研究 / Research

コンテンツ科学研究系

高野 明彦
TAKANO Akihiko
コンテンツ科学研究系 教授
学位:2000年11月 博士(理学)(東京大学)
専門分野:コンテンツ基盤
研究内容:http://researchmap.jp/akihikotakano/
連想情報学研究開発センター長 異種メディアの文化的記憶を連想技術で融合する知識連携基盤

サイエンスライターによる研究紹介

発想を広げ、思考を深める情報サービスを

インターネットが普及することで果たしてこの社会はよくなっているのでしょうか。ネット上には信頼度の低い情報があふれ、ブログや掲示板などでは匿名の誹謗中傷が問題になることがあります。しかしネットの世界にはまた、貴重で有用なコンテンツもたくさんあります。情報技術に携わる者として、信頼性の高い情報を探し出す手助けをすると同時に、発想を広げたり、思考を深めることができる情報サービスの提供を目指しています。

「連想」機能を活用した知的電子情報空間

これまで人類が築いてきた知の蓄積である本や百科事典などは信頼性の高い情報とみなすことができます。これらを電子情報空間と結びつけ、人と情報空間の創造的相互作用を活性化するインターフェースとして2007 年に構築したのが、「想・IMAGINE」です。
これは、新書・選書を関連するテーマで検索できる「新書マップ」や、全国の大学図書館などの書誌データを検索できる「Webcat Plus」、東京・神田神保町の古書店の在庫検索に加え、店の場所を地図上に示してくれる「Book Town じんぼう」など本にかかわる情報サービスと、全国の博物館・ 美術館収蔵の文化財7000 点の画像を一覧できる「文化遺産オンライン」、松岡正剛氏の書評サイト「千夜千冊」、「ウィキペディア」、インターネット新聞「JanJan」など10 の情報源(データベース)を横に並べ、そこから関連情報を連想検索で一気に収集できるシステムです。
連想検索とは、キーワードや文章を入れて検索すると、人間が連想するように関連する情報が提示され、それを基にさらに検索を進めることで、最初は思いつかなかった情報を見つけたり、新たな分野に思考の幅を広げることができるシステムです。その基になる技術(汎用連想計算エンジンGETA)を開発し、これまで上記を含むさまざまな情報サービスに適用してきました。

言語を超えて広がる連想

「想・IMAGINE」では、収集された情報から関心のあるものにチェックを入れ検索を進めることで、それらを基点に関連情報を再収集することができます。個々の情報源を各分野の専門家と見れば、自分とそれら専門家との想いのキャッチボールが展開されることになります。これは、信頼性の高い情報に支えられた、豊かな対話の空間といえるのではないでしょうか。
今後は、この「想・IMAGINE」をプラットフォームとして、「知の公共財」といえるような情報サービスを構築していきたいと考えています。その1つは「想・IMAGINE」の多言語化です。共同研究を行っている米国のスタンフォード大学では、すでに同大学図書館の書誌データベースなど英語の情報源を対象とする「想・IMAGINE」が稼働しています。将来はこの日米2つの「IMAGINE」をつないで、言語や文化を超えて連想が広がっていく対話空間を作っていきたいと思います。

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取材・構成 村上朝子

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