|
| 政府情報を多角的視点から知る |
| 政府が持つ情報は、市民の共有財産です。この政府情報を、誰もが自由に手に入れ、利用することができるための仕組を作りたいと考えています。これまで、政治学、行政学などを学んできたこと、行政の情報や行動のあり方に常に興味を抱いていたことが、この研究の背景にあります。 |
| 図書館の機能と使命 |
| 今取り組んでいるテーマの1つは、「図書館を介して政府情報へアクセスする仕組み」です。日本では、2001年の情報公開法施行以後、政府も積極的に情報を市民に提供するようになりましたが、市民が政府情報を共有する仕組みは整っていません。日本の図書館は、本や雑誌、CDなどの貸し出し利用が多いのが現状ですが、米国では19世紀半ば頃から、図書館が政府刊行物の閲覧を保障する機能を担ってきました。最近では、電子政府が登場し、行政サービスや政府資料がネットワークを介して提供されるようになりましたが、電子資料が永続的に蓄積され、市民へのアクセスが永続的に保障されるかどうか、予測することができません。図書館に課せられた使命の1つは、「過去および現在の政府資料に、どのようなことが記録されてきたか、それを検証可能な状態にする」ことだと考えています。 |
| 情報を「残す」意義とは? |
政府の情報公開の前提となるのは、文書記録を含めた政府の情報がきちんと整理されているかということです。政府の文書記録の整理においても、日本はかなり遅れています。第二次世界大戦後の高度成長期にどのような政策を進めてきたかについてでさえ、日本には記録がなく、結局、米国の公文書館から得たという話もあります。最近、内閣府と国立公文書館が中心となり、文書記録を残す体制づくりにようやく着手しました。このような公文書管理(アーカイブズ)やその制度の国際比較も、私の研究の1つです。
アーカイブズとは、広く言えば情報を残すということですが、「残す」意義がどういうところにあるのかに惹かれます。「知」の蓄積へのアプローチについて、将来的には政府情報に限らず、広い視点から考えていきたいと思っています。 |
|