NII Today 第68号
May. 2015No.68

東京オリンピック・パラリンピック特集 Vol.1情報学が貢献できること

2020年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)は、人々がスポーツを楽しみ社会が豊かになるために、ICTがどのような貢献ができるか思案する、絶好のチャンスです。NIIの喜連川優所長は、中でもパラリンピックを通じて障碍者・高齢者社会の課題解決を図ることが、イノベーションのきっかけになると言います。NIIの研究開発にとっても重要な"多様性"のとらえ方を聞きました。

CONTENTS

Interview

多様性で育むイノベーション、鍵はパラリンピックにあり

2020年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)は、人々がスポーツを楽しみ社会が豊かになるために、ICTがどのような貢献ができるか思案する、絶好のチャンスだ。NIIの喜連川優所長は、中でもパラリンピックを通じて障碍者・高齢者社会の課題解決を図ることが、イノベーションのきっかけになると言う。NIIの研究開発にとっても重要な“多様性”のとらえ方を聞いた。

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外国人観光客の動きを把握するモバイルセンシング

東京2020大会の先を見据え、観光振興に貢献

現在、人々が持ち歩くスマートフォンなどにより、その人の動きや周囲の状況をセンシングするモバイルセンシングに注目が集まっている。すでに、モバイルセンシングの取得データから国内旅行者や訪日外国人などの観光客の動態を捉え、観光振興につなげていく研究も始まっている。この研究を進めるNIIの相原健郎准教授に、オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えて、研究の詳細や現状、さらに展望を聞いた。

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幻肢痛リハビリシステム構想

没入型バーチャルリアリティをリハビリに活かす

欠損した四肢があたかも存在するかのように感じる症状を「幻肢」という。幻肢の感覚は人によって違い、主観的に動かせることもあれば、まったく動かないこともある。「幻肢痛」とは、幻肢が痛む症状だ。ヒューマン・ロボット・インタラクションの研究を行っているNIIの稲邑哲也准教授は、2014年夏から科学研究費補助金 新学術領域「脳内身体表現の変容機構の理解と制御」の一環として、バーチャルリアリティ(VR)を活用した幻肢痛のリハビリに関する共同研究を本格的に始めた。

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情報学による都市化問題解消と 真のバリアフリー化を考える

オリ・パラは超サイバー社会に関する実証実験の好機

人類最大のスポーツの祭典であるオリンピックとパラリンピックは、一過性のイベントでありながらも、「オリンピックレガシー(遺産)」を創り、引き継ぎ、後世に残して発展してきた。今度の東京2020大会は、どんな「レガシー」を創り出し、未来につなげるのだろうか。NIIの佐藤一郎教授が提案するのは、「スマートなゴミ対策」と「多様な障碍に対応できる真のバリアフリー化」の2つ。東京2020大会を情報学の実践応用の場とする一方、社会実験の好機として、未来の障碍者支援と都市化問題解決への道を探る試みが始まっている。

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ロンドン2012大会から東京2020大会へのバトン

群衆の動きをリアルタイムに解析し、サービスへ展開する

2012年に開催されたロンドンオリンピック・パラリンピックは、初の「デジタルオリンピック」とも称され、成果はその後の社会インフラやICT活用を大きく変えることにつながった。さらなるデジタル化が見込まれる2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会では、この成果のバトンがどんな形で受け渡されるのか。ロンドン2012大会で群衆のリアルタイム行動解析の実証実験を手がけたドイツ人工知能研究センターのAndreas Dengel教授に聞いた。

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Essay

競技力向上に貢献する新しい ICT

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NII Today 第68号

NII Today 第68号

2015年5月発行

・多様性で育むイノベーション、鍵はパラリンピックにあり
・外国人観光客の動きを把握するモバイルセンシング
・幻肢痛リハビリシステム構想
・情報学による都市化問題解消と 真のバリアフリー化を考える
・ロンドン2012大会から東京2020大会へのバトン
・競技力向上に貢献する新しい ICT

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