学術の総合情報センター(仮称)の建築状況

 学術情報センターは,現在,筑波大学から大塚地区E館(文京区大塚)の一部を,東京大学から理学系研究科附属植物園(文京区白山)の一角をお借りしている状況であるが,センター創設当初からの悲願であった本部棟の新営が,平成7年度の補正予算で「学術の総合情報センター(仮称)」として認められ,これまで順調に工事が進められている。

 文部省関係の建物としては,最高層となる地上23階建で,また初の合同ビルでもあり,当センターの他に一橋大学の夜間大学院や,500人収容の大会議場と多目的利用が可能な中会議場の運営にあたる国立学校財務センターなども入居することになっている。

 建設場所は,千代田区一ツ橋2丁目,旧一ツ橋講堂の跡地である。この地は,幕末までは「護持院ケ原」と呼ばれた空地で,幾度も火災や地震による被害を受け,火災の延焼を防止するための火除地となっていた。地名の由来ともなっている護持院は,徳川五代将軍綱吉が湯島にあった知足院を一ツ橋の隣町である神田錦町に移し,筑波山護持院元禄寺と改称したもので,この護持院も,亨保の大火により,文京区大塚の護国寺に移されたことなどが,遺跡の発掘調査で判った。当センターは,その護国寺のお膝元から,護持院ケ原へ移転する。何か因縁めいたものを感じる。

 写真は,平成10年4月初旬に撮影したもので,全体工事の62%を終了した段階である。平成11年度の竣功を目指しており,火災にも地震にも強い,インテリジェントビルディングが,学術情報センターの新しい「顔」になろうとしている。

〔建物の概要〕

・敷地面積  6,842.60u

・延床面積  42,314.35u

・階  数  地上23階

       地下2階

・最高高さ  113.2m


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