(財)東洋文庫附置ユネスコ東アジア文化研究センター研究員
後藤 敦子
財団法人東洋文庫附置ユネスコ東アジア文化研究センターは,ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)と日本ユネスコ国内委員会との協力・援助によって,昭和36年7月1日に,世界でも有数の東洋学に関する蔵書を誇る財団法人東洋文庫の附置機関として設立された調査研究機関である。以来,東アジアを中心とするアジア諸地域の人文・社会科学分野でなされている研究に関するインフォメーションセンターとして,調査研究・出版・資料保存などの事業を実施してきた。
当センターでは,学術情報センターのご協力により,4件のデータベースをNACSIS-IRで平成8年10月1日から公開している。データベースの概要は以下のとおりである。
(a)中央アジア研究文献索引データベース
我が国における中央アジア地域に関する人文・社会科学分野の学術文献の索引情報
収録件数 15,816件
呼び出しコマンド BCAJ
(b)中東・イスラーム研究文献索引データベース
我が国における中東イスラーム地域に関する人文・社会科学分野の学術文献の索引情報
収録件数 18,205件
呼び出しコマンド BIMEJ
(c)アジア歴史研究者ディレクトリ
我が国で研究活動している東洋史研究者のプロフィールおよび発表論文情報
収録件数 1,800件
呼び出しコマンド RESAHJ
(d)印度学・仏教学研究者ディレクトリ
我が国で研究活動している印度学・仏教学研究者のプロフィールおよび発表論文情報
収録件数 758件
呼び出しコマンド RESBIJ
当センターの事業の一つとして,かつて「文献目録および研究者・研究機関名簿の編集・出版」があった。その成果は,英文出版物として刊行し,国内外の研究機関・大学・図書館などに寄贈した。
これまでに,Bibliography of Central Asian Studies in Japan, 1879- March 1987(昭和63年),Bibliography of Islamic and Middle Eastern Studies in Japan, 1868-1988(平成4年),Directory of Asian Studies in Japan(平成4年,平成8年改訂),Directory of Indic and Buddhist Studies in Japan(平成6年),Directory of Asian Language and Literature in Japan(平成9年),Directory of Chinese Studies in Japan(平成11年)を刊行した。
上記4件のデータベースは,これらの情報を更新し,文献索引データベースには検索可能なように53のテーマコードおよび14の地域コードを新たに加え,研究者ディレクトリには研究業績を可能な限り補充したものである。
このように,学術情報センターにデータベースを提供する以前は,情報は印刷物のみを媒体としていた。NACSIS-IRを通じたオンライン検索による情報の提供は,当センターにとって歴史的な出来事であった。
これらのデータベースの利点は,言うまでもないことであるが,目的物に行き当たるためには,印刷物では最初から最後まで目を通さなければ不可能であったが,それがコンピュータ検索のよって簡便になったところである。目録にはコードを付加したことにより,専門的な関心できめ細かい検索ができるようになった。さらに,「目録所在情報データベース(図書)(雑誌)」と統合検索することによって,単行書,雑誌の所蔵図書館を同時に調べられるのも,NACSIS-IRの長所である。
今後の課題は,第一には上記のデータベースの利用促進であり,第二には迅速なデータの更新であろう。
利用促進については,来年度以降NACSIS-IRが,インターネット対応サービスが可能になるということを伺った。これによって,従来のコマンド入力によるわずらわしさから解放され,使用感が格段によくなることと思われる。
データ更新については,平成11年6月から,東洋文庫のホームページ(URL: http://www.toyo-bunko.or.jp/ceacs/bib_update.html)に,目録情報の入力フォームを設置し,研究者にひろくデータ提供を求める実験をはじめた。
平成11年度から,「文献目録および研究者・研究機関名簿の編集出版」事業を解消し,新たに「研究情報データベースの作成」および「コンピュータネットワークの形成」事業を開始した。これは,国内外のアジアに関する研究情報を収集し,データベース化し,出版物,CD-ROM,学術情報センターへのデータ提供および東洋文庫のホームページでの公開など,その成果をさまざまな媒体で普及していく事業である。
さらに平成12年度以降の計画として,文献目録については,中東・中央アジアに限定せず地域を拡大し,アジア全域を対象とした人文・社会科学分野の研究情報データベースの作成を準備している。そのために情報資源の共有をめざした関係機関との連携協力を進めていこうと考えている。今後とも焉C関係者各位にご協力をお願いしたい。
末尾ながらデータベースの作成・公開について,学術情報センター研究主幹の内藤衛亮教授にご指導・ご支援を賜った。この場をかりて感謝申し上げる。
表示例「中東・イスラーム研究文献索引データベース」
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TITL:「セルジューク朝時代のシフナ職−−バグダードを中心に」
TITE:#The Office of Shihna under the Great Saljuq Dynasty: The Case of Baghdad.
AUTH1:後藤 敦子 (著)
AUTY1:ごとう あつこ
AUTE1:GOTO^ Atsuko
CITN:イスラム世界
VOLN:39・40. PAGE:pp.23-44+160. YEAR:1993/3/30.
LANG:日本語 Jpn
PUBP:東京 PUBN:日本イスラム協会
THEM1:031 歴史考古:前近代 THME1:History, Archaeology:Pre-modern
AREA1:06 アラブ:イラク ARAE1:ArabWorld:Iraq
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表示例「アジア歴史研究者ディレクトリ」
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NAME:石井 米雄 NAMEY:いしい よねお
NAMEE:ISHII,Yoneo GEND:男 GENDE:Male
BORN:1929.10.10
AFFN:神田外語大学;京都大学;ユネスコ東アジア文化研究センター
学長;名誉教授;所長
AFFNE:Kanda Univ. of Intl. Studies; Kyoto Univ.; Centre for East Asian Cultural Studies, Toyo Bunko (Oriental Lib.)
President; Prof. Emer.; Director
ADDR:414 千葉県千葉市美浜区若葉 1-4-1
ADDRE:Chiba 414, Chiba-shi, Mihama-ku, Wakaba1-4-1
AREA:東南アジア AREAE:Southeast Asia
THEM:タイ史 THME:Thai history
WORK1:『Millenarianism in Asian history』Tokyo:Institute for the Study of Languages and Cultures of Asia and Africa.(東京:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)(1993)
WORK2:(共編:吉川利治)『タイの事典』京都:同朋舎出版(1993)
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