研究 / Research

コンテンツ科学研究系

相原 健郎
AIHARA Kenro
コンテンツ科学研究系 准教授
学位:博士(工学)
専門分野:人間・知識メディア
研究内容:http://researchmap.jp/aihara/
利用者を通じたリアル空間における情況のセンシング

サイエンスライターによる研究紹介

情報システムを使って知的環境を支援する

コンピューターで人の「創造性」を支援する

情報システムを使って人の役に立つものをつくりたい。それが私の基本的なスタンスです。特に、人が創造的な活動を行うにはどんな支援をすればよいかを、人間中心の視点で探求しています。世の中にはコンピューターで扱えていないものがたくさんあります。人の頭の中の漠然としたイメージはもちろん、見た風景、聞いた音や会話も、記録しなければ消えてしまって残りません。人にとってはより身近なこうした情報が残っていれば、その後の創造的な活動に役立つにちがいありません。このため、これらの情報を画像や映像、音声といった多様な形でデジタル化して蓄積し、効果的に活用できる基盤技術について研究しています。

誰もがいつでも文化・芸術に触れられる環境を

現在取り組んでいるのは、文化や芸術といった知的資産を活用するための基盤技術の構築です。例えば、年代、出土地などの基本情報に加え、さまざまな人がそれぞれの観点で書いた解説文を作品や用語などと関連づけることで、文化財コンテンツを活用する方策の提案などが研究課題です。具体的には、東京国立博物館所蔵の文化財の画像データを使用して、文化財コンテンツを教育に活用するための学習用システムの研究と開発を進めています。この学習用システムでは、専門家がもっている情報を、子どもたちが必要としている情報にどう再構成し、どういう形で子どもたちとシステムとの対話(インタラクション)を実現するかが鍵になります。このため、埴輪や土器などの画像をズームアップして細部の模様を見たり、いろいろな角度から見たり、年代別や出土地別に
分類して共通点を探すこともでき、興味に応じて自発的にテーマを見つけることが可能なシステムを開発しました。小学校6 年生を対象に行った研究授業では、学習用システムに対して非常にポジディブな反応をもらいました。

「知」のアーカイブを活用する

このプロジェクトに先行して、職人がもつ「知」のアーカイブに関する研究も進めてきました。漆職人に、技法や作品にこめた思いをインタビュー形式で話してもらい、それを映像の形でアーカイブ化します。映像中には、作品への興味をかきたてる生き生きとした話や所作が記録されており、これらのコンテンツを活用する情報基盤を提案してきました。今後は、各地の博物館や美術館にこうした手法を広く普及させることで、誰もがいつでもどこでも文化や芸術に触れられ、自分からも情報発信できるような情報環境の提案を目指しています。

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取材・構成 財部恵子

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