、照度差ステレオ、ディープラーニング
高山 健志 コンピュータグラフィクス、形状モデリング、形状処理、アニメーション
鄭 銀強 コンピュータビジョン、幾何学、三次元再構成、測光学、ハイパースペクトラル、イメージング、数理最適化
孟 洋 パターン認識、映像コンテンツ解析
ユ・イ ソーシャルインターアクション、ジオタグ付きのマルチメディアデータ、位置認識好みマイニング、地理的人気、場所推薦、マルチメディアコンテンツ配信

知能システム科学

人の知的活動の質を高める人工知能技術を創出する

人間の知的作業を人工知能(AI)と呼ばれる技術を用いて、より正確に、かつ、効率的にサポートしていくことが実現されつつある。本学問分野では、知能システムに関するさまざまな研究を通して、今後の情報化社会において必要となる知能システム技術を開発できる人材の育成を目指す。

研究紹介
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Webを通じて社会の知識を探求する - 武田 英明 教授

現在、多くの社会的営みが Web を通じて行われ、また社会の仕組みもWeb によって変化してきています。Web 情報学とは、Web を社会基盤として捉え、Web 上のデータを人々の活動として分析・モデル化するとともに、その成果を生かした新しいWeb の仕組みを提案する分野です。具体的にはSNS などのWeb 上の社会ネットワークの分析・モデル化やWikipedia に代表される集合知からの知識の抽出や活用を行っています。例えば、ニコニコ動画の投稿動画の関係性をネットワークとして分析して、投稿のパターンをモデル化する研究を行っています。またWeb 上の知識をRDF という言語を用いて表現することで知識のネットワーク(知識グラフ)を作ることを行っています。Wikipedia 日本語版から作られた知識グラフであるDBpedia Japanese を公開・運用するとともに、様々な分野の知識グラフを関係付けることで、巨大な知識のネットワークを作っています。この知識は社会全体の知であり、これを用いることで社会的な人工知能が実現できます。

担当教員 研究キーワード
井上 克巳 人工知能、推論、学習、論理プログラミング、制約プログラミング、マルチエージェントシステム
佐藤 健 推論、知識表現、マルチエージェントシステム、機械学習、計算論理
武田 英明 セマンティックWeb、知識共有、コミュニティ支援システム、設計学
プレンディンガー・ヘルムト ライフライク・キャラクタ、仮想世界および3Dインターネット用コンテンツの自動生成、テキストからの感情および心情認識、マルチモーダルインターフェース
山田 誠二 ヒューマンエージェントインタラクション、ヒューマンロボットインタラクション
市瀬 龍太郎 機械学習、データマイニング、セマンティックWeb
稲邑 哲也 ヒューマンロボットインタラクション、知能ロボット、認知発達、確率的情報処理
大向 一輝 セマンティックウェブ、社会ネットワーク分析、知識共有
杉山 麿人 機械学習、データマイニング、統計、知識発見、バイオインフォマティクス
坊農 真弓 社会言語学、会話情報学、発話、身体動作、手話、会話分析、社会的相互行為
水野 貴之 経済物理学、ブーム-バブル現象、ビッグデータマイニング、Webマイニング、統計物理学、マクロ経済学
宮尾 祐介 自然言語処理、計算言語学

情報環境科学

情報社会の実現に不可欠な学問体系

情報環境とは、情報、情報通信基盤、情報管理・流通・検索システム、人及び社会基盤を一体としてみなした概念であり、情報社会の実現に不可欠な学問体系であると理解されるようになってきた。本分野では、情報環境科学概論を基礎科目とし、基礎から応用までを体系的に研究する。

研究紹介
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学術研究のプレスリリースと新聞報道の要因 - 西澤 正己 准教授

科学計量学は測定可能な量から科学の動態を理解していこうとする分野です。優れた成果を出した研究と支援・資金投入の関係から成果の原点を探ったり、学術研究のプレスリリースと新聞掲載との相関から掲載される要因を分析したりしています。

近年、研究成果として大学から発信されるプレスリリースが急激に増えており、それに従って新聞掲載も増えていますが、原論文が掲載された論文誌や分野によって新聞への掲載率がかなり違っていることがわかってきています。学術雑誌のインパクトファクターやオルトメトリックス指標、その他の測定可能な量から多面的に要因分析を行っています。

これらの研究を通して、研究への効果的な投資方法やタイミング、あるいは新聞掲載の要因と効果的な発信方法などを見出そうとしています。

担当教員 研究キーワード
大山 敬三 データ工学、情報検索、情報システム、Web情報処理、情報アクセス技術、テキスト処理
神門 典子 情報検索、情報アクセス技術、テキスト処理、評価手法と指標
岡田 仁志 Eコマース、Eビジネス、電子マネー
孫 媛 ビブリオメトリックス、書誌情報、統計手法、研究評価
西澤 正己 科学計量、計量文献、研究動向、統計分析

国立大学法人 総合研究大学院大学 複合科学研究科情報学専攻

国立大学法人 総合研究大学院大学 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所 / National Institute of Informatics